【プロ講師解説】このページでは『高校化学の「理論化学・無機化学」によく出てくる化学反応式』について解説しています。解説は高校化学・化学基礎を扱うウェブメディア『化学のグルメ』を通じて6年間大学受験に携わるプロの化学講師が執筆します。
酸・塩基反応に関する化学反応式
【化学反応式1】中和反応
HCl + NaOH → NaCl + H_{2}O\\
Ca(OH)_{2} + H_{2}SO_{4} → CaSO_{4} + 2H_{2}O
\]
酸と塩基が反応すると塩と水が生成する。
※中和反応に関して詳しいことは酸・塩基の定義(アレニウス/ブレンステッド・ローリー)や中和(定義・塩・中和反応式の作り方など)を参照
【化学反応式2】酸性酸化物+塩基
SiO_{2} + 2NaOH → Na_{2}SiO_{3} + H_{2}O\\
2KOH + CO_{2} → K_{2}CO_{3} + H_{2}O
\]
酸性酸化物と塩基が反応すると塩と水が生成する。
※酸化物と塩基・水との反応に関して詳しいことは酸性酸化物・塩基性酸化物・両性酸化物(違い・見分け方・一覧・反応など)を参照
【化学反応式3】塩基性酸化物+酸
CaO + 2HCl → CaCl_{2} + H_{2}O\\
ZnO + H_{2}SO_{4} → ZnSO_{4} + H_{2}O
\]
塩基性酸化物と酸が反応すると塩と水が生成する。
※酸化物と塩基・水との反応に関して詳しいことは酸性酸化物・塩基性酸化物・両性酸化物(違い・見分け方・一覧・反応など)を参照
【化学反応式4】酸性酸化物+水
CO_{2} + H_{2}O → H_{2}CO_{3}\\
P_{4}O_{10} + 6H_{2}O → 4H_{3}PO_{4}
\]
酸性酸化物と水が反応するとオキソ酸が生成する。
※酸化物と塩基・水との反応に関して詳しいことは酸性酸化物・塩基性酸化物・両性酸化物(違い・見分け方・一覧・反応など)を参照
【化学反応式5】塩基性酸化物+水
CaO + H_{2}O → Ca(OH)_{2}\\
Na_{2}O + H_{2}O → 2NaOH
\]
塩基性酸化物と水が反応すると水酸化物が生成する。
※酸化物と塩基・水との反応に関して詳しいことは酸性酸化物・塩基性酸化物・両性酸化物(違い・見分け方・一覧・反応など)を参照
【化学反応式6】弱酸遊離・弱塩基遊離反応
NaHCO_{3} + HCl → NaCl + H_{2}O + CO_{2}\\
CaCO_{3} + 2HCl → CO_{2} + CaCl_{2} + H_{2}O
\]
弱酸(弱塩基)を含む塩と強酸(強塩基)を反応させると、弱酸(弱塩基)と強酸(強塩基)を含む塩になる。
※弱酸・弱塩基遊離反応に関して詳しいことは【弱酸・弱塩基遊離反応】原理や公式、反応式の作り方などを参照
【化学反応式7】揮発酸遊離反応
NaCl + H_{2}SO_{4} → NaHSO_{4} + HCl
\]
揮発性の酸を含む塩と不揮発性の酸を反応させると、揮発性の酸が発生する。
※揮発酸遊離反応に関して詳しいことは揮発性酸遊離反応(原理・例・濃硫酸を使う理由など)を参照
酸化・還元反応に関する化学反応式
【化学反応式8】半反応式
MnO_{4}^{-} + 8H^{+} + 5e^{-} → Mn^{2+} + 4H_{2}O\\
F_{2} + 2e^{-} → 2F^{-}
\]
半反応式の作り方の手順は決まっており、確実にできるようにしておく必要がある。
※半反応式の作り方や一覧に関しては半反応式・酸化還元反応式(作り方・覚え方・問題演習など)や半反応式一覧を参照
【化学反応式9】酸化還元反応式
2MnO_{4} + 5H_{2}O_{2} + 3H_{2}SO_{4} → K_{2}SO_{4} + 2MnSO_{4} + 5O_{2} + 8H_{2}O
\]
酸化還元反応式は、2つの半反応式を組み合わせることによって作られる。
※酸化還元反応式の作り方に関して詳しいことは半反応式・酸化還元反応式(作り方・覚え方・問題演習など)を参照
【化学反応式10】非金属の酸化反応
C + O_{2} → CO_{2}\\
2H_{2} + O_{2} → 2H_{2}O
