電気陰性度とは

共有電子対を引きつける力
Point!

異なる2つの原子が結合するとき、お互いが電子を1コずつ出し合い共有電子対を形成する。

この時、原子が共有電子対を自分の方に引っ張る強さのことを電気陰性度という。電気陰性度が高い原子がより強く共有電子対を自分側に引き寄せる。


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電気陰性度の周期表上での傾向

周期表の左下に存在する元素(金属元素が多い)ほど陽性が強く、電子を放出しようとするため、電気陰性度は小さくなる。

※1
希ガスの電気陰性度は考慮しないということに注意が必要である。希ガスは最外殻が満たされているため電子を外から取り込もうとはしない。従って、電子を引きつける強さである電気陰性度は考える必要がないわけだね。

※2
水素の電気陰性度だけ「周期表の右上に行くにしたがって大きくなっていく」というルールに従わない。水素は電子を1つしか持っていないので、それを出してしまうと電子が1つもない“原子核のみ”の状態になってしまう。当然ながら原子核単体だと非常に不安定なので水素はあまり電子を電子を出したがらない。よって、その1つの電子を奪われないように電気陰性度が非常に高くなっている。

※3
電気陰性度に関するグラフとして次のようなものが出題されることが多いので形を周期表と照らし合わせて覚えておこう。

電気陰性度とイオン化エネルギー・電気陰性度の関係

【完全版】第一イオン化エネルギー・電子親和力・電気陰性度の違い!にあるように、第一イオン化エネルギーは「自分の電子を守る力(=守備力)」、電子親和力は「相手の電子を奪う力(=攻撃力)」だったが、電気陰性度は第一イオン化エネルギーと電子親和力を総合的に考えたものである。共有電子対は「自分の電子」と「相手の電子」が組み合わさってできたものである。従って、電気陰性度、つまり「共有電子対を自らの方に引っ張る力」というのは自分の電子を守る力(=守備力=第一イオン化エネルギー)と相手の電子を奪い取る力(=攻撃力=電子親和力)の両方を合わせた総合力になるんだね。

参考↓
【完全版】第一イオン化エネルギー・電子親和力・電気陰性度の違い!
第一イオン化エネルギーとは?周期表での最大最小、グラフ、電子親和力との違い!
電子親和力とは?定義から大きさを表すグラフ、希ガスやハロゲンの場合まで解説!


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電気陰性度とマリケンの評価方法

電気陰性度・第一イオン化エネルギー・電子親和力の関係を表したマリケンの定義と呼ばれる式が存在する。

この式をみると、電気陰性度は第一イオン化エネルギーと電子親和力の和に比例しており、第一イオン化エネルギーと電子親和力が大きくなればなるほど電子親和力も大きくなるということがわかる。

※マリケンの定義は昔使われていたが正確性に欠けることがわかり現在はあまり使われていない。代わりにポーリングの定義というものが用いられている。(式が綺麗でわかり易いので参考にするのは全然あり)

電気陰性度と化学結合

結合は原子間の結合と分子間の結合に分類することができる。分子間の結合が切れても、状態が変化するだけで物質の種類そのものは変化しない。たとえば水H2Oの分子間の結合が切れると水蒸気になるが、物質はH2Oのまま変化しない。

しかし、原子間の結合が切れると、H2OはH原子とO原子に変化するためH2Oではなくなってしまう。このような原子間の結合を化学結合という。

化学結合の種類は電気陰性度で決まる。金属元素の電気陰性度は小さく、非金属元素の電気陰性度は大きいことから、結合している元素が金属か非金属かで結合の種類を判断することになる。

非金属元素(電気陰性度 大)+ 非金属元素(電気陰性度 大)の結合 → 共有結合
金属元素(電気陰性度 小)+ 非金属元素(電気陰性度 大)の結合 → イオン結合
金属元素(電気陰性度 小)+ 金属元素(電気陰性度 小)の結合 → 金属結合

電気陰性度と極性

極性というのは「分子内での電子の偏り」を表すものだった。(極性に関して詳しくは「【極性】分子の形との関係、求め方、打ち消しなどを例を用いて解説!」を参照)

先ほどから説明しているように、電気陰性度というのは「電子を引っぱる力」を表している。従って、電気陰性度はこの”極性”を生み出す原因になる。

電気陰性度が大きい方の原子(ここではCl)は共有電子対を自分の方に引っ張るため電荷がやや負に偏る(これをδと表す)。反対に、電気陰性度が小さい方の原子(ここではH)は電荷がやや正に偏る(δ+)。このように極性は電気陰性度が原因となって生じる。


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演習問題

問1

電気陰性度の定義を述べよ。
【問1】解答/解説:タップで表示
解答:下記参照

電気陰性度とは「原子が共有電子対を自分の方に引っ張る強さ」のことである。

問2

共有結合している2原子のうち、より共有電子対を引きつけているのは電気陰性度の大きい原子か、それとも電気陰性度の小さい原子か。
【問2】解答/解説:タップで表示
解答:電気陰性度の大きい原子

問1でやったように、電気陰性度とは原子が共有電子対を自分の方に引っ張る強さのことである。従って、より共有電子対を引きつけているのは共有結合をしている原子のうちより電気陰性度の大きい原子である。

問3

マリケンの定義によると、電気陰性度は何に比例するか。
【問3】解答/解説:タップで表示
解答:第一イオン化エネルギーと電子親和力の和

マリケンの定義によると、以下の式が成り立つんだったね。

これをみればわかるように電気陰性度は第一イオン化エネルギーと電子親和力の和に比例する。

問4

希ガスの電気陰性度が定義されていないのはなぜか。
【問4】解答/解説:タップで表示
解答:以下参照

希ガスは最外殻が満たされているため電子を外から取り込もうとはしない。従って、電子を引きつける強さである電気陰性度は考える必要がないんだったね。

問5

電気陰性度が「周期表の右上に行くに従って大きくなっていく」というルールに従わない原子は何か。
【問5】解答/解説:タップで表示
解答:水素

水素の電気陰性度だけ「周期表の右上に行くにしたがって大きくなっていく」というルールに従わない。水素は電子を1つしか持っていないので、それを出してしまうと電子が1つもない“原子核のみ”の状態になってしまう。当然ながら原子核単体だと非常に不安定なので水素はあまり電子を電子を出したがらない。従って、その1つの電子を奪われないように電気陰性度が非常に高くなっている。

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