はじめに

共有結合結晶は授業で時間をかけて扱われることは少なく、知識が曖昧になってしまっている高校生が非常に多い。このページではその共有結合結晶の構造や性質について、ダイヤモンドや黒鉛・ケイ素・二酸化ケイ素などを例に1つ1つ丁寧に解説していく。ぜひこの機会に共有結合結晶をマスターして、周りの受験生と差をつけよう!


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共有結合結晶とは

炭素Cやケイ素Siは原子価が4(=最大)のため、多数の原子が共有結合だけで結びついて大きな結晶を作ることができる。このように、多数の原子が共有結合によって繋がってできた結晶を共有結合結晶という。この結晶は1つの“巨大分子”とみなすことができる。

共有結合結晶の代表例としてはダイヤモンドC・黒鉛C・ケイ素Si・二酸化ケイ素SiO2などがあり、これらの物質は構成元素の種類と割合を最も簡単な整数比で表した“組成式”で表される。


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ダイヤモンド・黒鉛

ダイヤモンドと黒鉛は、どちらも炭素Cの同素体で、共有結合結晶を形成するが、両者の性質は大きく異なる。順番に見ていこう。

ダイヤモンド

ダイヤモンドCは、炭素C原子がもつ4コの価電子が隣り合うC原子の価電子と共有結合して、正四面体の構造が繰り返された立体網目状構造をしている。

従って、ダイヤモンドは極めて硬く、融点も非常に高い。また、(伝導に必要な価電子が全て共有結合を作るために使われているので)電気伝導性も低く、(光を遮る価電子がなく可視光は全て通過するため)色は無色透明である。

ちなみに、ダイヤモンドの共有結合結晶の単位格子は次のようになる。

単位格子の頂点を占めるC原子(1/8)を赤、面上のC原子(1/2)を青、格子内部の丸々一個のC原子を緑で表している。
すると、単位格子に含まれるC原子の数は…

\[
\mathtt{ \frac{ 1 }{ 8 }×8+\frac{ 1 }{ 2 }×6+1×4=8(コ)}
\]

8(コ)となる。

さらに、ダイヤモンドの単位格子の配位数は…

C原子は周りの4コのC原子と接している。従って、ダイヤモンドの単位格子における配位数はとなる。


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黒鉛

黒鉛Cは、炭素原子がもつ4コの価電子のうち3コのみを使って隣り合う炭素原子の価電子と共有結合し、正六角形の構造が繰り返された平面層状構造を作っている。また、この平面層状構造同士が分子間力によって緩く結合している。

従って、黒鉛は比較的柔らかく、また層の部分から薄く剥がれやすい。また、(伝導に必要な価電子が1つ残っているので)電気伝導性があり、(光を遮る価電子が1つ残っているので可視光は一部しか透過せず)色は黒色である。


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ケイ素・二酸化ケイ素

ケイ素

ケイ素Siも炭素同様14族元素なので、4コの価電子を持っている。従って、ダイヤモンドのように正四面体構造が繰り返された共有結合結晶を形成する。

Si-Si結合は、ダイヤモンドのC-C結合に比べて弱く切れやすいのでやや電気を通す。(=半導体↔︎ダイヤモンドは絶縁体)
従って、純度の高いケイ素はパソコン関係の部品や太陽光発電のパネルなどに用いられる。

二酸化ケイ素

二酸化ケイ素SiO2の共有結合結晶は、ケイ素Siの共有結合結晶に酸素O原子を組み込んだ構造になっている。

Si原子の正四面体構造のなかに、SiO4の正四面体構造が収まっているようなイメージだね。

二酸化ケイ素SiO2は、ダイヤモンド同様、硬くて融点が高く、電気も通さない。天然に水晶や石英として存在し、その多くは光ファイバーや時計の部品などとして利用される。


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関連:他の結晶も併せて押さえよう。

この世には共有結合結晶以外にも数多くの結晶が存在する。いずれも入試頻出なので、各結晶の特徴や違いなどをきちんと押さえておこう。

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