【プロ講師解説】このページでは『酸化・還元の定義(電子に関する定義・酸素に関する定義・水素に関する定義)』について解説しています。解説は高校化学・化学基礎を扱うウェブメディア『化学のグルメ』を通じて6年間大学受験に携わるプロの化学講師が執筆します。
電子e–に関する定義
電子を失う→酸化
物質が電子e–を失うことを酸化、電子e–を得ることを還元という。また、電子e–を失った物質は「酸化された」、電子e–を得た物質は「還元された」という。
電子に関する定義の他に「酸素O原子を得ると酸化、失うと還元」「水素H原子を失うと酸化、得ると還元」という定義もあるが、これらはいずれも電子e–の移動を使って説明することができる。
酸素O原子に関する定義
酸素を失う→還元
原子Aが酸素O原子と結合するとしよう。酸素O原子は他の原子と比べて電気陰性度が大きいため、共有電子対は酸素O原子の方に引きつけられる。
よって、原子Aは酸素O原子に電子e–を奪われたことになるので「酸素O原子と結合する(酸素O原子を得る)=電子e–を失う=酸化される」と考えることができる。
水素H原子に関する定義
水素を失う→酸化
原子Aが水素H原子と結合するとしよう。水素H原子は多くの原子と比べて電気陰性度が小さいため、共有電子対は原子Aの方に引きつけられる。したがって、水素H原子が離れるということは、原子Aにとってせっかく手に入れた電子を失うことになる。
よって、「水素H原子を失う=電子e–を失う=酸化される」と考えることができる。
酸化・還元の定義まとめ
酸化される
・酸素を得る
・水素を失う
・電子を失う
還元される
・酸素を失う
・水素を得る
・電子を得る
酸化・還元の定義に関する演習問題
物質が電子e–を失うことを【1】、電子e–を得ることを【2】という。また、電子e–を失った物質は【3】された、電子e–を得た物質は【4】されたという。
物質が酸素O原子を得ることを【1】、酸素O原子を失うことを【2】という。
物質が水素H原子を得ることを【1】、水素H原子を失うことを【2】という。
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・化学のグルメ運営代表
・高校化学講師
・薬剤師
・デザイナー/イラストレーター
数百名の個別指導経験あり(過去生徒合格実績:東京大・京都大・東工大・東北大・筑波大・千葉大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆
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