\]
この反応は酸化数を考えると酸化還元反応であることが分かりやすい。
炭素Cは単体なので酸化数0なのに対して、反応後の二酸化炭素CO2に含まれるCの酸化数は+4。したがって、酸化数が増加してるのでCは酸化していると言える。
※酸化数に関して詳しいことは酸化数(求め方・ルール・例外・例題・一覧・演習問題)を参照
【化学反応式11】金属の酸化反応
4Fe + 3O_{2} → 2Fe_{2}O_{3}\\
2Mg + O_{2} → 2MgO
\]
この反応も、反応前後でFeの酸化数が増加しているので酸化還元反応。
※酸化数に関して詳しいことは酸化数(求め方・ルール・例外・例題・一覧・演習問題)を参照
【化学反応式12】金属同士のイオン化傾向の差によるe–の受け渡し
Cu^{2+} + Zn → Cu + Zn^{2+}\\
Cu^{2+} + Fe → Cu + Fe^{2+}
\]
金属板同士を同じ容器に入れるとイオン化傾向の高い方が溶け出しイオンになる。
※イオン化傾向と金属板の溶解に関して詳しいことはイオン化傾向(覚え方・定義・金属板の反応のしやすさ)を参照
【化学反応式13】金属と水の反応
2K + 2H_{2}O → 2KOH + H_{2}\\
Ca + 2H_{2}O → Ca(OH)_{2} + H_{2}\\
2Na + 2H_{2}O → 2NaOH + H_{2}
\]
K・Ca・Naはイオン化傾向が極めて大きいため、冷水と反応して水素と水酸化物を生じる。
またMgは熱水、Al・Zn・Feは高温の水蒸気と反応する。
※イオン化傾向に関して詳しいことはイオン化傾向(覚え方・定義・金属板の反応のしやすさ)を参照
【化学反応式14】金属と酸の反応
Zn + 2HCl → ZnCl_{2} + H_{2}\\
Cu + 2H_{2}SO_{4} → CuSO_{4} + 2H_{2}O + SO_{2}
\]
水素よりもイオン化傾向が大きい金属は、希酸(薄い酸:塩酸・希硫酸など)と反応し水素H2を発生する。
水素よりもイオン化傾向が小さい金属は、酸化力のある酸(熱濃硫酸・希硝酸・濃硝酸)・王水などと反応し、水素以外の気体を発生する。
※イオン化傾向に関して詳しいことはイオン化傾向(覚え方・定義・金属板の反応のしやすさ)を参照
電池に関する化学反応式
【化学反応式15】ボルタ電池
Zn + 2HCl → ZnCl_{2} + H_{2}\\
Cu + 2H_{2}SO_{4} → CuSO_{4} + 2H_{2}O + SO_{2}
\]
※ボルタ電池の仕組みや注意点に関してはボルタ電池(仕組み・各極の反応・分極の理由など)を参照
【化学反応式16】ダニエル電池
負極:Zn → Zn^{2+} + 2e^{-}\\
正極:Cu^{2+} + 2e^{-} → Cu\\
全体:Zn + Cu^{2+} → Zn^{2+} + Cu
\]
※ダニエル電池の仕組みや注意点に関してはダニエル電池(仕組み・各極の反応式・素焼き版・起電力など)を参照
【化学反応式17】鉛蓄電池
負極:Pb + SO_{4}^{2-} → PbSO_{4} + 2e^{-}\\
正極:PbO_{2} + 4H^{+} + SO_{4}^{2-} + 2e^{-} → PbSO_{4} + 2H_{2}O\\
全体:Pb + PbO_{2} + 2H_{2}SO_{4} ⇄ 2PbSO_{4} + 2H_{2}O
\]
※鉛蓄電池の仕組みや注意点に関しては鉛蓄電池(仕組み・反応式・充電・計算問題の解き方など)を参照
【化学反応式18】燃料電池
リン酸型燃料電池
負極:H_{2} → 2H^{+} + 2e^{-}\\
正極:O_{2} + 4H^{+} + 4e^{-} → 2H_{2}O\\
全体:2H_{2} + O_{2} → 2H_{2}O
\]
※燃料電池の仕組みや注意点に関しては燃料電池(リン酸型・アルカリ型の仕組み、各極の反応式など)を参照
アルカリ型燃料電池
負極:H_{2} + 2OH^{-} → 2H_{2}O + 2e^{-}\\
正極:O_{2} + 2H_{2}O + 4e^{-} → 4OH^{-}\\
全体:2H_{2} + O_{2} → 2H_{2}O
