はじめに

このページでは、化学平衡や平衡定数などについて、一から丁寧に解説していく。大学入試でも頻出の分野なので必ず理解しておくようにしよう。


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化学平衡とは

化学平衡について、水素とヨウ素の反応を例に説明していこう。

\[
H_{2}+I_{2}\underset{逆反応}{\overset{正反応}{\rightleftarrows}}2HI
\]

まずは、正反応の方に注目する。

反応速度の式(V=K[A])より、反応物の濃度([A])が大きいと反応速度(V)も大きくなる。正反応における反応物はH2とI2なので、反応速度は最初が最も大きく、徐々に(反応物であるH2とI2の濃度が減少していくので)小さくなっていく。

逆反応の方はどうだろうか。
逆反応は、HIからH2とI2が生成する反応なので、反応物はHIである。

\[
\underbrace{ 2HI }
_{ \text{ 反応物 }}→\underbrace{ H_{2}+I_{2} }
_{ \text{ 生成物 }}
\]

始めはH2の濃度が極めて低いので、反応速度の式(V=K[A])から分かるように反応速度は非常に小さい。徐々にHIの濃度が増加していくと、それに伴って反応速度も大きくなっていく。

以上のように、正反応の速度は次第に小さく、逆反応の速度は次第に大きくなっていくが、両方とも最終的には同じ速度に落ち着き一定となる。
この、正反応と逆反応の速度が等しくなった状態を「平衡状態」という。

平衡状態になると、一見反応が止まっているように見える。
しかし実際は「正反応と逆反応が起こっているが、2つの速度が等しいため反応が進んでないように見えるだけ」だということをきっちり押さえておこう。

化学平衡とmol数の変化

先ほどの反応を使って説明しよう。

\[
H_{2}+I_{2}\underset{逆反応}{\overset{正反応}{\rightleftarrows}}2HI
\]

反応前のH2とI2のmol数が1.0、平衡時は0.2だとすると…

反応で使われたH2とI2は0.8mol(1.0-0.2)ずつなので、係数比より生成したHIは1.6molであることがわかる。

このとき、縦軸にmol数、横軸に時間をとったグラフは次のようになる。

H2とI2は、最初1molあったのが平衡時には0.2molに、HIはスタート時は0molだったのが平衡時には1.6molになっている。

上で紹介した反応速度のグラフは最終的に2つのグラフが重なっていたけど、こちらは必ずしも重なるわけではないので注意しよう。(重なるのは、生成物と反応物の平衡時のmol数が一緒だった場合)

平衡定数K

\[
H_{2}+I_{2}⇄2HI
\]

この反応が平衡状態のとき、H2、I2、HIのモル濃度をそれぞれ[H2]、[I2]、[HI]とすると次の関係式が成り立つ。

\[K=\frac{ [HI]^{2} }{ [H_{2}][I_{2}] }\]
Point!

このKを「平衡定数」という。
[HI]に2乗が付いているが、これは反応式中のHIの係数からきている。平衡定数を求める式では「濃度を反応式中での係数乗する」というのをよく覚えておこう。

また、平衡定数Kに関して1つ知っておくべきことがある。

平衡定数Kは、温度のみに依存する
Point!

平衡定数は「温度変化のみ」に影響されて変化する。
逆に言うと、温度が一定であればスタート時のmol数が違おうが何だろうが平衡定数Kは一定となる。

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