高分子化合物とは(分類・全体的な特徴など)

目次

はじめに

【プロ講師解説】このページでは『高分子化合物とは(分類・全体的な特徴など)』について解説しています。


高分子とは

  • 分子量が約1万以上の巨大分子を高分子高分子化合物)という。
  • 高分子(高分子化合物)はその大きさゆえに、低分子量の化合物とは異なる性質をもっている。

高分子の特徴

  • 代表的な高分子の特徴は次の通りである。

●高分子の特徴

  • 単量体が繋がってできる
  • コロイドを形成する
  • 分子量は平均分子量で表す
  • 分子量測定
  • 一定の融点を示さない

❶ 単量体が繋がってできる

  • 単量体モノマー)という小さな分子が共有結合で多数繋がると高分子となる。
  • 単量体が互いに繋がっていく現象を重合といい、重合でできた高分子を重合体ポリマー)、重合体1分子を構成する繰り返し単位の数を重合度という。

❷ コロイドを形成する

  • 高分子(高分子化合物)は1個あたりのサイズが大きいため、溶液中では主にコロイド(分子コロイド)として存在している。

参考:コロイド(例・種類・大きさ・透析・電気泳動など)

❸ 分子量は平均分子量で表す

  • 反応条件によって重合度にバラツキが生じるため、高分子(高分子化合物)は同じ名称でも分子量が異なる場合がある。
  • そのため、高分子の分子量は基本的に「平均分子量」の意味で用いられる。

参考:見かけの分子量(平均分子量)

❹ 分子量測定

  • 高分子(高分子化合物)は分子量が非常に大きく、溶媒にも溶けにくいため、溶液中のモル濃度が小さい。
  • したがって、凝固点降下法などで分子量を測定するのは困難なので、モル濃度が小さくても測定可能な浸透圧法が用いられる。

❺ 一定の融点を示さない

  • 高分子(高分子化合物)の固体は、分子が規則的に配列した結晶部分と、不規則に配列した非晶質(非結晶)部分が混ざった構造になっている。
  • したがって、加熱をしても一定の融点を示すことはなく、徐々に軟化して液体となる。
  • よって、軟化点(柔らかくなって変形し始める点)を融点として用いることが多い。

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著者情報

元講師、薬剤師、イラストレーター
数百名の中高生向け指導経験あり(過去生徒合格実績:東工大・東北大・筑波大・千葉大・岡山大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)。
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆
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