\]
※燃料電池の仕組みや注意点に関しては燃料電池(リン酸型・アルカリ型の仕組み、各極の反応式など)を参照
電気分解に関する化学反応式
【化学反応式19】H2SO4水溶液(陽極Pt,陰極Pt)
陽極:2H_{2}O → O_{2} + 4H^{+} + 4e^{-}\\
陰極:2H^{+} + 2e^{-} → H_{2}
\]
※電気分解の仕組みや反応式の作り方に関しては電気分解(原理・反応式・電池との関係など)を参照
【化学反応式20】Na2SO4水溶液(陽極Pt,陰極Pt)
陽極:2H_{2}O → O_{2} + 4H^{+} + 4e^{-}\\
陰極:2H_{2}O + 2e^{-} → H_{2} + 2OH^{-}
\]
※電気分解の仕組みや反応式の作り方に関しては電気分解(原理・反応式・電池との関係など)を参照
【化学反応式21】CuSO4水溶液(陽極Pt,陰極Pt)
陽極:2H_{2}O → O_{2} + 4H^{+} + 4e^{-}\\
陰極:Cu^{2+} + 2e^{-} → Cu
\]
※電気分解の仕組みや反応式の作り方に関しては電気分解(原理・反応式・電池との関係など)を参照
【化学反応式22】CuSO4水溶液(陽極Cu,陰極Cu)
陽極:Cu → Cu^{2+} + 2e^{-}\\
陰極:Cu^{2+} + 2e^{-} → Cu
\]
※電気分解の仕組みや反応式の作り方に関しては電気分解(原理・反応式・電池との関係など)を参照
【化学反応式23】CuCl2水溶液(陽極C,陰極C)
陽極:2Cl^{-} → Cl_{2} + 2e^{-}\\
陰極:Cu^{2+} + 2e^{-} → Cu
\]
※電気分解の仕組みや反応式の作り方に関しては電気分解(原理・反応式・電池との関係など)を参照
【化学反応式24】NaCl水溶液(陽極C,陰極Fe)
陽極:2Cl^{-} → Cl_{2} + 2e^{-}\\
陰極:2H_{2}O + 2e^{-} → H_{2} + 2OH^{-}
\]
※電気分解の仕組みや反応式の作り方に関しては電気分解(原理・反応式・電池との関係など)を参照
【化学反応式25】NaOH水溶液(陽極Pt,陰極Pt)
陽極:4OH^{-} → 2H_{2}O + O_{2} + 4e^{-}\\
陰極:2H_{2}O + 2e^{-} → H_{2} + 2OH^{-}
\]
※電気分解の仕組みや反応式の作り方に関しては電気分解(原理・反応式・電池との関係など)を参照
【化学反応式26】AgNO3水溶液(陽極Pt,陰極Pt)
陽極:2H_{2}O → O_{2} + 4H^{+} + 4e^{-}\\
陰極:Ag^{+} + e^{-} → Ag
\]
※電気分解の仕組みや反応式の作り方に関しては電気分解(原理・反応式・電池との関係など)を参照
【化学反応式27】KI水溶液(陽極Pt,陰極Pt)
陽極:2I^{-} → I_{2} + 2e^{-}\\
陰極:2H_{2}O + 2e^{-} → H_{2} + 2OH^{-}
\]
※電気分解の仕組みや反応式の作り方に関しては電気分解(原理・反応式・電池との関係など)を参照
沈殿生成反応に関する化学反応式
【化学反応式28】水酸化物イオンOH–との反応
反応式 | 沈殿の色 | |
---|---|---|
Ag+ | 2Ag+ + 2OH– → H2O + Ag2O | 褐色 |
Cu2+ | Cu2+ + 2OH– → Cu(OH)2 | 青白色 |
Fe2+ | Fe2+ + 2OH– → Fe(OH)2 | 緑白色 |
Fe3+ | Fe3+ + 3OH– → Fe(OH)3 | 赤褐色 |
Zn2+ | Zn2+ + 2OH– → Zn(OH)2 | 白色 |
Pb2+ | Pb2+ + 2OH– → Pb(OH)2 | 白色 |
Al3+ | Al3+ + 3OH– → Al(OH)3 | 白色 |
※沈殿生成反応の仕組みや反応式の作り方に関しては沈殿生成反応の仕組みと沈殿生成反応式の作り方を参照
【化学反応式29】塩化物イオンCl–との反応
反応式 | 沈殿の色 | |
---|---|---|
Ag+ | Ag+ + Cl– → AgCl | 白色 |
