【プロ講師解説】このページでは『希ガスの電子配置』について解説しています。(通常の電子配置に関しては電子配置(書き方・例題・電子を並べる順番やルール・覚え方など)を参照)解説は高校化学・化学基礎を扱うウェブメディア『化学のグルメ』を通じて6年間大学受験に携わるプロの化学講師が執筆します。
希ガスの電子配置
希ガスの電子配置は他の原子と比べて少し特殊であり、性質も他にはないものをもっている。
大学入試や定期テストでも出題されやすいのでしっかり確認しておこう。
希ガスの最外殻電子と安定性
具体例を見ながら希ガスの最外殻電子と安定性について確認していく。
ヘリウムHe、ネオンNeの最外殻電子
希ガスのうち、第1周期のヘリウムHeと第2周期のネオンNeは最外殻が満たされた閉殻の状態になっている。
閉殻した状態というのは、非常に安定している。
したがって、希ガスの最外殻電子は価電子(反応に関与する電子:詳しくは最外殻電子と価電子(違い・一覧・8個の理由など))ではなく、電子の授受を行わず、イオンになったり他の原子と反応したりはしない。
アルゴンArからラドンRnまでの最外殻電子
希ガスのうち、第3周期のアルゴンArから第6周期のラドンRnまでは最外殻が全て電子で満たされているわけではない。
しかし、最外殻電子が8個でいわゆるオクテットの状態になっている。
オクテットの状態は、閉殻ではないものの、非常に安定しており、電子の授受を行わず、イオンになったり他の原子と反応したりはしない。
演習問題
問1
希ガスのうち第1周期のヘリウムHeと第2周期のネオンNeが安定なのはなぜか。
問2
第3周期のアルゴンArから第6周期のラドンRnが安定なのはなぜか。
まとめ
最後に、この『希ガスの電子配置が安定な理由』のページで解説した内容をまとめておく。
- 希ガスのうち、第1周期のヘリウムHeと第2周期のネオンNeは閉殻の状態で安定である
- 第3周期のアルゴンArから第6周期のラドンRnまでは閉殻ではないが最外殻電子が8個でオクテットの状態になっているため安定である
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著者プロフィール
・化学のグルメ運営代表
・高校化学講師
・薬剤師
・デザイナー/イラストレーター
数百名の個別指導経験あり(過去生徒合格実績:東京大・京都大・東工大・東北大・筑波大・千葉大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆
著者紹介詳細
・化学のグルメ運営代表
・高校化学講師
・薬剤師
・デザイナー/イラストレーター
数百名の個別指導経験あり(過去生徒合格実績:東京大・京都大・東工大・東北大・筑波大・千葉大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆
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