はじめに

イオンについては一度中学三年生で学習しているはず。しかし、高校で化学を学習する頃にはすでに記憶が曖昧になってしまっている人が意外と多い。このページではイオンについて中学で扱う内容も含めて1から丁寧に解説していく。この機会にぜひイオンをマスターできるようにしよう!


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陽イオン・陰イオン

原子から電子が取れると陽イオンに、原子が電子を取り込むと陰イオンになる。これらは、1コの原子からできたイオンなので単原子イオンという。

陽イオン

ナトリウムNaやカリウムKなどのアルカリ金属には、最外殻電子が1コ存在する。この電子は、内側にある電子に比べて原子核との引力が弱く、原子から出ていきやすい状態になっている。それ故、電子を奪う力が強いものがくると、容易に電子を離し一価の陽イオン(Na+・K+)となる。

\[
\mathtt{ Na → Na^{+} + e^{-} }
\]

ちなみに、これを電子配置図で表すと次のようになる。

カルシウムCaやマグネシウムMgなどのアルカリ土類金属は、最外殻電子が2コあるので、その2コが取れて2価の陽イオン(Ca2+・Mg2+)となる。

\[
\mathtt{ Ca → Ca^{2+} + 2e^{-} }
\]

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陰イオン

フッ素Fや塩素原子Clなどのハロゲンには、最外殻電子が7コ存在する。それ故、外から電子を1つ受け入れて最外殻電子を8コ(=希ガスの電子配置)とし、安定する。

\[
\mathtt{ Cl + e^{-} → Cl^{-}}
\]

ちなみに、これを電子配置図で表すと次のようになる。

酸素Oや硫黄Sなど16族の元素には、最外殻電子が6コ存在する。それ故、外から電子を2つ受け入れて最外殻電子を8コ(=希ガスの電子配置)とし、安定する。

\[
\mathtt{ O + 2e^{-} → O^{2-}}
\]

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イオンの電子配置

陽イオン・陰イオンの電子配置は(電子を出す・入れるの違いはあるものの)希ガスの電子配置と同じ電子配置となっている。これは希ガスの電子配置が非常に安定しているからである。(希ガスの電子配置が安定している理由については希ガスの電子配置が安定な理由を参照)

イオン式・価数

多くの場合、単原子イオンは元素記号の右上に電荷を書いたイオン式で表す。

\[
\mathtt{ Na^{+} , O^{2-}}
\]

このとき書かれた電荷のことをそのイオンの価数という。Na+であれば一価の陽イオン、O2-であれば2価の陰イオンと表現する。


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陽性・陰性

原子が陽イオンになろうとする性質のことを陽性、陰イオンになろうとする性質のことを陰性という。陽性が高い元素はアルカリ金属であるナトリウムNaやカリウムK、陰性が高い金属はハロゲンであるフッ素Fや塩素Clなどである。

多原子イオン

多原子イオンとは複数の原子が結合した“原子団”に電子が結合したり取れたりしてできたイオンである。以下に示す代表的な多原子イオンは暗記しておくのがベスト。

価数 名称 イオン式
水酸化物イオン OH
シアン化物イオン CN
炭酸イオン CO32ー
炭酸水素イオン HCO3
酢酸イオン CH3COO
シュウ酸イオン C2O42ー
硝酸イオン NO3
硫酸イオン SO42ー
亜硫酸イオン SO32ー
硫酸水素イオン HSO4
リン酸イオン PO43ー
チオシアン酸イオン SCN
次亜塩素酸イオン ClO
亜塩素酸イオン ClO2
塩素酸イオン ClO3
過塩素酸イオン ClO4
過マンガン酸イオン MnO4
クロム酸イオン CrO42ー
ニクロム酸イオン Cr2O72ー