【プロ講師解説】このページでは『ニトロセルロースとアセチルセルロース(合成法/作り方や構造、用途など)』について解説しています。解説は高校化学・化学基礎を扱うウェブメディア『化学のグルメ』を通じて6年間大学受験に携わるプロの化学講師が執筆します。

ニトロセルロース

ニトロセルロースの作り方/構造

セルロースと混酸(濃硝酸+濃硫酸)を反応させると、セルロースのもつヒドロキシ基(-OH)の一部または全部が-O-NO2に変化して(ニトロ化され)、ニトロセルロース(硝酸セルロース)と呼ばれる硝酸エステルができます。

\[
[C_{6}H_{7}O_{2}(OH)_{3}]_{n}+3nHNO_{3} \\
→[C_{6}H_{7}O_{2}(ONO_{2})_{3}]_{n}+3nH_{2}O
\]

ニトロセルロースのうち、-OH3つが-O-NO2に変化したものをトリニトロセルロース、-OH2つが-O-NO2に変化したものをジニトロセルロースといいます。

ニトロセルロースの用途

  • トリニトロセルロース
    →綿火薬の原料
  • ジニトロセルロース
    →セルロイド、コロジオン膜(半透膜の一種)の原料

ニトロセルロースのうち、ジニトロセルロースは綿火薬の原料として、トリニトロセルロースはセルロイドや半透膜の一種であるコロジオン膜の原料として用いられます。

アセチルセルロース

アセチルセルロースの作り方/構造

セルロースを無水酢酸と少量の濃硫酸などと反応させると、-OHが-OCOCH3に変化して(アセチル化され)、トリアセチルセルロースができます。

\[
[C_{6}H_{7}O_{2}(OH)_{3}]_{n}+3n(CH_{3}CO)_{2}O \\
→[C_{6}H_{7}O_{2}(OCOCH_{3})_{3}]_{n}+3nCH_{3}COOH
\]

次に、トリアセチルセルロースを一部だけ加水分解すると、ジアセチルセルロースができます。

\[
[C_{6}H_{7}O_{2}(OCOCH_{3})_{3}]_{n}+nH_{2}O \\
→[C_{6}H_{7}O_{2}(OH)(OCOCH_{3})_{2}]_{n}+nCH_{3}COOH
\]

アセチルセルロースの用途

  • トリアセチルセルロース
    →写真のフィルム
  • ジアセチルセルロース
    →アセテート繊維

アセチルセルロースのうち、トリアセチルセルロースは写真のフィルムとして、ジアセチルセルロースはアセテート繊維として用いられます。

演習問題

問1

【】に当てはまる語を答えなさい。

セルロースと【1】(濃硝酸+濃硫酸)を反応させると、セルロースのもつヒドロキシ基の一部または全部が【2】化され、【3】と呼ばれる硝酸エステルができる。ニトロセルロースのうち、-OH3つが-O-NO2に変化したものを【4】、-OH2つが-O-NO2に変化したものを【5】という。

【問1】解答/解説:タップで表示
解答:【1】混酸【2】ニトロ【3】ニトロセルロース(硝酸セルロース)【4】トリニトロセルロース【5】ジニトロセルロース

セルロースと混酸(濃硝酸+濃硫酸)を反応させると、セルロースのもつヒドロキシ基(-OH)の一部または全部が-O-NO2に変化して(ニトロ化され)、ニトロセルロース(硝酸セルロース)と呼ばれる硝酸エステルができる。

\[
[C_{6}H_{7}O_{2}(OH)_{3}]_{n}+3nHNO_{3} \\
→[C_{6}H_{7}O_{2}(ONO_{2})_{3}]_{n}+3nH_{2}O
\]

ニトロセルロースのうち、-OH3つが-O-NO2に変化したものをトリニトロセルロース、-OH2つが-O-NO2に変化したものをジニトロセルロースという。

問2

【】に当てはまる語を答えなさい。

セルロースと【1】(濃硝酸+濃硫酸)を反応させると、セルロースのもつヒドロキシ基の一部または全部が【2】化され、【3】と呼ばれる硝酸エステルができる。ニトロセルロースのうち、-OH3つが-O-NO2に変化したものを【4】、-OH2つが-O-NO2に変化したものを【5】という。

【問2】解答/解説:タップで表示
解答:【1】混酸【2】ニトロ【3】ニトロセルロース(硝酸セルロース)【4】トリニトロセルロース【5】ジニトロセルロース

セルロースと混酸(濃硝酸+濃硫酸)を反応させると、セルロースのもつヒドロキシ基(-OH)の一部または全部が-O-NO2に変化して(ニトロ化され)、ニトロセルロース(硝酸セルロース)と呼ばれる硝酸エステルができる。

\[
[C_{6}H_{7}O_{2}(OH)_{3}]_{n}+3nHNO_{3} \\
→[C_{6}H_{7}O_{2}(ONO_{2})_{3}]_{n}+3nH_{2}O
\]

ニトロセルロースのうち、-OH3つが-O-NO2に変化したものをトリニトロセルロース、-OH2つが-O-NO2に変化したものをジニトロセルロースという。

問3

【】に当てはまる語を答えなさい。

セルロースを無水酢酸と少量の濃硫酸などと反応させるとヒドロキシ基が【1】化され【2】ができる。さらに、【2】を一部だけ加水分解すると【3】ができる。

【問3】解答/解説:タップで表示
解答:【1】アセチル【2】トリアセチルセルロース【3】ジアセチルセルロース

セルロースを無水酢酸と少量の濃硫酸などと反応させると、-OHが-OCOCH3に変化して(アセチル化され)、トリアセチルセルロースができる。

\[
[C_{6}H_{7}O_{2}(OH)_{3}]_{n}+3n(CH_{3}CO)_{2}O \\
→[C_{6}H_{7}O_{2}(OCOCH_{3})_{3}]_{n}+3nCH_{3}COOH
\]

次に、トリアセチルセルロースを一部だけ加水分解すると、ジアセチルセルロースができる。

\[
[C_{6}H_{7}O_{2}(OCOCH_{3})_{3}]_{n}+nH_{2}O \\
→[C_{6}H_{7}O_{2}(OH)(OCOCH_{3})_{2}]_{n}+nCH_{3}COOH
\]

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著者プロフィール

・化学のグルメ運営代表
・高校化学講師
・薬剤師
・デザイナー/イラストレーター

数百名の個別指導経験あり(過去生徒合格実績:東京大・京都大・東工大・東北大・筑波大・千葉大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆

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