はじめに

「水に溶ける」という現象が一体どういうものなのか、きちんと理解できている高校生・受験生は意外と少ない。このページでは、水に溶ける現象の仕組みから電離との違いなどを図を用いて1から丁寧に説明していく。ぜひこの機会に「水に溶ける」を本質から理解して、ライバルと差をつけよう!


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「水に溶ける」とは

「水に溶ける」とはどういった現象なのか、まずは例として「塩化ナトリウムNaClを水に溶かす場合」を使って説明していこう。

水分子H2Oは極性分子(分子内に極性が生じている分子:極性について詳しくは極性とは?定義から分子の形との関わり、打ち消しなど例を用いて解説!を参照)であり、分子内の一部はややプラス(δ+)に、一部はややマイナス(δ)に電荷が偏っている。

また、NaClは水中で以下のように電離している。

\[
NaCl → Na^{+}+Cl^{-}
\]

したがって、(プラスとマイナスは引き合うので)電離の結果できたNa+とClの周りには、それぞれ水分子のδ-のところとδ+のところが近づいてくる。

その結果、いわゆる水和した状態となり(水和について詳しくは【図解】水和・水和物とは?原理や仕組みなどを例を用いて解説!を参照)、ナトリウムイオンNa+とClは引き離される。

このように、を構成しているイオンが溶媒によって引き離される現象を(その溶媒:今回だと水に)「溶ける(溶解する)」という。

また、塩でなくアルコール(ex:エタノール)などでも同様に考えることができる。

上でも述べたように、水分子は極性分子であり、分子内の一部はややプラスに、一部はややマイナスに電荷が偏っている。

ここに、極性分子であるエタノールを入れると、お互いの、電荷がプラスの所とマイナスの所が引き合って緩い結合(今回はたまたま水素結合を形成する原子の組み合わせなので水素結合)が形成される。

その結果、エタノール分子が水分子に囲まれて他のエタノール分子と引き離されることになるので、いわゆる“水和した(=溶けた)”状態になる。


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水に溶ける(=溶解する)の本質まとめ

①溶質(イオンや分子)の周りを溶媒分子が囲む
②溶質同士が引き離されてバラバラになる(=溶けた!)

上で説明してきたように、溶質(イオンや分子)の周りを溶媒分子が囲み、それによって溶質同士が引き離されバラバラになる現象を溶ける(=溶解する)という。

また、溶け”やすさ”については溶媒と溶質の極性を考慮する必要があり、極性溶媒には極性分子が溶けやすく、無極性溶媒には無極性分子が溶けやすい。

極性分子(溶質) 無極性分子(溶質)
極性溶媒 溶ける 溶けない
無極性溶媒 溶けない 溶ける

この辺りについて詳しくは極性溶媒と無極性溶媒を確認しよう。


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「水に溶ける」と「電離する」の違い

ここまで説明してきた「水に溶ける(溶解する)」という現象と「電離する」という現象は何が違うのか、という点について説明していこう。

上で説明したように、水に溶けるという現象は「溶質(イオンや分子)の周りを溶媒分子が囲み、それによって溶質同士が引き離されバラバラになる現象」である。

一方、電離するという現象は「を構成する陽イオンと陰イオンが引き離されてバラバラになる現象」である。

つまり…

  • イオンがバラバラになるのが「電離する」
  • イオンだけでなく、電離しないエタノールのような分子同士がバラバラになるのも含めて考えたのが「水に溶ける」
  • ということになる。

    「水に溶ける(溶解)」という大枠の中に「電離」があるイメージだね!


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    演習問題

    問1

    塩を構成しているイオンが溶媒分子によって引き離される現象を何というか。
    【問1】解答/解説:タップで表示
    解答:溶ける(溶解)

    塩を構成しているイオンが溶媒分子によって引き離される現象を溶ける(=溶解)という。

    問2

    水分子が溶質の分子やイオンと強く引き合うことを何というか。
    【問2】解答/解説:タップで表示
    解答:水和

    水分子が溶質の分子やイオンと強く引き合うことを水和という。水和について詳しくは【図解】水和・水和物とは?原理や仕組みなどを例を用いて解説!を確認しよう。

    問2

    水和しているイオンを【1】、水和している分子を【2】という。
    【問2】解答/解説:タップで表示
    解答:【1】水和イオン【2】水和分子

    水和しているイオンを水和イオン、水和している分子を水和分子という。水和イオンや水和分子について詳しくは【図解】水和・水和物とは?原理や仕組みなどを例を用いて解説!を確認しよう。

    問3

    水分子は【1】分子であり、塩化ナトリウムNaClを入れると水分子のH原子が【2】イオンを、O原子が【3】イオンを取り囲み、いわゆる溶けた状態になる。
    【問3】解答/解説:タップで表示
    解答:【1】極性【2】塩化物【3】ナトリウム

    問4

    水和水が分子にくっついた状態になったものを【1】といい、代表的な【1】である硫酸銅五水和物の化学式は【2】である。
    【問4】解答/解説:タップで表示
    解答:【1】水和物【2】CuSO4・5H2O

    硫酸銅五水和物はCuSO4:H2O=1:5の物質量比からなる結晶である。硫酸銅五水和物について詳しくは硫酸銅五水和物とは?化学式や構造式、頻出問題の解法まで完全解説!を確認しよう。


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