アルカリ金属(1族)の単体・化合物の性質や製法まとめ!

はじめに

アルカリ金属について入試で聞かれることは非常に多い。このページではアルカリ金属の単体の性質、水酸化物・酸化物・塩の性質や製法などを1から順に解説していく。ぜひこの機会にアルカリ金属に関する知識を総ざらいしておこう!


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アルカリ金属とは

Point!

アルカリ金属とは、水素H以外の1族元素の総称である。

アルカリ金属の単体

①イオン化エネルギーが小さく、1価の陽イオンになりやすい
②電子を放出しやすく、還元剤として働く
③水と反応し、H2を発生して水酸化物になる
④酸素と反応し、酸化物になる
⑤炎色反応を示す
⑥融点が低く、密度が小さい
Point!

アルカリ金属の単体の重要ポイントは上の6コ。順番に確認していこう。

①イオン化エネルギーが小さく、1価の陽イオンになりやすい

アルカリ金属の単体は価電子が1コのためイオン化エネルギーが非常に小さく、電子を離して陽イオンになりやすい。

イオン化エネルギーについて詳しくは第一イオン化エネルギーとは?周期表での最大最小、グラフ、電子親和力との違い!を確認しよう。

②電子を放出しやすく、還元剤として働く

アルカリ金属は電子を離しやすいため、還元剤として働く。

酸化剤・還元剤について詳しいことは酸化剤・還元剤とは?それぞれの定義から違い、例、一覧など大公開!を確認しよう。

③水と反応してH2を発生し、水酸化物になる

アルカリ金属は、水H2Oと反応してH2を発生し、水酸化物になる。

\[
2Na + 2H_{2}O → 2NaOH + H_{2}
\]

この性質故に、アルカリ金属は水中ではなく石油中に保存する。

また、反応式の係数の付け方については高校化学「化学反応式の作り方・計算問題」完全マスター講座!!を確認しよう。

④酸素と反応し、酸化物になる

アルカリ金属は酸素と反応し酸化物になる。

\[
4Na + O_{2} → 2Na_{2}O
\]

酸化物について詳しいことは酸性酸化物・塩基性酸化物・両性酸化物の違いを徹底解説!〜定義からそれぞれの酸・塩基との反応まで〜を確認しよう。

⑤炎色反応を示す

元素名 イオン式
リチウム Li 赤色
ナトリウム Na 黄色
カリウム K 紫色
ルビジウム Rb 赤色
セシウム Cs (淡)紫色

アルカリ金属は炎色反応を示す。炎色反応について詳しくは【炎色反応】色一覧や仕組み、具体例、操作などを解説!を確認しよう。

⑥融点が低く、密度が小さい

アルカリ金属の中でもリチウムLi・ナトリウムNa・カリウムKは、融点が低く密度が小さいため水に浮くという性質を持っている。

アルカリ金属の水酸化物(水酸化ナトリウム)

①1価の強塩基として働く
②潮解性をもつ
③製法:陽イオン交換膜法
Point!

アルカリ金属の水酸化物では水酸化ナトリウムNaOHがダントツ頻出。水酸化ナトリウムの重要ポイントは3つ。

①1価の強塩基として働く

水酸化ナトリウムを含め、アルカリ金属の水酸化物は基本的に一価の強塩基である。従って酸性酸化物・塩基性酸化物・両性酸化物の違いを徹底解説!〜定義からそれぞれの酸・塩基との反応まで〜でやったように空気中のCO2と次のような反応を起こす。

\[
2NaOH + CO_{2} → Na_{2}CO_{3} + H_{2}O
\]

②潮解性をもつ

水酸化ナトリウムは潮解性(空気中の水分を吸収する性質)をもっている。

この性質故に水酸化ナトリウムは塩基性の乾燥剤「ソーダ石灰」の成分として用いられる。乾燥剤について詳しくは【乾燥剤】酸性・中性・塩基性の乾燥剤一覧や分類・仕組みを解説!を確認しよう。

③製法:陽イオン交換膜法

水酸化ナトリウムは「陽イオン交換膜法」という方法で作ることができる。

陽イオン交換膜法に関して詳しくは水酸化ナトリウムの製法「陽イオン交換膜法」の仕組みや反応式を完全網羅!!を確認しよう。

アルカリ金属の酸化物(酸化ナトリウム)

水・酸と反応する
Point!

