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【保存版】アルコールとエーテルの違いからそれぞれの命名法や製法、反応について完全まとめ!!

約 8 分
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アルコールとは

アルコールとは炭化水素にヒドロキシ基(-OH)が結合したもののことだ。

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アルコールの命名法


アルコールの命名法は上の通り。
今回は次の2つのアルコールを例に説明していこう。

STEP1

主鎖の炭素数を見て、ベースとなるアルカン名を決定する。

まずは、主鎖の炭素数を見て、ベースとなるアルカン名を決定する。

(1)は主鎖の炭素数が4つなのでブタン、(2)は3つなのでプロパンだね。(アルカン名について詳しくはアルカンの重要事項まとめ!一般式の作り方から一覧、命名法、製法、置換反応など徹底解説!!を参照)

STEP2

アルカン名の語尾の“アン(ane)”を“オール(ol)”に変え、先頭にヒドロキシ基が付いている炭素の番号を書く。

次に、アルカン名の語尾の“アン(ane)”を“オール(ol)”に変え、先頭にヒドロキシ基が付いている炭素の番号を書く。

(1)は1番の炭素にOHが付いているので「1−ブタノール」、(2)は2番の炭素にOHが付いているので「2-プロパノール」となる。
ちなみに、(1)はヒドロキシ基以外の官能基がないので次の3STEPをする必要がないのでここで完成となる。

STEP3

ヒドロキシ基の他に官能基が付いている場合は、その官能基名と官能基が付いている炭素の番号をアルカン名の前に書く。

最後に、ヒドロキシ基の他に官能基が付いている場合は、その官能基名と官能基が付いている炭素の番号をアルカン名の前に書く。

先ほど述べたように、(1)はヒドロキシ基以外の官能基が付いていないのでもう何もする必要がない。(2)は2番目の炭素にメチル基が付いているのでSTEP2で作った「2-プロパノール」の名称の前に「2−メチル」を付けて「2-メチル-2-プロパノール」としよう。

命名法まとめ

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アルコールの価数と級数

価数


アルコールの価数とは、分子内に存在するヒドロキシ基(-OH)の数のことだ。

級数


アルコールの級数とは、ヒドロキシ基(-OH)が付いている炭素に付いている炭素の数のことだ。

それぞれの例を以下に挙げておこう。

アルコールの製法

アルコールの製法として知っておいてもらいたいのは以下の3つである。

POINTアルコールの製法
・アルケンの水H2O付加
・メタノールの工業的製法
・エタノールの工業的製法

アルケンの水H2O付加

アルケンの特徴まとめ!一般式の作り方から一覧、命名法、製法、付加反応など!!のところでやったように、アルケンに水H2Oを付加させることでアルコールが生成する。

メタノールの工業的製法

一酸化炭素COと水素H2を反応させることでメタノールが発生する。

CO + 2H2 → CH3OH

エタノールの工業的製法

エタノールはグルコースC6H12O6を発酵させることで発生する。

C6H12O6 → 2C2H5OH + 2CO2

アルコールの性質

POINTアルコールの性質
・ヒドロキシ基(-OH)があるため親水性が高く、C1〜C3くらいまでだと水によく溶ける。
・分子間で水素結合を形成するため(異性体のエーテルと比べて)沸点が高い。

アルコールは親水基(水と親和性が高い官能基)であるヒドロキシ基を持つため、炭素数が1コ〜3コくらいまでだと水によく溶ける。(炭素数があまりに多いと炭素に対する親水基の割合が下がり溶けづらくなる)

また、ヒドロキシ基のOと、近くのヒドロキシ基のHが水素結合を形成することにより分子間の結合が強固になっており、それ故基本的に異性体であるエーテルと比較してアルコールの沸点は高くなっている。(エーテルはOに付いたHが存在しないため水素結合を形成することができない。水素結合の仕組みに関して詳しいことは分子間力を参照してね)

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アルコールの反応

ナトリウムNaとの反応

アルコール(のヒドロキシ基)はアルカリ金属であるナトリウムNaと反応しナトリウムアルコキシドとなる。

R-OH + Na → R-ONa + 1/2H2

この時水素が発生するので、この反応はヒドロキシ基(-OH)の検出反応として用いられる。(=異性体であるエーテルとの区別)

具体的な反応例としてエタノールC2H5OHとナトリウムNaの反応を確認しておこう。

2C2H5OH + 2Na → 2C2H5ONa + H2

ナトリウムアルコキシドの一種であるナトリウムエトキシドが生成しているね。

脱水反応

脱水作用をもつ濃硫酸H2SO4を触媒としてアルコールを加熱脱水すると、アルケンが生成する。

この反応はアルケンの製法として有名なのでしっかり押さえておこう。

発展
この脱水反応を考える際は「ザイツェフ則」というルールを考慮する必要がある。

POINTザイツェフ則
H原子は結合しているHが少ないCから脱離する


2-ブタノールの付いている炭素(C2)の右の炭素にはHが3つ、左の炭素にはHが2つ付いている。このような場合、濃H2SO4で脱水しようとすると、ヒドロキシ基と共にザイツェフ則に基づき、主としてより付いているHが少ない左側のCからHが引き抜かれる。

また、主生成物である2-ブテン(C-C=C-C)にはシストランス異性体が存在するため、生成物は全部で3つになるということも把握しておこう。

POINT注意
温度の違いにより、脱離した際の主生成物が異なる場合がある。

例として「エタノールC2H5OHの脱水」を確認しておこう。

低温だと今までやってきたようにはならず、“分子間”での脱水が起こり、2つのアルコールが繫がって「エーテル」が生じる。

酸化反応


アルコールの酸化反応は硫酸酸性KMnO4硫酸酸性K2Cr2O7を試薬として用いて行われる。

第一級アルコールの酸化


第一級アルコールを酸化すると、一段階目でアルデヒドが、二段階目でカルボン酸が生成する。

第二級アルコールの酸化


第二級アルコールを酸化すると、ケトンが生成する。

2-プロパノールを酸化して生じるアセトンという物質は有機関連の実験を行う際によく用いられる大切なものなのでよく覚えておこう。

第三級アルコールの酸化


第三級アルコールは(Hを持たないため)酸化されづらい。

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エーテルとは

エーテルとはエーテル結合(R-O-R)を持つ化合物である。

エーテルは、アルコールと「原子の種類とその数」が一緒であるためアルコールの異性体として知られている。

エーテルの命名法


エーテルの命名法は上の通り。今回は次の2つの物質の例に説明していこう。

STEP1

エーテル結合の両サイドの炭化水素基を確認する。

まず、エーテル結合の両サイドの炭化水素基を確認する。

(1)は左側の官能基がエチル基、右側がメチル基、(2)は両側ともエチル基だね。

STEP2

“エーテル”の前にアルファベットの若い順に官能基名をつける。2つの官能基が同じ場合は官能基の前に“ジ”をつける。

次に、“エーテル”の前にアルファベットの若い順に官能基名をつける。2つの官能基が同じ場合は官能基の前に“ジ”をつける。

(1)は“エーテル”の前に2つの官能基をアルファベット順につけて「エチルメチルエーテル」、(2)はエチル基が2つなのでジエチルエーテルとする。

エーテルの反応


エーテルは(異性体であるアルコールと比べて)反応性が極めて低い。従って、アルコールの反応として扱った脱水反応や酸化反応がほとんど起こらないんだ。よく覚えておこう。

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