【プロ講師解説】このページでは『鉄の工業的製法(手順・反応式・銑鉄・スラグ・鋼など)』について解説しています。解説は高校化学・化学基礎を扱うウェブメディア『化学のグルメ』を通じて6年間大学受験に携わるプロの化学講師が執筆します。


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工業的製法の流れ・仕組み

STEP1 溶鉱炉内に鉄鉱石(Fe2O3)・コークス(C)・石灰石(CaCO3)を入れ、熱風を吹き込む
→ COが発生
→ COによりFe2O3が還元
→ 銑鉄が生成
STEP2 転炉で、融解した銑鉄にO2を吹き込む
→ 鋼が生成
Point!

鉄の工業的製法はこの2STEPで行われる。銅の製法アルミニウムの製法と比べると手順も少なくアッサリしているが、入試で頻出の大切なところなので油断しないで見ていこう。

STEP1

溶鉱炉に鉄鉱石(主成分:Fe2O3)・コークスC・石灰石CaCO3を入れ、熱風を吹き込む

まずは、溶鉱炉に鉄鉱石(主成分:Fe2O3)・コークスC・石灰石CaCO3を入れ、熱風を吹き込む。

\[
CaCO_{3}→CaO+CO_{2}\\
C+O_{2}→CO_{2}\\
C+CO_{2}→2CO
\]

熱風により石灰石CaCO3の熱分解及びコークスCの燃焼が起こり二酸化炭素CO2が生じる。このCO2をコークスの存在下で加熱すると一酸化炭素COになる。

\[
3Fe_{2}O_{3}+CO→2Fe_{3}O_{4}+CO_{2}\\
Fe_{3}O_{4}+CO→3FeO+CO_{2}\\
FeO+CO→Fe+CO_{2}
\]

Fe2O3が段階的に還元されて銑鉄(Fe)となる。(全体の反応式は次の通り)

\[
Fe_{2}O_{3}+3CO→2Fe+3CO_{2}
\]

銑鉄は炭素を多く含み(C>2%)、硬くてもろいという性質がある。

また、不純物として鉄鉱石に含まれていたSiO2やAl2O3が石灰石の熱分解で生じたCaOと反応して、CaSiO3やCa(AlO2)2に変化したものをスラグということも覚えておこう。

STEP2

転炉で、融解した銑鉄に酸素O2を吹き込み、鋼を得る

最後に、転炉で、融解した銑鉄に酸素O2を吹き込むことでを得る。

鋼は(銑鉄と異なり)炭素をほとんど含んでおらず(0.02%<C<2%)、粘り気があってかたいという性質をもつ。

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著者プロフィール

・化学のグルメ運営代表
・高校化学講師
・薬剤師
・デザイナー/イラストレーター

数百名の個別指導経験あり(過去生徒合格実績:東京大・京都大・東工大・東北大・筑波大・千葉大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆

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