塩素の製法(洗気びんの順番の理由・覚え方など)

目次

はじめに

【プロ講師解説】このページでは『塩素の製法(洗気びんの順番の理由・覚え方など)』について解説しています。


塩素の製法

  • 塩素の製法の流れは次の通りである。

●STEP1
酸化マンガン(Ⅳ)MnO2の入ったフラスコをバーナーの上にセットし、水・濃硫酸の入った洗気びんを順番につなぐ。
●STEP2
濃塩酸HClを滴下する→Cl2・H2O・HClが発生
●STEP3
水の入った洗気びんでHClを取り除く。
●STEP4
濃硫酸の入った洗気びんでH2Oを取り除く。
●STEP5
下方置換法でCl2を回収する。

STEP
酸化マンガン(Ⅳ)MnO2の入ったフラスコをバーナーの上にセットし、水・濃硫酸の入った洗気びんを順番につなぐ。

まず、酸化マンガン(Ⅳ)MnO2の入ったフラスコをバーナーの上にセットし、水・濃硫酸の入った洗気びんを順番につなぐ。

STEP
濃塩酸HClを滴下する→Cl2・H2O・HClが発生

次に、濃塩酸HClを滴下する。

このときの反応式は次の通りである。

\[ \mathrm{MnO_{2}+4HCl→Cl_{2}+MnCl_{2}+2H_{2}O} \]

この反応により、塩素Cl2が発生する。
また、このとき発生する気体にはCl2の他に、揮発したHClとH2Oも含まれる。

STEP
水の入った洗気びんでHClを取り除く。

次に、水の入った洗気びんでHClを取り除く。

HClは水によく溶ける(Cl2は溶けない)ため、H2Oの入った洗気びんを通すことでHClのみが取り除かれる。

STEP
濃硫酸の入った洗気びんでH2Oを取り除く。

次に、濃硫酸の入った洗気びんでH2Oを取り除く。

濃硫酸は酸性の乾燥剤である。したがって、H2Oはここで取り除かれる。

参考:【乾燥剤】酸性・中性・塩基性の乾燥剤一覧や分類・仕組みなど

STEP
下方置換法でCl2を回収する。

Cl2は空気より重く水に溶ける気体である。
したがって、下方置換法で回収する。

参考:気体の捕集装置(上方置換法・下方置換法・水上置換法)

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著者情報

元講師、薬剤師、イラストレーター
数百名の中高生向け指導経験あり(過去生徒合格実績:東工大・東北大・筑波大・千葉大・岡山大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)。
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆
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