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はじめに
定期テストや入試で頻出の電子配置。感覚で解いて間違えてしまう人が多い分野なので、電子殻の名前から電子を殻に入れていく際のルール・順番等について1つ1つ丁寧に押さえていこう!
電子殻とは
「原子の構造!陽子・中性子・電子・原子核・質量数・原子番号の数と関係」で説明した通り、原子の中心には原子核があり、その周りを電子がグルグル回っている。
この時、電子の回る道(黒い円)のことを電子殻という。
電子殻は層になっており、内側から順にK殻、L殻、M殻、N殻という名前がついている。
それぞれの電子殻に入れることのできる電子の数は決まっており、K殻は2個、L殻は8個、M殻は18個、N殻は32個である。これを一般式で表すと2n2個となる。(nにはK殻なら1、L殻なら2…を入れる)
※テストで毎回一般式から考えていると時間がないので2個8個18個32個という数字はできるだけ暗記しておこう!
電子配置とは
電子が電子殻に入るとき、その入り方にはある規則性(ルール)がある。それを電子配置という。
基本的なルールは次の2つ。

いくつか例を挙げてこれらのルールについて確認していこう。
例1)炭素(原子番号6)の電子配置
炭素の原子番号は6。従って、持っている電子の数は6個である。
STEP1
RULE1より、まずは最も内側のK殻に電子が入る。
K殻に入れることができる電子は2個までなので2個入れたところでストップ。
STEP2
次に、1つ外側のL殻に4個の電子が入る。
これで炭素の持つ6個の電子が全て収まったので完成。
例2)カルシウム(原子番号20)の電子配置
カルシウムの原子番号は20。従って20個の電子を持っている。
STEP1
炭素同様、まずは内側のK殻に2個の電子が入る。
STEP2
L殻に8個の電子が入る。
L殻は8個までしか電子を入れることができないのでここでストップ。
STEP3
M殻に8個の電子が入る。
ここが重要なポイント。M殻は18個まで電子を入れることができるけど、RULE2より最外殻電子(=最も外側の電子殻に存在する電子)は8個を超えてはいけないので次の殻にいく。
STEP4
N殻に2個の電子が入る。
これでカルシウムの持つ20個の電子を全て使い切ったので終了。
例3)チタン(原子番号22)の電子配置
チタンの原子番号は22。従って、持っている電子の数は22個。
STEP1
K殻に2個の電子が入る。
STEP2
L殻に8個の電子が入る。
STEP3
M殻に8個の電子が入る。
最外殻電子が8個を超えてはいけないのでここで一旦ストップ。
STEP4
N殻に2個の電子が入る。
あれ?残りの4個全部入れればいいんじゃないの?と思った人。ここは2個でOK。残りの2個がどこにいくのかは次のSTEP5を見てみよう。
STEP5
M殻に2個の電子が入る。
最外殻がN殻になったからM殻にはもう8個以上の電子を入れてよくなったわけだね。
関連:希ガスの電子配置
希ガスの電子配置は閉殻又はオクテットの状態であり、非常に安定である。詳しくは「希ガスの電子配置が安定な理由」や以下の動画を参照。
関連:最外殻電子
今回登場した最外殻電子について詳しいことは「最外殻電子と価電子〜それぞれの定義から2つの違いまで〜」又は次の動画を参照。
関連:一覧表を、お気に入りに。
化学のグルメでは、電子配置の一覧表を用意しています。「一覧表」系のページをブックマークしておくと、問題集を解いているときなどにぱっと情報を得られて非常に便利。お気に入り登録しておこう。
関連:問題集、作りました。
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