【プロ講師解説】このページでは『定比例の法則』について解説しています。解説は高校化学・化学基礎を扱うウェブメディア『化学のグルメ』を通じて6年間大学受験に携わるプロの化学講師が執筆します。

はじめに

化学の基礎法則の1つである定比例の法則。
テキストを読んでもイマイチ理解できないという人は結構多い。
今回はその定比例の法則について、入試問題として聞かれるポイントである「定義の略説」や「発見者」、「グラフ」などについて基礎から丁寧に解説していく。

定比例の法則とは

同じ1つの化合物では、その成分元素の質量組成は常に一定
Point!

定比例の法則とは「同じ1つの化合物では、その成分元素の質量組成は常に一定である」という法則である。

例として、酸化銅(Ⅱ)を使って説明していこう。

酸化銅(Ⅱ)は銅Cu原子1コと酸素O原子1コで形成されている。
酸化銅(Ⅱ)の質量と酸化銅(Ⅱ)に含まれる銅の質量の関係をグラフで表すと次のようになる。

銅の質量が64のとき、酸化銅(Ⅱ)の質量は80になっている。
また、酸化銅(Ⅱ)の質量から銅の質量を引くと酸素の質量も16と求めることができる。
ここから、銅・酸素・酸化銅(Ⅱ)の質量の比は「64:16:80」=「4:1:5」となる。

次に、銅の質量が128のときを考える。
グラフから酸化銅(Ⅱ)の質量は160だとわかる。
酸化銅(Ⅱ)の質量から銅の質量を引いて、酸素の質量は32だとわかる。
ここから、銅・酸素・酸化銅(Ⅱ)の質量の比を求めると「128:32:160」=「4:1:5」となる。

酸化銅(Ⅱ)を構成する成分元素(銅と酸素)の質量が変化しても、質量の組成(比)は常に一定になっており、
これが、定比例の法則である。

定比例の法則の発見者・発見年

ブルースト/1799年
Point!

定比例の法則の発見者はジョゼフ・ルイ・ブルースト、発見した年は1799年である。

そのままテストに出る場合があるのでよく覚えておこう。(覚えるだけで点が取れるよ!)

定比例の法則に関する問題

問題

次のグラフを用いて、銅96gを完全燃焼させてできる酸化銅(Ⅱ)の質量を求めよ。

定比例の法則より、先ほど求めた銅・酸素・酸化銅(Ⅱ)の質量比は「4:1:5」なので、銅96gを完全燃焼させてできる酸化銅(Ⅱ)の質量をxとすると…

\[
4:5 = 96:x
\]

これを解いて、x=120となる。

演習問題

問1

定比例の法則とはなにか。簡単に説明せよ。
【問1】解答/解説:タップで表示
解答:下記参照

定比例の法則とは「同じ1つの化合物では、その成分元素の質量組成は常に一定である」という法則である。

問2

定比例の法則の発見者、発見した年を述べよ。
【問2】解答/解説:タップで表示
解答:ジョゼフ・ルイ・ブルースト/1799年

定比例の法則の発見者はジョゼフ・ルイ・ブルースト、発見した年は1799年である。

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著者プロフィール

・化学のグルメ運営代表
・高校化学講師
・薬剤師
・デザイナー/イラストレーター

数百名の個別指導経験あり(過去生徒合格実績:東京大・京都大・東工大・東北大・筑波大・千葉大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆

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