アルカリ金属の酸化物はいずれも「塩基性酸化物」なので、酸性酸化物・塩基性酸化物・両性酸化物の違いを徹底解説!〜定義からそれぞれの酸・塩基との反応まで〜でやったように「水」又は「酸」と反応する場合がある。

水との反応

塩基性酸化物である酸化ナトリウムは水と以下のような反応を起こす。

\[
Na_{2}O + H_{2}O → 2NaOH
\]

この反応に関して詳細は酸性酸化物・塩基性酸化物・両性酸化物の違いを徹底解説!〜定義からそれぞれの酸・塩基との反応まで〜を確認しよう。

酸との反応

塩基性酸化物である酸化ナトリウムは酸と以下のような反応を起こす。

\[
Na_{2}O + 2HCl → H_{2}O + 2NaCl
\]

この反応に関して詳細は酸性酸化物・塩基性酸化物・両性酸化物の違いを徹底解説!〜定義からそれぞれの酸・塩基との反応まで〜を確認しよう。

アルカリ金属の塩(塩化ナトリウム)

塩化ナトリウムについては、揮発酸遊離反応の一種である「濃硫酸との反応」を押さえておこう。

塩化ナトリウムNaClに濃硫酸を加えて加熱すると、(揮発性の気体である)HClが発生する。

\[
NaCl + H_{2}SO_{4} → NaHSO_{4} +HCl
\]

これはHClの有名な発生方法なので、もしまだ知らなかったら気体の製法(反応式・原理・注意事項など)を確認しておこう。

また揮発性酸遊離反応について詳しいことは揮発性酸遊離反応とは?原理や疑問点を具体例を使って解説!を確認しよう。

アルカリ金属の塩(炭酸水素ナトリウム)

①1価の還元剤として働く
②熱分解して炭酸ナトリウムと二酸化炭素と水になる
③弱酸遊離反応に関わる
Point!

炭酸水素ナトリウムで重要なポイントは上の3つ。

①一価の還元剤として働く

炭酸水素ナトリウムは一価の還元剤として働く。

酸化剤・還元剤について詳しいことは酸化剤・還元剤とは?それぞれの定義から違い、例、一覧など大公開!を確認しよう。

②熱分解して炭酸ナトリウムと二酸化炭素と水になる

炭酸水素ナトリウムは、熱分解して炭酸ナトリウム二酸化炭素になる。

\[
2NaHCO_{3} → Na_{2}CO_{3} + CO_{2} + H_{2}O
\]

熱分解反応について詳しくは【熱分解反応】入試頻出3パターンの反応式の作り方などを解説を参照。

③弱酸遊離反応に関わる

炭酸水素ナトリウムは「弱酸を含む塩」なので弱酸遊離反応に関わる。
例えば、次の反応式を見てみよう。

\[
NaHCO_{3} + HCl → NaCl + H_{2}CO_{3}
\]

弱酸を含む塩であるNaHCO3が強酸であるHClと反応することで、弱酸H2CO3が遊離している。(H2CO3はこの後すぐに分解しH2OとCO2になる)
弱酸遊離反応について、あまり理解できていないなと感じたら【原理】弱酸・弱塩基遊離反応の仕組みや公式、反応式の作り方を解説!を確認しよう。

アルカリ金属の塩(炭酸ナトリウム)

①2価の弱塩基として働く
②風解を起こす
③ガラスの原料になる
④製法:アンモニアソーダ法
Point!

炭酸ナトリウムNa2CO3の重要ポイントは上の3つ。

①2価の弱塩基として働く

炭酸ナトリウムは、2価弱塩基として働く。
2価であるが故に、定期テストや入試で「二段滴定」の問題として出題されることが非常に多い。
もしまだ二段滴定についてあまり知らない!という人がいたら「二段滴定を攻略!原理から例題を使った計算問題の解き方まで徹底解説!」のページでしっかり確認しておいてほしい。

②風解を起こす

炭酸ナトリウムの水和物である「炭酸ナトリウム十水和物」Na2CO3・10H2Oは空気中に放置すると、結晶中の水和物がとれて粉末状になる。

\[
Na_{2}CO_{3}・10H_{2}O → Na_{2}CO_{3}・H_{2}O
\]

この現象を「風解」という。水酸化ナトリウムの「潮解」と区別して覚えておこう。

③ガラスの原料になる

炭酸ナトリウムは、炭酸ナトリウムや石英、石灰石とともに”ガラスの原料”として用いられている。
①・②ほど重要な性質ではないが、頭の片隅においておこう。

④製法:アンモニアソーダ法

炭酸ナトリウムは「アンモニアソーダ法」という製法で作られる。

アンモニアソーダ法は入試での出題頻度が極めて高く、必ず押さえておく必要がある。【アンモニアソーダ法】仕組みや覚え方について反応式や図を用いて徹底解説。のページで、その仕組みや反応式の書き方などを確認しておこう。

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