【プロ講師解説】このページでは『電子式(書き方・ルール・共有結合や構造式との関わり・一覧表など)』について解説しています。解説は高校化学・化学基礎を扱うウェブメディア『化学のグルメ』を通じて6年間大学受験に携わるプロの化学講師が執筆します。

電子式とは

電子式とは、最外殻電子をマルポチ(・)で表した式である。

元素名(記号) 原子番号 最外殻電子数 電子式
炭素(C)
窒素(N)
酸素(O)
フッ素(F)

電子式を書くときのルール

電子式を書く際には、守らなくてはいけない2つのルールがある。

STEP1 1つの辺に電子は2コまで
STEP2 まず全ての辺に1コ入れてから2コ目を入れる
Point!

ルール1

1つの辺に電子は2つまで

電子式を書くときは、アルファベット(元素記号)は1つの四角形であり、上下左右に”4つの辺”があると考える。

このとき、1つの辺に入れる電子は「2つまで」でなければならない。

ルール2

まずすべての辺に1コずつ入れてから2コ目を入れる

ルール1の通り1つの辺には2つまで電子を入れることができるが、2つ目を入れるときは「すべての辺に既に1コずつ電子が入った状態」でなければならない。

不対電子・電子対

電子式に書かれている電子のうち、2つの電子がペアになっているものを電子対、1つで存在しているものを不対電子という。

分子の電子式

原子だけではなく、原子同士が共有結合してできた“分子”についても電子式で表すことができる。

分子の電子式に含まれる電子対のうち、2つの原子が不対電子を1コずつ出し合うことで形成される電子対を共有電子対、1つの原子がもつ電子のみで形成される電子対を非共有電子対という。
また、基本的に原子は不対電子の数だけ結合の手をもつことになり、この結合の手の数を原子価という。

※原子価について詳しくは原子価(一覧・価標・不対電子との関係など)を参照

電子式一覧

最後に、原子番号1〜18(第1周期〜第3周期)の原子の電子式を一覧表にまとめておこう。

元素名(記号) 原子番号 最外殻電子数 電子式
水素(H)
ヘリウム(He)
リチウム(Li)
ベリリウム(Be)
ホウ素(B)
炭素(C)
窒素(N)
酸素(O)
フッ素(F)
ネオン(Ne) 10
ナトリウム(Na) 11
マグネシウム(Mg) 12
アルミニウム(Al) 13
ケイ素(Si) 14
リン(P) 15
硫黄(S) 16
塩素(Cl) 17
アルゴン(Ar) 18

電子式に関する演習問題

問1

【】に当てはまる用語を答えよ。

下図のように最外殻電子をマルポチ(・)で表した式を【1】という。

【問1】解答/解説:タップで表示
解答:【1】電子式

電子式とは、最外殻電子をマルポチ(・)で表した式である。

問2

【】に当てはまる用語を答えよ。

電子式に書かれている電子のうち、2つの電子がペアになっているものを【1】、1つで存在しているものを【2】という。

【問2】解答/解説:タップで表示
解答:【1】電子対【2】不対電子

電子式に書かれている電子のうち、2つの電子がペアになっているものを電子対、1つで存在しているものを不対電子という。


問3

【】に当てはまる用語を答えよ。

原子だけではなく、原子同士が共有結合してできた”分子”についても電子式で表すことができる。
分子の電子式に含まれる電子対のうち、2つの原子が電子を1コずつ出し合うことで形成される電子対を【1】、1つの原子がもつ電子のみで形成される電子対を【2】という。

【問3】解答/解説:タップで表示
解答:【1】共有電子対【2】非共有電子対

原子だけではなく、原子同士が共有結合してできた“分子”についても電子式で表すことができる。

分子の電子式に含まれる電子対のうち、2つの原子が不対電子を1コずつ出し合うことで形成される電子対を共有電子対、1つの原子がもつ電子のみで形成される電子対を非共有電子対という。
また、基本的に原子は不対電子の数だけ結合の手をもつことになり、この結合の手の数を原子価という。

※原子価について詳しくは原子価(一覧・価標・不対電子との関係など)を参照

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著者プロフィール

・化学のグルメ運営代表
・高校化学講師
・薬剤師
・デザイナー/イラストレーター

数百名の個別指導経験あり(過去生徒合格実績:東京大・京都大・東工大・東北大・筑波大・千葉大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆

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