Pb2+ | Pb2+ + 2Cl– → PbCl2 | 白色 |
※沈殿生成反応の仕組みや反応式の作り方に関しては沈殿生成反応の仕組みと沈殿生成反応式の作り方を参照
【化学反応式30】硫化物イオンS2-との反応(中性・塩基性下)
反応式 | 沈殿の色 | |
---|---|---|
Fe2+ | Fe2+ + S2- → FeS | 黒色 |
Zn2+ | Zn2+ + S2- → ZnS | 白色 |
Mn2+ | Mn2+ + S2- → MnS | 淡桃色 |
Ni2+ | Ni2+ + S2- → NiS | 黒色 |
Co2+ | Co2+ + S2- → CoS | 黒色 |
※沈殿生成反応の仕組みや反応式の作り方に関しては沈殿生成反応の仕組みと沈殿生成反応式の作り方を参照
【化学反応式31】硫化物イオンS2-との反応(全液性下)
反応式 | 沈殿の色 | |
---|---|---|
Ag+ | 2Ag+ + S2- → Ag2S | 黒色 |
Cu2+ | Cu2+ + S2- → CuS | 黒色 |
Pb2+ | Pb2+ + S2- → PbS | 黒色 |
Hg2+ | Hg2+ + S2- → HgS | 黒色 |
Cd2+ | Cd2+ + S2- → CdS | 黄色 |
※沈殿生成反応の仕組みや反応式の作り方に関しては沈殿生成反応の仕組みと沈殿生成反応式の作り方を参照
【化学反応式32】炭酸イオンCO32-との反応
反応式 | 沈殿の色 | |
---|---|---|
Ca2+ | Ca2+ + CO32- → CaCO3 | 白色 |
Ba2+ | Ba2+ + CO32- → BaCO3 | 白色 |
※沈殿生成反応の仕組みや反応式の作り方に関しては沈殿生成反応の仕組みと沈殿生成反応式の作り方を参照
【化学反応式33】硫酸イオンSO42-との反応
反応式 | 沈殿の色 | |
---|---|---|
Ca2+ | Ca2+ + SO42- → CaSO4 | 白色 |
Ba2+ | Ba2+ + SO42- → BaSO4 | 白色 |
Pb2+ | Pb2+ + SO42- → PbSO4 | 白色 |
※沈殿生成反応の仕組みや反応式の作り方に関しては沈殿生成反応の仕組みと沈殿生成反応式の作り方を参照
【化学反応式34】クロム酸イオンCrO42-との反応
反応式 | 沈殿の色 | |
---|---|---|
Ag+ | 2Ag+ + CrO42- → Ag2CrO4 | 赤褐色 |
Pb2+ | Pb2+ + CrO42- → PbCrO4 | 黄色 |
Ba2+ | Ba2+ + CrO42- → BaCrO4 | 黄色 |
※沈殿生成反応の仕組みや反応式の作り方に関しては沈殿生成反応の仕組みと沈殿生成反応式の作り方を参照
両性元素に関する化学反応式
【化学反応式35】両性元素の単体と酸との反応
2Al + 6HCl → 2AlCl_{3} + 3H_{2}
\]
両性元素であるアルミニウムAlと酸であるHClが反応すると塩と水素H2が生成する。
※両性元素について詳しくは両性元素とは(ゴロ・覚え方・反応式など)を参照
【化学反応式36】両性元素の単体と塩基との反応
Al + 2NaOH + 6H_{2}O → 2Na[Al(OH)_{4}] + 3H_{2}
\]
両性元素であるアルミニウムAlと塩基であるNaOHが反応すると錯イオンと水素H2が生成する。
※両性元素について詳しくは両性元素とは(ゴロ・覚え方・反応式など)を参照
【化学反応式37】両性元素の酸化物と酸との反応
Al_{2}O_{3} + 6HCl → 2AlCl_{3} + 3H_{2}O
\]
両性元素であるアルミニウムAlの酸化物Al2O3 と酸であるHClが反応すると塩と水H2Oが生成する。
※両性元素について詳しくは両性元素とは(ゴロ・覚え方・反応式など)を参照
【化学反応式38】両性元素の酸化物と塩基との反応
Al_{2}O_{3} + 2NaOH + 3H_{2}O → 2Na[Al(OH)_{4}]
\]
両性元素であるアルミニウムAlの酸化物Al2O3と塩基であるNaOHが反応すると錯イオンと水素H2が生成する。
