はじめに

極性を苦手とする高校生は非常に多く、受験でも点を落としがちな分野の1つとなっている。このページではその極性について、定義から電気陰性度、分子の形との関わりまで1から丁寧に解説していく。ぜひこの機会に極性をマスターしてライバルと差をつけよう!

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極性と電気陰性度

異なる種類の原子が共有結合すると、共有電子対は電気陰性度は大きい原子の方へ偏る。

塩化水素HClの場合、共有電子対は電気陰性度のより大きなCl原子の方へと引きつけられる。その結果、Cl原子は負(δ-)に、H原子は正(δ+)に帯電する。このように、原子間の電気陰性度の差によって生じる電荷の偏り極性といい、極性を持つ分子を極性分子という。

一方、塩素分子Cl2のように同じ種類の原子同士が結合すると、電気陰性度に差がないため共有電子対は2つのCl原子のちょうど真ん中に存在する。そのため極性は生じておらず、このように極性を持たない分子を無極性分子という。

極性の打ち消し

ここまでの説明を読んでこのように思った人がいるかもしれない。

「極性の理由が電気陰性度なら、ほとんど全ての分子に極性が生じているんじゃない?」

だいたいの分子は違う原子同士がつながっているから、こう思う人が多いのは当然だね。

しかし、「ある2つの原子間で極性が生じていても、分子全体でみたら極性がない」という場合があるんだ。二酸化炭素(O=C=O)を例に説明していこう。

二酸化炭素の「C」と「O」の電気陰性度には差があるため、2原子間で極性が生じるのは間違いない。しかし、二酸化炭素の分子中にC=O結合が2つあることに注目しよう。同じ結合が左右対称に存在するため「電気的なかたよりが左右で打ち消されてしまう」んだ。その結果、CとOの間に極性は生じるものの、分子全体では無極性ということになる。


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極性と分子の形

分子にはそれぞれ「形」があり、形の決定には極性が深く関わっている。ここでは、大学入試で頻出の二酸化炭素(CO2)・水(H2O)・メタン(CH4)・アンモニア(NH3)を例に説明していこう。

二酸化炭素

極性の打ち消しの部分で述べたように、二酸化炭素(CO2)のCとOの電気陰性度には差があり、結合に使われている電子はより電気陰性度の高いO側に引きつけられている。(=極性有り)

しかし、二酸化炭素の分子中にはC=O結合が2つあり、それが左右対称に存在するため「電気的なかたよりが左右で打ち消されてしまう」。その結果、CとOの間に極性は生じるものの、分子全体では無極性ということになる。

また、Cにくっついている2つのOは左右対称であるため、1つのCと2つのOは全て「一直線上」に並ぶ。従って、二酸化炭素分子の形は「直線」となる。

水は一見、二酸化炭素と同じ「直線の無極性分子」に見えるかも知れない。OとHの電気陰性度に差はあるけれど「左右に結合があるため極性が打ち消されて、分子全体としては無極性」という感じじゃないかなと思うよね。

しかしこれ、実は大間違い。水は代表的な「極性分子」なんだ。

Oの価電子は全部で6コ。しかし、Hとの結合に使われているのは左右合わせて2コだよね。残りの4コはどこにいったのだろうか。

そう。「非共有電子対」として存在しているんだ。上の図のように、余った4つの電子が「2コで1セット」になって2組の非共有電子対を形成している。

非共有電子対を形成している電子は「(共有結合に使われている電子に比べて)かなり広範囲を動き回る」という性質をもつ。それ故、非共有電子対によってO-H結合が押されて曲がった形(=折れ線型)になるんだ。

また、水にはHとOの結合が2つあるものの、その2つが直線上に並んでいるわけではないので電荷のかたよりが打ち消されずに「極性分子」となる。


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メタン

メタンは1つの炭素原子に4つの水素原子がくっついてできている。

点線はHが奥にいっていて、太い線はHが手前に飛び出ていることを示している。この形は「正四面体」といい、Cから4方向均等にHが出ている状態。CとHは電気陰性度が異なるので、当然極性が生じているが、4つの方向に均等に結合があるため極性は打ち消され、分子全体としては「無極性」となる。

アンモニア

アンモニアは、1つのN原子に3つのH原子が結合している。メタン同様、3つの原子が3方向均等に出ていれば極性は打ち消されるが、アンモニアはそのようにはなっていない。アンモニアには非共有電子対が1つ存在するため、水のところでやったようにN-H結合が非共有電子対によって全体的に下方向に押されるため、極性が打ち消されることはない。結果として、アンモニア分子の形は「三角錐型」となる。

極性と分子の形まとめ

  

極性
塩化水素 あり 直線
二酸化炭素 なし 直線
あり 折れ線
メタン なし 正四面体
アンモニア あり 三角錐

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関連:電気陰性度について、もっと深く。

電気陰性度が極性と深い関わりをもつことがわかったところで、電気陰性度に関する知識をさらに積み重ねていこう。

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