『鎌田の理論化学の講義』超人気化学参考書の使い方をレビュー。

目次

はじめに

受験化学参考書のスタンダードとして知られる「鎌田の理論化学の講義」。今回はこの超人気参考書について、その魅力から具体的な使い方、併用にオススメの問題集まで1つ1つ丁寧に解説していこうと思います。鎌田の理論化学の講義の購入を検討している人はもちろん、もう既に持っているよという人も是非参考にして下さい。


本の特徴と対象

入試突破のためのいちばん大事なところ(多くの人の解けない原因になっている見落としがちで大事な事柄)を、入試に直結する方法で説明し、解けない原因を根本的に解決しました。  大学入試で必要な理論化学のとらえ方がわかり、効率よく応用力を身につけられます。  本書には、入試直前に整理・確認できる「別冊まとめ(赤セルシートつき)」があります。本書の中でも、とくに再確認しておきたい大切な事項をまとめました。 携帯に便利な別冊なので、試験会場でも確認できます。

旺文社公式HP

鎌田の理論化学の講義を一言で表すなら「最も対象範囲の広い化学参考書」です。

基礎的な事項も丁寧に解説されており、それがスムーズに入試対策につながる構成になっているため、化学初心者から受験対策をしたい人まで幅広いレベルの人が使うことができます。また、入試や定期テスト前に重要事項を見直す用として巻末に「別冊まとめ」というものが付いているのも評価ポイント。用語の意味や公式をパッと確認できるため非常に便利なアイテムです。


本の構成

鎌田の理論化学の講義は上のような構成になっています。
理論化学の各単元における重要事項がほぼ全て掲載されており、定期テスト対策・大学入試対策をする上で申し分ない網羅度であると言えるでしょう。

また、個別の解説ページは次のようになっています。

各項目の横には別冊まとめの何ページにその項目が記載されているかが書かれており、復習の際に役立ちます。また、解説の間には重要ポイントや本文の補足説明が書かれており、この部分が的確で非常にわかりやすいです。さらに、演習問題とそれを解く時に重要なTIPSも掲載されているためこの一冊で力を定着させることができます。


メリット

鎌田の理論化学の講義にはメリット・デメリットが存在します。まずはメリットの方から紹介していきましょう。

網羅性

先ほどから述べている通り、鎌田の理論化学の講義は非常に網羅性に優れた参考書です。特に解説が抜けていたり薄かったりする単元は見当たらず、理論化学はこれ一冊に任せればOKと言えるでしょう。

守備範囲の広さ

繰り返しになりますが、鎌田の理論化学の講義は基礎固めから入試対策まで幅広いレベルに対応しています。定期テスト対策としての参考書を探している人から難関大対策として化学の基礎固めをしたい人まで全ての人にオススメできる参考書です。

解説が絶妙

これが、鎌田の理論化学の講義が大人気参考書である一番大きな理由でしょう。鎌田の理論化学の講義は「解説の深さが最高に丁度いい」です。高校生・受験生が感じる疑問は丁寧に解説されており、それでいて入試に必要ないような細かすぎる事項は綺麗にカットされています。

ちょっとした補足が最高

鎌田の理論化学の講義には、本文以外にちょっとした補足説明が書かれている箇所があります。これが意外と便利で、疑問を解決するのに丁度いい役割を果たしています。

付属の冊子が素晴らしい

鎌田の理論化学の講義には「別冊まとめ」という要点をまとめた小冊子が付属しています。これがまた便利で、テスト直前に見直したいような用語や公式が綺麗にまとめられています。わざわざ自分でまとめノートを作る必要がなくなるので重宝するでしょう。


デメリット

次は鎌田の理論化学の講義のデメリットを紹介していきます。

演習問題がやや難しめ

鎌田の理論化学の講義では、説明文の合間にちょこちょこ演習問題が挟まっています。この問題は東京大学の過去問などから選ばれており、人によっては難しく感じるかもしれません。ただ、解説もしっかりと書かれているのでよく読めば理解することはできるでしょう。

超難関大学対策にはならない

鎌田の理論化学の講義は難関大対策まで可能だという話をしましたが、東京大学や京都大学、東京工業大学などの超難関大学を受ける人にはとってはやや物足りないでしょう。そういう人は「化学の新研究」を用いることをお勧めします。


使い方

次に、鎌田の理論化学の講義の具体的な使い方を紹介していきます。むやみに使っても効果は出づらいので、まずはこれから紹介するやり方を参考にしていただき、状況に応じて自分流の使い方を見つけていきましょう。

最初のページから読み進める

これが鎌田の理論化学の講義のスタンダードな使い方です。
基礎から丁寧に解説されているので、化学初心者の人でも抵抗なく読み進めていけるでしょう。また、解説の途中に挟まれている演習問題が難しすぎると感じた場合は次のような基礎固め用の問題集を併用することをお勧めします。

学校の授業でやった単元を読む

これは受験対策というよりも定期テスト対策として使う場合の方法です。学校の授業で習った単元に合わせて鎌田の理論化学の講義も読み進めていきましょう。定期的にこのような作業を行っておけばテスト前に困ることも少なくなると思います。


併用したい問題集

鎌田の理論化学の講義はあくまで化学現象の解説が豊富な参考書であり、実際に大学入試で出てくる問題を解くためには問題集等でトレーニングを積む必要があります。ここからは鎌田の理論化学の講義との併用にオススメの問題集を紹介していきます。

基礎問題精講

基礎問題精講を一言で表すなら「化学初心者に最もオススメの問題集」です。
後に詳しく説明しますが、この問題集はこんなに書くか!というほど解説が丁寧です。本当の初学者でもわかりやすいよう補助矢印のようなものがたくさん書かれています。また、「精講」という形で化学の各単元に関する基礎的な解説も書かれています。この部分がとてもわかりやすいと評判で、問題集の枠を超えて化学参考書としても非常に優秀な一冊と言えるでしょう。鎌田の理論化学の講義との相性も抜群です。

重要問題集

重要問題集は化学問題集の王様的存在です。おそらく受験化学対策用の問題集としてはシェアNo.1で、数多くの高校生・受験生が使用しています。難しい問題も多く、難関大対策として鎌田の理論化学の講義と併用するのにはもってこいの問題集です。


鎌田の理論化学の講義の代替案

鎌田の理論化学の講義が自分に合わないため同じような参考書は他にないか、という質問はよく受けます。そういう時に毎回オススメするのは「橋爪のゼロから劇的!にわかる 理論化学の授業」と「総合的研究」です。

「橋爪のゼロから劇的!にわかる〜」は化学初心者にオススメのシリーズです。補助線や細かな説明・アドバイスが多く、あまり化学が得意でない人でもすんなりと理解できるでしょう。「橋爪のゼロから劇的!にわかる 理論化学の授業」の他に「橋爪のゼロから劇的!にわかる 無機・有機化学の授業」もあります。

総合的研究は図やポイントのまとめが豊富なため非常に見やすく使いやすいです。また、内容も大学入試対策として必要なことに絞って書かれているため(良く比較される化学の新研究と比べて)オーバーワークになりにくいでしょう。

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高校化学・化学基礎の計算問題が苦手な人に向けた計算ドリルを発売しました。豊富な問題数で、入試頻出の計算問題の解き方を身につけることができます。

著者情報

元講師、薬剤師、イラストレーター
数百名の中高生向け指導経験あり(過去生徒合格実績:東工大・東北大・筑波大・千葉大・岡山大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)。
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆
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