【プロ講師解説】このページでは『熱分解反応(熱分解反応の定義、熱分解頻出3パターンの反応式の作り方など)』について解説しています。解説は高校化学・化学基礎を扱うウェブメディア『化学のグルメ』を通じて6年間大学受験に携わるプロの化学講師が執筆します。


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熱分解反応とは

ある種の炭酸塩、炭酸水素塩、水酸化物は加熱すると二酸化炭素CO2や水H2Oを発生しながら分解する。加熱によってCO2やH2Oが外へ逃げる結果反応が進行するため、これらの反応は熱分解反応と呼ばれている。

熱分解反応のパターン

高校化学で出てくる熱分解反応は主に3パターン。

パターン1

炭酸塩 → CO2 + 酸化物

パターン2

炭酸水素塩 → H2O + CO2 + 炭酸塩

パターン3

水酸化物 → H2O + 酸化物
Point!

1つ目は炭酸塩がCO2と酸化物になるパターン、2つ目は炭酸水素塩がH2OとCO2と炭酸塩になるパターン、3つ目は水酸化物がH2Oと酸化物になるパターンである。

それぞれについて順番に解説していこう。

パターン①炭酸塩の熱分解

炭酸塩は加熱するとCO2と酸化物になる。

具体例として「炭酸カルシウムの熱分解反応」を見てみよう。

\[
CaCO_{3} → CaO + CO_{2}
\]

炭酸塩の1種である炭酸カルシウムがCO2と酸化物である酸化カルシウムCaOになっているね。

ではこれから、パターン1の反応の反応式の作り方を確認していこう。

反応式の作り方

STEP1 炭酸塩の化学式を確認する
STEP2 炭酸塩を熱分解するとCO2と酸化物になることを考慮して右辺にそれらを書く
STEP3 各物質の係数を調節する
Point!

熱分解パターン1の反応式は、上の3STEPで作っていく。
ここでは、上で使用したCaCO3を例に説明していこう。

STEP1

炭酸塩の化学式を確認する

まずは、炭酸塩の化学式を確認しよう。

\[
CaCO_{3}
\]

STEP2

炭酸塩を熱分解するとCO2と酸化物になることを考慮して右辺にそれらを書く

次に、炭酸塩を熱分解するとCO2と酸化物になることを考慮して右辺にそれらを書く。

\[
CaCO_{3} → CaO + CO_{2}
\]

この例では左右の各原子の数が揃っているのでこれで完成。

パターン②炭酸水素塩の熱分解

炭酸水素塩は加熱するとH2O + CO2 + 炭酸塩になる。

具体例として「炭酸水素ナトリウムの熱分解反応」を見てみよう。

\[
2NaHCO_{3} → H_{2}O + CO_{2} + Na_{2}CO_{3}
\]

炭酸水素塩の1つである炭酸水素ナトリウムNaHCO3がH2OとCO2、炭酸塩である炭酸ナトリウムNa2CO3になっているね。

ではこれから、パターン2の反応の反応式の作り方を確認していこう。

反応式の作り方

STEP1 炭酸水素塩の化学式を確認する
STEP2 炭酸水素塩を熱分解するとH2O+CO2+炭酸塩になることを考慮して右辺にそれらを書く
STEP3 各物質の係数を調節する
Point!

熱分解パターン2の反応式は、上の3STEPで作っていく。ここでは上で使用したNaHCO3を例に説明していこう。

STEP1

炭酸水素塩の化学式を確認する

まずは、炭酸塩の化学式を確認しよう。

\[
NaHCO_{3}
\]

STEP2

炭酸水素塩を熱分解するとH2O+CO2+炭酸塩になることを考慮して右辺にそれらを書く

次に、炭酸水素塩を熱分解するとH2O+CO2+炭酸塩になることを考慮して右辺にそれらを書く。

\[
NaHCO_{3} → H_{2}O + CO_{2} + Na_{2}CO_{3}
\]

STEP3

各物質の係数を合わせる

最後に、左右の各原子の数を揃えるために各物質の係数を調節する。

\[
2NaHCO_{3} → H_{2}O + CO_{2} + Na_{2}CO_{3}
\]

今回はNaHCO3の係数を2にすればOK。

パターン③水酸化物の熱分解

水酸化物を加熱するとH2Oと酸化物になる。

具体例として「水酸化アルミニウムの熱分解反応」を見てみよう。

\[
2Al(OH)_{3} → 3H_{2}O + Al_{2}O_{3}
\]

水酸化物の1つである水酸化アルミニウムが、水H2Oと酸化物である酸化アルミニウムAl2O3になっているね。

ではこれから、パターン3の反応の反応式の作り方を確認していこう。

反応式の作り方

STEP1 水酸化物の化学式を確認する
STEP2 水酸化物を熱分解するとH2Oと酸化物になることを考慮して右辺にそれらを書く
STEP3 各物質の係数を調節する
Point!

熱分解パターン3の反応式は、上の3STEPで作っていく。
ここでは上で使用したAl(OH)3を例に説明していこう。

STEP1

水酸化物の化学式を確認する

まずは、水酸化物の化学式を確認しよう。

\[
Al(OH)_{3}
\]

STEP2

水酸化物を熱分解するとH2Oと酸化物になることを考慮して右辺にそれらを書く

次に、水酸化物を熱分解するとH2Oと酸化物になることを考慮して右辺にそれらを書く。

\[
Al(OH)_{3} → H_{2}O + Al_{2}O_{3}
\]

STEP3

各物質の係数を調節する

最後に、左右の各原子の数を揃えるために各物質の係数を調節する。

\[
2Al(OH)_{3} → 3H_{2}O + Al_{2}O_{3}
\]

今回はAl(OH)3の係数を2、H2Oの係数を3にすればOK。

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