【プロ講師解説】このページでは『ろ過をする際の手順と注意点』について解説しています。解説は高校化学・化学基礎を扱うウェブメディア『化学のグルメ』を通じて6年間大学受験に携わるプロの化学講師が執筆します。
ろ過とは・手順
ろ過とは、液体と固体の混合物をろ紙に流し込み、液体と固体を分離する操作である。ろ過の例としては次のようなものが挙げられる。
- 白濁した石灰水から透明な石灰水を作る(石灰水の濁りは固体の沈殿であるCa(OH)2が原因であるためろ過でCa(OH)2を取り除けば濁りが消える)
- 泥水から綺麗な水を取り出す(泥水は水に砂が溶けたものなので砂をろ過で取り除けば綺麗な水になる)
ろ過の手順は次の通り。
STEP1 | 4つ折りにしたろ紙を円錐状に開いて漏斗にあて、そこに蒸留水をかけて漏斗とろ紙を密着させる |
STEP2 | 溶液を漏斗に静かに注いでいく |
Point!
ろ過の注意点
上記ろ過の手順のSTEP2の所で注意すべき点が4つあるので、それらを確認していこう。
注意点1
ろ過する溶液はしばらく放置して固体を完全に沈殿させておき、上澄み液からろ過を始める
ろ過をする溶液は予め一定時間放置し固体を完全に沈殿させて、上澄み液(上の方にある、固体が混ざっていない純粋な液)からろ過を始める必要がある。これは、先に固体がろ紙に付くとろ紙の目が塞がってしまいろ過にかかる時間が長くなってしまうためである。
注意点2
ろ液を漏斗に注ぐ際、ガラス棒を伝わらせる
ろ液を漏斗に注ぐ際はガラス棒を伝わらせる必要がある。これは、ろ過する溶液が周囲に飛び跳ねないようにするためである。
注意点3
漏斗の先はビーカーの内壁につけておく
漏斗の足はビーカーの内壁につけておく必要がある。これは、漏斗の足をビーカーにつけることでろ液が途絶えることなく流れ落ち、ろ過速度を速くすることができるためである。
注意点4
ろ過する溶液はろ紙の8分目の高さまで入れる
ろ過する溶液を入れるのはろ紙の8分目程度までにした方がいい。これは単純に、溢れるのを防ぐためである。
演習問題
問1
ろ過する溶液を上澄み液からろ紙に注ぐ必要があるのはなぜか。
問2
ろ過する溶液を漏斗に注ぐ際、ガラス棒を伝わらせるのはなぜか。
問3
漏斗の足をビーカーの内壁につけておく必要があるのはなぜか。
問4
ろ過する溶液を入れるのはろ紙の8分目程度までにするのはなぜか。
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著者プロフィール
・化学のグルメ運営代表
・高校化学講師
・薬剤師
・デザイナー/イラストレーター
数百名の個別指導経験あり(過去生徒合格実績:東京大・京都大・東工大・東北大・筑波大・千葉大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆
著者紹介詳細
・化学のグルメ運営代表
・高校化学講師
・薬剤師
・デザイナー/イラストレーター
数百名の個別指導経験あり(過去生徒合格実績:東京大・京都大・東工大・東北大・筑波大・千葉大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆
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