はじめに

イオン結合は共有結合金属結合配位結合分子間力などと同様、化学結合の一種である。イオン結合をその他の化学結合としっかり区別できている高校生は少なく、定期テストや大学受験で点を落としがちな分野になっている。このページでは、イオン結合の定義から特徴、強さ、共有結合との違いなどを1から丁寧に解説していく。ぜひこの機会にイオン結合をマスターして、他の高校生・受験生と差をつけよう!

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イオン結合とは

金属+非金属
Point!

金属元素と非金属元素の間にできる結合をイオン結合という。例としてナトリウムNa原子と塩素Cl原子のイオン結合を見てみよう。

どんな結合も不対電子の共有で始まる。金属元素のNaは電気陰性度が小さく、非金属元素のCl原子は電気陰性度が大きいため、電子対は完全にCl原子のものとなる。よって、Na原子はナトリウムイオンNa+に、Cl原子は塩化物イオンClに変化し、静電引力(クーロン力)で結びつく。このような陽イオンと陰イオンのクーロン力による結合をイオン結合という。

※電気陰性度と周期表の関係は次の通り(金属元素で小さく、非金属元素で大きくなっているのがわかるね!:電気陰性度について詳しくは電気陰性度とは?周期表での傾向から極性との関係、求め方、希ガスの値まで!を参照)

イオン結合は制限なく結合できる

イオン結合はプラスとマイナスの間に発生するクーロン力によって作られるものなので陽イオンと陰イオンがある限り制限なく結合できる。ここは後に紹介する共有結合と異なる部分なので覚えておこう。


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イオン結晶

粒子が規則正しく並んでできた固体を結晶といい、特にイオン結合によってできた結晶をイオン結晶という。イオン結晶には以下のような特徴がある。

水に溶けてイオンになる

イオン結晶の物質は水に溶けてイオンになる。このように、物質がイオンに分かれることを電離といい、水に溶けて電離する物質を電解質という。一方、スクロースのように水に溶けても電離しない物質を非電解質という。ちなみに、ほとんどのイオン結晶の物質は電解質である。
※塩化銀AgCl、硫酸バリウムBaSO4、炭酸カルシウムCaCO3など、沈殿を形成し易いものはイオン結晶であっても電離しない。

固体は電気を通さないが液体(融解液・水溶液)は電気を通す

固体の状態ではイオン同士がイオン結合で結びつき、動くことができないため、電気を通さない。しかし、水に溶かして水溶液にしたり、融点まで加熱して融解液にしたりすると、イオンが自由に動くことができるようになるため、電気を通す。

硬いがもろい

陽イオンと陰イオンは強く引き合うため、イオン結合は比較的強い結合である。したがって、イオン結晶は融点が高く、硬いという性質をもっている。しかし、外部から力が加わると陽イオンと陰イオンの配列がずれて同符号のイオンが接近、反発し合うので簡単に割れる。(もろい)

イオン結晶について詳しくは以下のページを確認しよう。

  • 【塩化ナトリウム型構造】イオン結晶の配位数・半径・限界半径比まとめ
  • 【塩化セシウム型構造】イオン結晶の配位数・半径・限界半径比まとめ
  • 【硫化亜鉛型構造】イオン結晶の配位数・半径・限界半径比まとめ
  • 水酸化物イオン・硫化物イオンなどによって作られるイオン結晶の沈殿について、その原理や条件・覚え方などを徹底解説!!
  • イオン結合と組成式

    組成式とは

    イオンの数の”比”を表す
    Point!

    イオン結合によって作られた物質は、陽イオンと陰イオンの数を最も簡単な整数比にした「組成式」で表される。

    塩化ナトリウムは、Na1コに対して1コのCl、つまりNaとClが「1:1」の割合で結合しているので「NaCl」、塩化銅はCu1コに対して2コのCl、つまりCuとClが「1:2」の割合で結合しているので「CuCl2」、となる。

    共有結合で使われる「分子式」としっかり区別しておこう。

    分子式であるHClは「H1つとCl1つ」がくっついていることを、組成式であるNaClは「Na+とClがいっぱいくっついているんだけどその比が1:1」であることを表している。

    組成式の作り方

    STEP1 陽イオンと陰イオンの価数比を求める
    STEP2 たすき掛けをする
    Point!

    組成式は上のステップに従えば簡単に書くことができる。

    Al2(SO4)3を例に説明しよう。

    STEP1

    陽イオンと陰イオンの価数比を求める

    アルミニウムイオンの価数は「+3」、硫酸イオンの価数は「ー2」だ。

    従って、価数比は「Al3+:SO42ー=3:2」となる。

    プラスマイナスの符号は、無視しよう。

    STEP2

    たすき掛けをする

    STEP1で求めた価数比を使ってたすき掛けをする。

    これにより、2つのAl3+と3つのSO42ーを組み合わせて「Al2(SO4)3」となる。


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    関連:他の結合も、まとめて理解。

    化学結合はイオン結合以外にもたくさん存在する。この機会に、まとめて体系的に理解しておこう。

  • 共有結合とは?例を挙げて特徴やイオン結合・配位結合との違いを解説!
  • 金属結合とは?特徴や強さ、自由電子の役割などを例を用いて解説!
  • 配位結合とは?定義、特徴、強さ、共有結合との違いなど例を挙げて徹底解説!
  • 分子間力(水素結合・ファンデルワールス力)とは?定義、強さなどを解説!
  • 化学結合まとめ!結合の種類と強さ、結晶の融点・電気伝導性など
  • (これもオススメ!)【大学受験】理論化学のオススメ勉強法・参考書・問題集を大公開!
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