【プロ講師解説】このページでは『周期表』について解説しています。解説は高校化学・化学基礎を扱うウェブメディア『化学のグルメ』を通じて6年間大学受験に携わるプロの化学講師が執筆します。
周期表とは
周期表とは原子を原子番号順に並べた表である。
横の列のことを周期、縦の列のことを族という。
また、元素をある特定の順番(原子表だと原子番号の順)に並べたとき、元素の化学的性質(反応性など)が一定の周期で変わっていくことを周期律という。
過去の周期表と現在の周期表
現在と過去の周期表の比較は、定期テストや入試で頻出。違いをきっちり押さえておこう。
過去 | 現在 | |
作者 | メンデレーエフ | 不明 |
並び順 | 原子量 | 原子番号(陽子数) |
過去の周期表を作った人と、原子がどんな順番で並べられてるかが大事。現在の周期表を作った人は出てこないから特に覚える必要はない。
典型元素・遷移元素
3〜11族の元素を遷移元素、それ以外の元素を典型元素という。
この周期表だと、濃い青の部分が遷移元素、それ以外が典型元素となる。典型元素と遷移元素の重要な性質をまとめておこう。
化学的性質・・・縦で似ている
その化合物・・・基本無色
【遷移元素】
化学的性質・・・横で似ている
その化合物・・・基本有色
化学的性質というのは「反応性」のこと。典型元素は縦(同族)で反応性が似ており、遷移元素は横(同周期)で反応性が似ている。色に関しては単純。典型元素は色がついてないものが多くて、遷移元素では色がついてる派手なやつが多い。
金属元素・非金属元素
元素の性質に注目して分類すると、金属元素と非金属元素に分けることができる。
下の周期表でみるとオレンジ色の部分が金属元素、水色の部分が非金属元素となる。
どこでもいいので階段になっている分け目のところを覚えておこう。(オススメはアルミニウム(Al)とケイ素(Si))
金属元素は電子を出して陽イオンになりやすく、これを「陽性が強い」という表現で表すことがある。
同様に、非金属元素は陰イオンになりやすく、これを「陰性が強い」ということができる。
陽性、陰性という言葉は頻繁に出てくるのでよく覚えておくようにしよう。
※この辺りについて詳しくは陽イオン・陰イオン(違い・一覧・イオン式・価数・多原子イオンなど)を参照
族ごとの分類
Hを除く1族元素はアルカリ金属、Be・Mgを除く2族元素はアルカリ土類金属、17族はハロゲン、18族は希ガスと呼ばれる。
これらの名前は化学を学習していく中でよく出てくる、またテストでそのまま聞かれることもあるのでしっかり覚えておくようにしよう。(各族の性質等については「無機化学」を参照)
状態による分類
常温・常圧時における物質の状態で分類する方法もある。
水素、窒素、酸素、フッ素、塩素、希ガス(6個)→計11個
【液体】
臭素、水銀→計2個
【固体】
その他全部
常温・常圧で固体のものはとても数が多いので、気体と液体のものを覚えて、それ以外は固体という方針でいこう。
※常温・常圧時における物質の状態について詳しくは常温・常圧時の物質の状態まとめ(気体・液体・固体)を参照
周期表の語呂合わせによる覚え方
上で見てきたように、周期表に関連した暗記事項は非常に多く全てを真っ当に覚えるのはなかなか難しい。そこで、世の中には周期表関連のたくさんの語呂合わせが存在している。ここではその一部を紹介しておこう。
族に関する語呂合わせ
- Hでリッチな母ちゃんルビーせしめて(まんまと手に入れて)フランスへ
- フリーなカルビをこっそり袋へ
- スリの仲間とルビーせしめてフランスへ
- ベッドにもぐってこっそりばらす
- ベッカムのマグカップはすばらしい
- スカイラーク
- チーズはハーフサイズ
- ぶん太
- 来るよもうすぐダブルソーセージ
- マントヒヒのテクニックはレボリューション
- 古いお酢
- フェルナンデスのお墨付き
- コロは入り口で待っている
- 二匹のプードルぽっちゃりdogs
- ドキンちゃん、金のリング
- 会えん(亜鉛)から、カードでハグ
- バストはあるがインテリ
- 臭い下痢がすんなり治った
- 日本の明日はすばらしい
- おっさんが選定したポストカード
- ふっくらブラジャー愛のあと
- 変なねーちゃんがある暗闇でキスを連発
周期に関する語呂合わせ
- 水兵リーベ僕の船 七曲がりシップスクラークか
- スコッチ暴露マン徹子に会えんがげんなりアッセンブルク
周期表に関する演習問題
原子を原子番号順に並べた以下の表を【1】という。
周期表の横の列を【1】、縦の列を【2】という。
また、元素をある特定の順番(原子表だと原子番号の順)に並べたとき、元素の化学的性質(反応性など)が一定の周期で変わっていくことを【3】という。
過去の周期表は、ロシア人の化学者である【1】が作ったもので、元素を【2】の順に並べていた。現在の周期表では、元素は【3】の順に並べられている。
3〜11族の元素を【1】、それ以外の元素を【2】という。
典型元素には【1】元素と非【1】元素が存在し、遷移元素は全て【2】元素である。
周期表のHを除く1族元素は【1】、Be・Mgを除く2族元素は【2】、17族は【3】、18族は【4】と呼ばれる。
1種類の元素のみからできている物質は【1】と呼ばれ、そのうち常温常圧時に液体なのは【2】と【3】である。
単体のうち、常温常圧時に気体なのは【1】・【2】・【3】・【4】・【5】・【6(6種)】の全11種類である。
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・化学のグルメ運営代表
・高校化学講師
・薬剤師
・デザイナー/イラストレーター
数百名の個別指導経験あり(過去生徒合格実績:東京大・京都大・東工大・東北大・筑波大・千葉大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆
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