KIMIKA!|基礎から学ぶ高校化学

中和と塩

約 7 分
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中和とは

中和とは、「酸と塩基がお互いに打ち消し合う反応」のことだ。

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中和反応では、ほぼ必ず「」と「」が生じる。
上の例では、酸であるHClから出たH+と塩基であるNaOHから出たOHが合わさってH2Oが、酸と塩基のあまった部分(ClとNa)同士がくっついて塩NaClができているね。

中和反応を考える上で、1つ注意すべき重要なポイントがある。

酸と塩基が中和して打ち消さるともちろん「中性」になるが、そのときの溶液のpHが「7になるとは限らない」んだ。

強酸+強塩基のとき・・・中和点=pH7
強酸+弱塩基のとき・・・中和点<pH7
弱酸+強塩基のとき・・・中和点>pH7
弱酸+弱塩基のとき・・・中和点ははっきりしない

酸性が強いほどpHは1に近づいて塩基性が強いほどpHは14に近づくってことを分かっていれば覚えやすいね。
「強い」酸と「弱い」塩基のときは「強い」方が勝つので中和点は酸性に、「弱い」酸と「強い」塩基のときは「強い」方が勝つので中和点は塩基性にかたよる。

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注意中和点のpHが必ずしも7とは限らない理由
ここは応用なので、読みたくなかったら飛ばしてしまってかまわない。

中和点が7にならない本質的な理由について説明していく。

次の反応式を見てほしい。

CH3COOH + NaOH → CH3COONa + H2O

この反応では弱酸である酢酸(CH3COOH)と強塩基である水酸化ナトリウム(NaOH)が反応して、塩であるCH3COONaと、水が生じている。

この反応で生じる塩CH3COONaは、一部が電離して水と反応してしまうんだ。

CH3COO + Na+ + H2O → CH3COOH + NaOH

せっかくCH3COOHが電離してCH3COOになったのに、結果的に「わずかに逆反応を起こしてしまっている」ということだね。

最終的に、弱酸であるCH3COOHは電離度がきわめて低く(一般に弱酸は電離度が低い)、強塩基であるNaOHは高い(ほぼ1)ので、NaOHがCH3COOHに比べて多く電離し、OHの方が(Hより)水溶液中に多く存在することになる。

結果として塩基性が高まるので、弱酸+弱塩基の反応では中和点でpHが塩基性にかたよるわけだ。

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塩について

上で登場した「塩」についてもっと詳しくみていこう。

塩の種類

まず始めに、塩には3種類あるということをおさえてもらいたい。

正塩は、余分なH+やOHが残ってない塩のことだ。
例を挙げると、NaCl、CaCl2、CH3COONaなど。

酸性塩は、酸由来のH+が残ってる塩のことだ。
例を挙げると、NaHCO3(NaとCの間のH)、NaHSO4(NaとSの間のH)などだ。

塩基性塩は、塩基由来のOHが残ってる塩のことだ。
例を挙げると、CuCl(OH)とかだ。

塩の液性

液性とは、そのまんま「液の性質」のことだ。ここでは、塩を水に溶かしたときの液性に絞って説明していこう。

液性には「中性」、「酸性」、「塩基性」があり、次のように決まっている。

強酸+強塩基の反応からできた塩の液性は「中性」、強酸+弱塩基の反応からできた塩の液性は「酸性」、弱酸+強塩基の反応からできた塩の液性は「塩基性」となるんだ。

つまり、塩の液性は元の酸や塩基の強弱によって決まるってことだね。

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塩から「由来の酸・塩基」を割り出す

今説明したように、塩を作っている酸や塩基によってその水溶液の液性は決まってくる。

定期テストや入試の問題では「塩」を見てパッとその液性を答えることができる必要があり、そのためには塩が「どんな酸」と「どんな塩基」からできているのか瞬時に判断する必要がある。

そこで、これから塩の化学式から「由来の酸・塩基」を割り出す方法について解説していこうと思う。

NaCl、NaHCO3、CaCl(OH)を例として使っていこう。

NaCl

【STEP1】

「塩を陽イオンと陰イオンに分ける」

まずは、塩であるNaClを陽イオンと陰イオンに分ける。Na+とClに分かれるね。

【STEP2】

「それらのイオンが含まれている酸・塩基を表から探す」

次に、STEP1で分けたイオンが含まれる酸又は塩基を「酸・塩基一覧表」から見つけ出そう。

ClはHCl、NaはNaOHに含まれているね。よって、NaClは強酸と強塩基からできているので、水溶液にしたときの液性は「中性」だと分かる。

NaHCO3

【STEP1】

「塩を陽イオンと陰イオンに分ける」

まずは、塩であるNaHCO3を陽イオンと陰イオンに分ける。Na+とHCO3に分かれるね。

【STEP2】

「それらのイオンが含まれている酸・塩基を表から探す」

次に、STEP1で分けたイオンが含まれる酸又は塩基を「酸・塩基一覧表」から見つけ出そう。

HCO3はH2CO3、NaはNaOHに含まれているね。よって、NaHCO3は弱酸と強塩基からできているので、水溶液にしたときの液性は「塩基性」だと分かる。

CuCl(OH)

【STEP1】

「塩を陽イオンと陰イオンに分ける」

まずは、塩であるNaHCO3を陽イオンと陰イオンに分ける。Cu(OH)とClに分かれるね。
Cu(OH)というのは実際、Cu2+とOHに電離している。しかし、Cu(OH)としていた方がSTEP2で都合がいいので今回はこれでいく。

【STEP2】

「それらのイオンが含まれている酸・塩基を表から探す」

次に、STEP1で分けたイオンが含まれる酸又は塩基を「酸・塩基一覧表」から見つけ出そう。

ClはHCl、Cu(OH)はCu(OH)2に含まれているね。よって、CuCl(OH)は強酸と弱塩基からできているので、水溶液にしたときの液性は「酸性」だと分かる。

ここまでやって分かったと思うが、「酸性塩の液性が酸性、塩基性の液性が塩基性というわけではない」
NaHCO3はHが残っているから酸性塩だけど、液性は上の通り塩基性だし、CuCl(OH)はOHが残っているから塩基性塩だけど、液性は酸性だ。
塩が「酸性塩か塩基性塩か」というのと「塩が水溶液になった時の液性」は全く別ものということに注意しよう。

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弱酸遊離反応・弱塩基遊離反応

酸・塩基と塩が関係した特殊な反応が存在する。
この反応について詳しいことは弱酸・弱塩基遊離反応を見てみよう。

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