はじめに

「化学でよく出てくる水和って一体どういう現象なんだろう?」「水と絡んでいるイメージはあるけど説明しろって言われるとよくわからない…」「硫酸銅五水和物とか、水和物って表現もよく出てくるけど一体何者?」

このような疑問・悩みをもっている受験生は非常に多い。このページでは、水和や水和物について原理や仕組みを1から解説し、高校化学で頻出の水和物である硫酸銅五水和物がどのように水和をしているのかというところまで踏み込んで解説していこうと思う。ぜひこの機会に水和・水和物をマスターして他の受験生と差をつけよう!


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水和の原理

水和とは、水分子が溶質の分子やイオンと強く引き合うことである。

例)塩化ナトリウムNaCl

水和しているイオンを水和イオン、水和している分子を水和分子という。また、陽イオンでは水和陽イオン、陰イオンでは水和陰イオンと呼ばれることもある。

水和は、主に電気陰性度(極性)が原因となって起こる現象である。

水分子は極性分子(分子内に極性が生じている分子:極性について詳しくは極性とは?定義から分子の形との関わり、打ち消しなど例を用いて解説!を参照)であり、分子内の一部はややプラスに、一部はややマイナスに電荷が偏っている。

また、NaClは水の中で次のように電離している。

\[
NaCl → Na^{+}+Cl^{-}
\]

したがって、(プラスとマイナスは引き合うので)電離の結果できたNa+とClの周りには、それぞれ水分子のδ-のところとδ+のところが近づいてくる。

その結果、いわゆる水和した状態となり、ナトリウムイオンNa+とClは引き離される。(を構成しているイオンが引き離されるといわゆる「溶けた」状態と言える)


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水和物とは

水和物とは、水和水が分子にくっついた状態になったものである。

例えば、高校化学で頻出の水和物である「硫酸銅五水和物」の化学式は次のようになる。

\[
CuSO_{4}・5H_{2}O
\]

硫酸銅五水和物

硫酸銅(Ⅱ)水溶液を冷却して得られる結晶は、CuSO4:H2O=1:5の物質量比からなる結晶で、この結晶を硫酸銅五水和物といい、化学式は次のようになる。

\[
CuSO_{4}・5H_{2}O
\]

硫酸銅五水和物の構造は次のようになっている。

4つの水分子が銅イオンCu2+配位結合、1つの水分子が酸素原子Oと水素結合した形になっているのが理解できるね。

実際のところ、硫酸銅五水和物の構造を覚えている必要はない。しかし。硫酸銅五水和物が絡んだ問題は入試で超頻出なので、理論化学や無機化学における「硫酸銅五水和物が絡んだ問題」をまとめた硫酸銅五水和物とは?化学式や構造式、頻出問題の解法まで完全解説!のページは必ず確認しておこう。


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演習問題

問1

水分子が溶質の分子やイオンと強く引き合うことを何というか。
【問1】解答/解説:タップで表示
解答:水和

水分子が溶質の分子やイオンと強く引き合うことを水和という。

問2

水和しているイオンを【1】、水和している分子を【2】という。
【問2】解答/解説:タップで表示
解答:【1】水和イオン【2】水和分子

水和しているイオンを水和イオン、水和している分子を水和分子という。

問3

水分子は【1】分子であり、塩化ナトリウムNaClを入れると水分子のH原子が【2】イオンを、O原子が【3】イオンを取り囲み、いわゆる溶けた状態になる。
【問3】解答/解説:タップで表示
解答:【1】極性【2】塩化物【3】ナトリウム

問4

水和水が分子にくっついた状態になったものを【1】といい、代表的な【1】である硫酸銅五水和物の化学式は【2】である。
【問4】解答/解説:タップで表示
解答:【1】水和物【2】CuSO4・5H2O

硫酸銅五水和物はCuSO4:H2O=1:5の物質量比からなる結晶である。


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