はじめに

入試超頻出の過マンガン酸カリウムを使った酸化還元滴定。このページでは過マンガン酸カリウムを使った酸化還元滴定の仕組みから反応式、計算問題の解き方まで1つ1つ丁寧に解説していく。ぜひこの機会に酸化還元滴定をマスターして周りのライバルと差をつけよう!


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酸化還元滴定の流れ

ここに、還元剤であるシュウ酸H2C2O4(無色)が入った容器があるとしよう。(シュウ酸は電離した状態で記載)

この容器に、酸化剤である過マンガン酸カリウムKMnO4(赤色)を滴下していく。

はじめのうちは、赤色の過マンガン酸カリウムKMnO4を入れてもシュウ酸H2C2O4と酸化還元反応を起こし、すぐに無色となる。

しかし、滴定を続けていくと…

ある時急に赤色が消えなくなる。
何が起こったのだろう?そう、シュウ酸H2C2O4が無くなってもうこれ以上酸化還元反応を起こせなくなったんだね。その結果、過マンガン酸カリウムKMnO4の赤色(正確にはKMnO4に含まれるイオンであるMnO4の色)が消えず、色がついたように見えるわけだ。

過マンガン酸カリウムを使った酸化還元滴定では、この色が消えなくなる点を滴定の終点とし、そこまでに滴下した過マンガン酸カリウムの量などを使って濃度未知の溶液(シュウ酸など)の濃度を求めていく。

注意

過マンガン酸カリウムを使った酸化還元滴定では、指示薬を使用しない。これは、過マンガン酸カリウムそのものに色の変化が起きるからである。中和滴定とは違うので注意しておこう。


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過マンガン酸カリウムを使った酸化還元滴定の計算問題

問題

硫酸酸性で濃度未知のシュウ酸水溶液500[ml]に0.5[mol/L]の過マンガン酸カリウム水溶液を滴下していく。200[ml]滴下したところで、色が赤紫色から変化しなくなった。この時のシュウ酸水溶液の濃度を求めよ。

上のSTEPに従って説明していこう。

STEP1

2つの半反応式から反応式をつくる。

まず、過マンガン酸カリウムKMnO4とシュウ酸H2C2O4半反応式から酸化還元反応式をつくる。

(作り方がわからなかったら高校化学「半反応式・酸化還元反応式の作り方」完全マスター講座!!をみてね)

STEP2

酸化剤が受け取るe[mol]=還元剤が出すe[mol]を使用し、濃度[mol/L]を求める

酸化還元反応では、還元剤の出した電子eを酸化剤がそのまま受け取るので、以下の式が成り立つ。

従って、今回の場合次の式をつくることができる。

\[
\mathrm{ \underbrace{ 0.5(mol/L) × \frac{ 200 }{ 1000 }(L) }
_{ KMnO_{4}\text{ のmol }}
× 5
=
\underbrace{ x(mol/L) × \frac{ 500 }{ 1000 }(L) }
_{ H_{2}C_{2}O_{4}\text{ のmol }}
× 2 \\
↔︎ x=0.5(mol/L) }
\]

KMnO4とH2C2O4半反応式より、KMnO41molが受け取るeは5mol、H2C2O41molから出るeは2molなので、左辺に5、右辺に2をかけていることに注意しよう。


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酸化還元滴定のワンポイント

ここからは、酸化還元滴定に関して受験生が疑問に感じるポイントを解決していこう。

過マンガン酸カリウムを使った酸化還元滴定を「酸性下」で行う理由

過マンガン酸カリウムの半反応式は、溶液の液性を酸性・中性・塩基性のどれにするかで変わってくる。

3つの反応式を比較すると、酸性の時に最も多くの電子eを受け取っていることがわかる。多くの電子を受け取るということは「酸化剤として優秀」ということなので、過マンガン酸カリウムは酸性下で用いられる。

溶液を酸性にする際、硫酸を使用する理由

酸化還元滴定の問題では、必ずと言っていいほど「硫酸酸性下で実験を…」との記載が書かれている。溶液を酸性にする理由は上で述べたとおりだが、なぜ毎回“硫酸H2SO4”を用いるのか疑問に思う人も多いはず。

まず、酸として有名な塩酸HClは還元剤である。(Cl→Cl2
また、硝酸HNO3は酸化剤である。(希硝酸:HNO3→NO、濃硝酸:HNO3→NO2
このように、多くの酸は酸化剤又は還元剤として働く。これに対して硫酸H2SO4は、酸化剤にも還元剤にもならないので、単にH+を供給し酸化還元反応を促進するためだけに働いてくれる。これが、酸化還元滴定で硫酸H2SO4を用いる理由である。


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関連:特殊な酸化還元滴定を紹介。

ヨードメトリー・ヨージメトリーと呼ばれるやや特殊な酸化還元滴定が存在する。どちらも入試でちょこちょこ出るので必ず確認しておこう。

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