はじめに

不飽和度は有機化合物の異性体を考える上で必須の知識。これをきちんと理解できていないと、大学入試は勿論、定期テストの問題でさえも危うい状態に。ぜひこの機会にマスターしておこう!


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不飽和度とは

分子式から異性体を書くときは、炭素C原子数だけではなく、水素H原子数が重要な情報源となる。

例えば、飽和炭化水素が二重結合や環状構造を形成する場合、H原子2つを取り除く必要がある。

これは逆に「H原子が飽和炭化水素よりも2コ少なければ二重結合又は環状構造が1つある」と考えることもできる。

このように、H原子の不足数を元に有機化合物の構造を推定することができ、それをわかりやすい数字で表したものが不飽和度水素原子欠乏度)である。

不飽和度の公式

\[
\begin{align} &不飽和度(U)\\
&= \frac{ (H原子の最大数)-(今あるH原子数) }{ 2 }\end{align}
\]
Point!

不飽和度の公式は上の通り。不飽和度は水素H原子の最大数から今あるH原子の数を引き、それを2で割ることで求めることができる。

炭化水素の不飽和度

\[
H原子の最大数=2n+2 \]
Point!

炭化水素とはCとHのみからなる有機化合物である。鎖式飽和炭化水素(炭化水素のうちH原子の不足がなく直鎖状のもの)では、各C原子に上下2コのH原子が付いている。

また、両端のC原子にはさらに1つずつH原子が付いている。

したがって、H原子の最大数は(2n+2)コとなる。

以上を考慮すると、C4H10の不飽和度は次のようにして求めることができる。

\[
\begin{align} U&= \frac{ (H原子の最大数)-(今あるH原子数) }{ 2 }\\
&= \frac{ (2n+2)-(今あるH原子数) }{ 2 }\\
&=\frac{ (2×4+2)-10 }{ 2 }\\
&=0
\end{align}
\]

また、C4H8の不飽和度は…

\[
\begin{align} U&= \frac{ (H原子の最大数)-(今あるH原子数) }{ 2 }\\
&= \frac{ (2n+2)-(今あるH原子数) }{ 2 }\\
&=\frac{ 2×4+2-8 }{ 2 }\\
&=1
\end{align}
\]

O原子を含む場合の不飽和度

\[
H原子の最大数=2n+2 \]
Point!

酸素O原子が1つ入ってもH原子の最大数には影響しない。

例)C4H10Oの不飽和度

\[
\begin{align} U&= \frac{ (H原子の最大数)-(今あるH原子数) }{ 2 }\\
&= \frac{ (2n+2)-(今あるH原子数) }{ 2 }\\
&=\frac{ 2×4+2-10 }{ 2 }\\
&=0
\end{align}
\]

例)C4H8O2の不飽和度

\[
\begin{align} U&= \frac{ (H原子の最大数)-(今あるH原子数) }{ 2 }\\
&= \frac{ (2n+2)-(今あるH原子数) }{ 2 }\\
&=\frac{ 2×4+2-8 }{ 2 }\\
&=1
\end{align}
\]

N原子を含む場合の不飽和度

\[
H原子の最大数=2n+2+(N原子数) \]
Point!

窒素N原子が1つ入るとH原子の最大数は1コ増加する。

例)C4H9NO2の不飽和度

\[
\begin{align} U&= \frac{ (H原子の最大数)-(今あるH原子数) }{ 2 }\\
&=\frac{ (2×4+2+1)-9 }{ 2 }\\
&=1
\end{align}
\]

ハロゲンを含む場合の不飽和度

\[
H原子の最大数=2n+2-(ハロゲン原子数) \]
Point!

ハロゲンの1種である塩素Cl原子が1つ入るとH原子の最大数は1コ減少する。

例)C4H9Clの不飽和度

\[
\begin{align} U&= \frac{ (H原子の最大数)-(今あるH原子数) }{ 2 }\\
&=\frac{ (2×4+2-1)-9 }{ 2 }\\
&=0
\end{align}
\]

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