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周期表(覚え方・語呂合わせ・族や周期の見方など)
はじめに
【プロ講師解説】このページでは『周期表(覚え方・語呂合わせ・族や周期の見方など)』について解説しています。
周期表とは
- 元素を原子番号の順に並べた表を周期表という。
- 周期表の縦の列を族という。左から順に1〜18族である。
- 同族では、最外殻電子数が等しい。1族の最外殻電子数は全て1個、2族は全て2個である(18族のヘリウムは例外なので注意:ヘリウムは最外殻電子数2個、他の18族は8個)。
- 周期表の横の列を周期という。上から順に第1周期、第2周期…といったようになる。
- 同周期では、最外殻が等しい。第1周期はK殻、第2周期はL殻、第3周期はM殻、第4周期はN殻が最外殻である。
元素を原子番号の順に並べたときに、その化学的性質(反応性など)が一定の周期で変化することを周期律といいます。
過去の周期表と現在の周期表
- 過去の周期表と現在の周期表の違いは次のとおりである。
過去 | 現在 | |
---|---|---|
作者 | メンデレーエフ | 不明 |
並び順 | 原子量 | 原子番号(陽子数) |
過去の周期表をつくった人と、周期表において元素がなんの順に並べられているかが重要です。
メンデレーエフの周期表
- メンデレーエフは当時見つかっていた63個の元素を原子量の順に並べ、周期表をつくった。
- 現在の周期表とは異なり、周期が縦に、族が横に書かれている。
- メンデレーエフのつくった周期表では、一部が?になっている。これは、当時まだ見つかっていなかった元素の存在を、メンデレーエフが予測していることを示している。
- 一例を挙げると、メンデレーエフは、自身のつくった周期表において、Alの右隣に位置する元素を”エカアルミニウムEa”と名付け、その性質を予測した。
エカアルミニウムEa | |
---|---|
原子量 | 68 |
融点 | 低い |
密度 | 6.0 |
- “エカアルミニウムEa”はその後実際に発見され、正式にガリウムGaと命名される。メンデレーエフが存在を予測した”エカアルミニウムEa”と実際に発見されたガリウムGaの性質比較は次のとおり。
エカアルミニウムEa | ガリウムGa | |
---|---|---|
原子量 | 68 | 69.72 |
融点 | 低い | 29.8 |
密度 | 6.0 | 5.90 |
- 概ね予測が的中していることがわかる。
- 融点に注目すると、メンデレーエフは”エカアルミニウムEa”の融点が”低い”と予測しているが、ガリウムGaの融点も実際に約30℃と低いものだった。金属の融点は一般に高い(常温では基本固体である)ことを考えると、すごい予測だった、といえる。
典型元素・遷移元素
- 1族、2族、13〜18族の元素を典型元素、3〜12族の元素を遷移元素という(2022年に学習指導要領が改訂される前は、3〜11族を遷移元素としていた)。
- 典型元素は、族番号の1の位と最外殻電子数が同じである。例えば、1族の最外殻電子数は1個、2族の最外殻電子数は2個である。
- ヘリウムHeは例外で、18族だが最外殻電子数は2個である。
- 遷移元素は、最外殻電子数が多くの場合”2個”である(CrやCuは例外で1個)。
参考:電子配置(書き方・例題・電子を並べる順番やルール・覚え方など)
典型元素は縦(族)で、遷移元素は横(周期)で性質が似ています。また、典型元素は無色のもの、遷移元素は有色のものが多いです。
金属元素・非金属元素
- 周期表中の元素は、金属としての性質(金属光沢・熱/電気伝導性が高いなど)を示す金属元素と、それ以外の非金属元素にわけることができる。
- 周期表において、左下は金属元素、右上は非金属元素が多い。
- 金属元素は陽性が強く、価電子を放出して陽イオンになりやすい。
- 非金属元素は陰性が強く、陰イオンになりやすい。ただし、水素は非金属元素だが、陽イオンになりやすい。
参考:電子配置(書き方・例題・電子を並べる順番やルール・覚え方など)
金属元素と非金属元素の境目を覚えておきましょう(オススメはアルミニウムAlとケイ素Si)。
両性元素とは
- 周期表において、金属元素と非金属元素の境目に位置する金属元素を両性元素(両性金属)という。
両性元素の中で特に重要なのはアルミニウムAl、亜鉛Zn、スズSn、鉛Pbです。『ああ、すんなり』の語呂合わせで覚えましょう。
族ごとの分類
- 水素H以外の1族元素をアルカリ金属、2族元素をアルカリ土類金属、17族元素をハロゲン、18族元素を希ガスという(2022年に学習指導要領が改訂される前は、ベリリウムBe、マグネシウムMg以外の2族元素をアルカリ土類金属としていた)。
- アルカリ金属、アルカリ土類金属は陽性が強く、価電子を放出して陽イオンになりやすい。単体は反応性に富む。
- ハロゲンは陰性が強く、陰イオンになりやすい。単体は反応性に富む。
- 希ガスは融点・沸点が非常に低く、常温常圧で気体である。また、電子配置が閉殻状態で非常に安定しており、イオンや化合物になることは稀である。
参考:希ガスの電子配置が安定な理由
参考:アルカリ金属(1族)の単体・化合物の性質や製法
参考:アルカリ土類金属(2族)の単体・化合物の性質や製法
参考:ハロゲン単体・ハロゲン化水素の性質・製法
状態による分類
- 常温・常圧下で、水素・窒素・酸素・フッ素・塩素・希ガス(6種類)の単体は気体、臭素・水銀の単体は液体、それ以外の元素の単体は固体である。
周期表の語呂合わせによる覚え方
- 周期表に関連した暗記事項は非常に多く全てを真っ当に覚えるのはなかなか難しい。そこで、周期表関連の語呂合わせをいくつか紹介する。
周期に関する語呂合わせ
【原子番号1~20】H He Li Be B C N O F Ne Na Mg Al Si P S Cl Ar K Ca
- 水兵リーベ僕の船 七曲がりシップスクラークか
