鉄メッキの分類
鉄Feはとても錆びやすいため、日常で使うものに用いるときには”めっき”と呼ばれる加工をすることが多い。
高校生が鉄のめっきで知っておかなければいけないのはブリキとトタンの2種類。
ブリキは鉄の表面をスズで覆ったもので、鉄で作られたおもちゃや缶詰などの加工に用いられる。また、トタンは鉄の表面を亜鉛で覆ったもので、鉄の板で作られた屋根の加工などに用いられる。
トタンめっきの仕組み
繰り返すが、トタンは鉄の表面を亜鉛Znで覆ったものである。
これからなぜZnによるメッキに効果があるのかというのを説明していこう。
トタンは主に屋根に「トタン屋根」として用いられているので、(外の雨風に晒され)傷がつくことが多い。
傷ついた部分に雨水などの水滴が付くと…
FeとZnのイオン化傾向を比較すると、Znの方が大きい。
従って、Znが優先的に溶け出して亜鉛イオンZn2+となる。
その結果、鉄がイオンになって溶ける(=錆びる)ことを防ぐことができる。
ブリキめっきの仕組み
ブリキは、鉄の表面をスズSnで覆ったものである。
SnとFeのイオン化傾向を比較すると、Feの方が大きい。
従って、傷がついてそこに水が付着すると先に溶け出すのはFeということになる。
Feの方が先に溶けてしまうんじゃ意味がないじゃないか!と思った人、そんなことはない。
Snはトタンで使われていたZnよりもイオン化傾向が小さいため、傷が付いていない状態では水がついても溶けにくい。従って、(屋根などの)傷が付く危険性が高い場所でないところ:おもちゃや缶詰などにおいては亜鉛よりもスズが用いられる。
まとめ
トタン | ブリキ | |
---|---|---|
通常時の強度 | 弱い | 強い |
傷がつき水が付着したとき | Znが溶ける (=鉄が錆びにくい) |
Feが溶ける (=鉄が錆びやすい) |
用途 | 屋根 | おもちゃ・缶詰 |
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