※両性元素について詳しくは両性元素とは(ゴロ・覚え方・反応式など)を参照
【化学反応式39】両性元素の水酸化物と酸との反応
Al(OH)_{3} + 3HCl → AlCl_{3} + 3H_{2}O
\]
両性元素であるアルミニウムAlの水酸化物Al(OH)3と酸であるHClが反応すると塩と水H2Oが生成する。
※両性元素について詳しくは両性元素とは(ゴロ・覚え方・反応式など)を参照
【化学反応式40】両性元素の水酸化物と塩基との反応
Al(OH)_{3} + NaOH → Na[Al(OH)_{4}]
\]
両性元素であるアルミニウムAlの水酸化物Al(OH)3と塩基であるNaOHが反応すると錯イオンが生成する。
※両性元素について詳しくは両性元素とは(ゴロ・覚え方・反応式など)を参照
ハロゲンに関する化学反応式
【化学反応式41】ハロゲンイオンとハロゲン分子の反応
2KBr + Cl_{2} → 2KCl + Br_{2}
\]
酸化力のより強いハロゲン分子は酸化力が弱いハロゲンイオンから電子e–を奪い取りハロゲンイオンとなる。
※ハロゲンについて詳しくはハロゲン単体・ハロゲン化水素の性質・製法を参照
【化学反応式42】ハロゲンと水の反応
2F_{2} + 2H_{2}O → 4HF + O_{2}\\
Cl_{2} + H_{2}O ⇄ HCl + HClO\\
Br_{2} + H_{2}O ⇄ HBr + HBrO
\]
ハロゲンが水と反応するとハロゲン化水素が生成する。(I2は反応しない)
※ハロゲンについて詳しくはハロゲン単体・ハロゲン化水素の性質・製法を参照
【化学反応式43】ハロゲンと水素の反応
F_{2} + H_{2} → 2HF\\
Cl_{2} + H_{2} → 2HCl\\
Br_{2} + H_{2} → 2HBr\\
I_{2} + H_{2} → 2HF
\]
ハロゲンが水素と反応するとハロゲン化水素が生成する。
※ハロゲンについて詳しくはハロゲン単体・ハロゲン化水素の性質・製法を参照
【化学反応式44】ハロゲンを含む化合物と硫酸の反応
CaF_{2} + H_{2}SO_{4} → CaSO_{4} + 2HF\\
BaCl_{2} + H_{2}SO_{4} → 2HCl + BaSO_{4}\\
NaCl + H_{2}SO_{4} → NaHSO_{4} + HCl
\]
※ハロゲンについて詳しくはハロゲン単体・ハロゲン化水素の性質・製法を参照
【化学反応式45】フッ化水素と二酸化ケイ素の反応
SiO_{2} + 6HF → H_{2}SiF_{6} + 2H_{2}O\\
SiO_{2} + 4HF → SiF_{4} + 2H_{2}O
\]
※ハロゲンについて詳しくはハロゲン単体・ハロゲン化水素の性質・製法を参照
【化学反応式46】さらし粉の生成反応
Cl_{2} + Ca(OH)_{2} → CaCl(ClO)・H_{2}O
\]
※ハロゲンについて詳しくはハロゲン単体・ハロゲン化水素の性質・製法を参照
【化学反応式47】ハロゲン化銀とアンモニアの反応
AgCl + 2NH_{3} → [Ag(NH_{3})_{2}]^{+} + Cl^{-}
\]
※ハロゲンについて詳しくはハロゲン単体・ハロゲン化水素の性質・製法を参照
【化学反応式48】ハロゲン化銀と光の反応
2AgCl → 2Ag + Cl_{2}\\
2AgBr → 2Ag + Br_{2}\\
2AgI → 2Ag + I_{2}
\]
F以外のハロゲンは感光性があり、光を当てるとAgとハロゲン分子に分解する。
※ハロゲンについて詳しくはハロゲン単体・ハロゲン化水素の性質・製法を参照
工業的製法に関する化学反応式
【化学反応式49】アンモニアソーダ法の反応式
アンモニアソーダ法は、炭酸ナトリウムNa2CO3の工業的製法である。
STEP1:CaCO_{3} → CaO + CO_{2}\\
STEP2:CaO + H_{2}O → Ca(OH)_{2}\\
STEP3:Ca(OH)_{2} + 2NH_{4}Cl → CaCl_{2} + 2NH_{3} + 2H_{2}O\\
STEP4:NaCl + H_{2}O + NH_{3} + CO_{2} → NaHCO_{3} + NH_{4}Cl\\
