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ビスコースレーヨンと銅アンモニアレーヨン(合成法/作り方・原理・構造式・具体的な用途など)
目次
はじめに
【プロ講師解説】このページでは『ビスコースレーヨンと銅アンモニアレーヨン(合成法/作り方・原理・構造式・具体的な用途など)』について解説しています。
レーヨンとは
- 主に木材などから不純物のリグニンなどを取り除いて得られるセルロース(“パルプ”とよばれる)は、繊維としては非常に短く、そのまま衣料に用いることは困難である。
- したがって、このセルロースに化学的な処理を施して一度溶かしたのち、再び(欲しい長さの)セルロースに戻して使われることが多い。
- このように、人の手によって新たにつくられるセルロースを「レーヨン(再生繊維)」という。
ビスコースレーヨン
- ビスコースレーヨンのつくり方は「セルロースを溶解する段階」と「セルロース(レーヨン)を再生する段階」に分けることができる。
- まずは、「セルロースを溶解する段階」から確認する。
セルロースの溶解
- セルロースの溶解は次の手順で行う。
●STEP1
セルロースを濃水酸化ナトリウム水溶液と反応させる
●STEP2
二硫化炭素を加えて反応させる
●STEP3
希水酸化ナトリウム水溶液に溶かす
STEP
セルロースを濃水酸化ナトリウム水溶液と反応させる
セルロースのヒドロキシ基(-OH)は酸として振舞うことができるため、濃NaOHにより中和される。
このとき生成する物質はアルカリセルロースという。
STEP
二硫化炭素を加えて反応させる
アルカリセルロースの-ONaが二硫化炭素(S=C=S)に付加する。
このとき生成する物質はセルロースキサントゲン酸ナトリウムという。
STEP
希水酸化ナトリウム水溶液に溶かす
セルロースキサントゲン酸ナトリウムを希NaOHaqに溶解すると、赤褐色透明で粘性の強いコロイド溶液(ビスコース)ができる。
セルロース(レーヨン)の再生
- ビスコースから希硫酸中でセルロースを繊維状に析出させると、ビスコースレーヨンができる。
ビスコースから膜状に再生したものはセロハンとよばれます。
銅アンモニアレーヨン
- 銅アンモニアレーヨンのつくり方も「セルロースを溶解する段階」と「セルロース(レーヨン)を再生する段階」に分けることができる。
- 「セルロースを溶解する段階」から確認する。
セルロースの溶解
- まず、セルロースをシュバイツァー試薬で溶かす。
- シュバイツァー試薬を使ったセルロースの溶解について詳しくは次のページを参照のこと。
参考:シュバイツァー試薬や二硫化炭素を用いてセルロースを溶かす方法
セルロース(レーヨン)の再生
- シュバイツァー試薬に溶けたセルロースを希硫酸中で析出させると、銅アンモニアレーヨンが得られる。