【原子番号21~36】Sc Ti V Cr Mn Fe Co Ni Cu Zn Ga Ge As Se Br Kr
- スコッチ暴露マン徹子に会えんがげんなりアッセンブルク
族に関する語呂合わせ
【1族】H Li Na K Rb Cs Fr
- Hでリッチな母ちゃんルビーせしめて(まんまと手に入れて)フランスへ
- フリーなカルビをこっそり袋へ
- スリの仲間とルビーせしめてフランスへ
【2族】Be Mg Ca Sr Ba Ra
- ベッドにもぐってこっそりばらす
- ベッカムのマグカップはすばらしい
【3族】Sc Y La(ランタノイド) Ac(アクチノイド)
- スカイラーク
【4族】Ti Zr Hf (Rf)
- チーズはハーフサイズ
【5族】V Nb Ta (Db)
- ぶん太
【6族】Cr Mo W (Sg)
- 来るよもうすぐダブルソーセージ
【7族】Mn Tc Re Bh
- マントヒヒのテクニックはレボリューション
【8族】Fe Ru Os (Hs)
- 古いお酢
- フェルナンデスのお墨付き
【9族】Co Rh Ir Mt
- コロは入り口で待っている
【10族】Ni Pd Pt Ds
- 二匹のプードルぽっちゃりdogs
【11族】Cu Ag Au (Rg)
- ドキンちゃん、金のリング
【12族】Zn Cd Hg
- 会えん(亜鉛)から、カードでハグ
【13族】B Al Ga In Tl
- バストはあるがインテリ
【14族】C Si Ge Sn Pb
- 臭い下痢がすんなり治った
【15族】N P As Sb Bi
- 日本の明日はすばらしい
【16族】O S Se Te Po
- おっさんが選定したポストカード
【17族】F Cl Br I At
- ふっくらブラジャー愛のあと
【18族】He Ne Ar Kr Xe Rn
- 変なねーちゃんがある暗闇でキスを連発
周期表まとめ
この『周期表(覚え方・語呂合わせ・族や周期の見方など)』のページで解説した内容をまとめる。
- 周期表とは、元素を原子番号の順に並べた表である。
- 周期表の縦の列を族、横の列を周期という。
- 元素を原子番号の順に並べたときに、その化学的性質(反応性など)が一定の周期で変化することを周期律という。
- メンデレーエフは当時見つかっていた63個の元素を原子量の順に並べ、周期表をつくった。
- 現在の周期表では、元素が原子番号(陽子数)の順に並んでいる。
- 1族、2族、12〜18族の元素を典型元素、3〜11族の元素を遷移元素という。
- 周期表中の元素は、金属としての性質(金属光沢・熱/電気伝導性が高いなど)を示す金属元素と、それ以外の非金属元素にわけることができる。
- 水素H以外の1族元素をアルカリ金属、ベリリウムBe、マグネシウムMg以外の2族元素をアルカリ土類金属、17族元素をハロゲン、18族元素を希ガスという。
- 常温・常圧下で、水素・窒素・酸素・フッ素・塩素・希ガス(6種類)の単体は気体、臭素・水銀の単体は液体、それ以外の元素の単体は固体である。
演習問題
化学のグルメでは、高校化学・化学基礎の一問一答問題を公開しています。問題一覧は【スマホで出来る】一問一答(高校化学・化学基礎)でご覧下さい。
原子を原子番号順に並べた表を【1】という。
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解答:【1】周期表
原子を原子番号順に並べた表を周期表という。
周期表の横の列を【1】、縦の行を【2】という。
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解答:【1】周期【2】族
周期表の横の列を周期、縦の行を族という。
元素を特定の順番に並べたとき、元素の化学的性質が一定の周期で変わることを【1】という。
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解答:【1】周期律
元素を特定の順番に並べたとき、元素の化学的性質が一定の周期で変わることを周期律という。
3~12族の元素を【1】、それ以外の元素を【2】という。
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解答:【1】遷移元素【2】典型元素
3~12族の元素を遷移元素、それ以外の元素を典型元素という。
金属元素と非金属元素のうち、周期表の左下に多いのは【1】、右上に多いのは【2】である。
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解答:【1】金属元素【2】非金属元素
金属元素と非金属元素のうち、周期表の左下に多いのは金属元素、右上に多いのは非金属元素である。
一般に金属元素は【1(陽性 or 陰性)】が強い。
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解答:【1】陽性
一般に金属元素は陽性が強い。
一般に非金属元素は【1(陽性 or 陰性)】が強い。
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解答:【1】陰性
一般に非金属元素は陰性が強い。
水素以外の1族元素を【1】という。
解答/解説:タップで表示
解答:【1】アルカリ金属
水素以外の1族元素をアルカリ金属という。
2族元素を【1】という。
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解答:【1】アルカリ土類金属
2族元素をアルカリ土類金属という。
17族元素を【1】という。
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解答:【1】ハロゲン
17族元素をハロゲンという。
18族元素を【1】という。
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解答:【1】貴ガス
18族元素を貴ガスという。