STEP5:2NaHCO_{3} → Na_{2}CO_{3} + H_{2}O + CO_{2}
\]
※アンモニアソーダ法について詳しくはアンモニアソーダ法(覚え方・順番・仕組み・覚え方・反応式など)を参照
【化学反応式50】陽イオン交換膜法の反応式
陽イオン交換膜法は、水酸化ナトリウムNaOHの工業的製法である。
陽極:2Cl^{-} → Cl_{2} + 2e^{-}\\
陰極:2H_{2}O + 2e^{-} → H_{2} + 2OH^{-}\\
全体式:2NaCl + 2H_{2}O → Cl_{2} + H_{2} + 2NaOH
\]
※陽イオン交換膜法について詳しいことは【陽イオン交換膜法】水酸化ナトリウムの製法の仕組みや反応式などを参照
【化学反応式51】接触法の反応式
接触法は濃硫酸H2SO4の工業的製法である。
STEP1:4FeS_{2} + 11O_{2} → 2Fe_{2}O_{3} + 8SO_{2}\\
STEP2:2SO_{2} + O_{2} → 2SO_{3}\\
STEP3:SO_{3} + H_{2}O → H_{2}SO_{4}\\
全体式:4FeS_{2} + 15O_{2} + 8H_{2}O → 2Fe_{2}O_{3} + 8H_{2}SO_{4}
\]
接触法について詳しいことは接触法(濃硫酸の工業的製法・仕組み・反応式・触媒など)を参照
【化学反応式52】オストワルト法の反応式
オストワルト法は硝酸HNO3の製法である。
STEP1:4NH_{3} + 5O_{2} → 4NO + 6H_{2}O\\
STEP2:2NO + O_{2} → 2NO_{2}\\
STEP3:3NO_{2} + H_{2}O → 2HNO_{3} + NO\\
全体式:NH_{3} + 2O_{2} → HNO_{3} + H_{2}O
\]
オストワルト法に関して詳しいことは硝酸の工業的製法「オストワルト法」(触媒・覚え方・仕組み・反応式など)を参照
【化学反応式53】ハーバー・ボッシュ法
ハーバーボッシュ法はアンモニアNH3の製法である。
N_{2} + 3H_{2} ⇄ 2NH_{3}
\]
※ハーバーボッシュ法について詳しくはハーバー法(ハーバー・ボッシュ法)の原理・反応式・高温高圧下の理由などを参照
【化学反応式54】鉄の精錬
Fe_{2}O_{3} + 3CO → 2Fe + 3CO_{2}
\]
※鉄の精錬に関して詳しいことは鉄の工業的製法(手順・反応式・銑鉄・スラグ・鋼など)を参照
【化学反応式55】銅の精錬
【陽極】\\
Zn → Zn^{2+} + 2e^{-}\\
Fe → Fe^{2+} + 2e^{-}\\
Ni → Ni^{2+} + 2e^{-}\\
Cu → Cu^{2+} + 2e^{-}\\
(AgとAuは陽極泥として沈殿)\\
\\
【陰極】\\
Cu^{2+} + 2e^{-} → Cu
\]
※銅の精錬に関して詳しいことは銅の工業的製法「粗銅の精製・電解精錬」(仕組み・陽極泥・反応式など)を参照
【化学反応式56】アルミニウムの精錬
【陽極】\\
C + O^{2-} → CO + 2e^{-}\\
C + 2O^{2-} → CO_{2} + 4e^{-}\\
\\
【陰極】\\
Al^{3+} + 3e^{-} → Al
\]
※アルミニウムの精錬に関して詳しいことはアルミニウムの工業的製法「ボーキサイトの精錬・融解塩電解」(仕組み・氷晶石を入れる理由など)を参照
気体の発生に関する化学反応式
【化学反応式57〜70】気体の発生に関する化学反応式
※気体の発生に関する反応式14個については気体の製法(反応式・原理・注意事項など)を参照
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・化学のグルメ運営代表
・高校化学講師
・薬剤師
・デザイナー/イラストレーター
数百名の個別指導経験あり(過去生徒合格実績:東京大・京都大・東工大・東北大・筑波大・千葉大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆
著者紹介詳細