はじめに

DNA複製・タンパク質合成について化学で問われることは少ないが、難関大受験生や生物選択のひとは知っておいて損はないはず。ぜひこの機会にDNA複製・タンパク質合成の流れについて理解しておこう。


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DNA複製

STEP1 二重らせん構造を形成している2本鎖DNAが解ける
STEP2 それぞれの鎖を鋳型にし、酵素の働きと相補的塩基対を作る能力によって複製する
Point!

STEP1

二重らせん構造を形成しているDNA二本鎖がほどける

まず、二重らせん構造を形成しているDNA二本鎖がほどける。

STEP2

それぞれの鎖を鋳型にして、 酵素の働きと相補的塩基対を作る能力によって複製する

次に、それぞれの鎖を鋳型にして、 酵素(DNAポリメラーゼ)の働きと相補的塩基対を作る能力によって複製する。

タンパク質の合成

DNAからは3種類のRNAが作られる。1つはタンパク質の設計図のコピー(伝令RNA:mRNA)、2つ目はその設計図に従ってアミノ酸を運んでくる運搬RNA(tRNA)、3つ目はタンパク合成の場となるリボソームを構成し、アミノ酸の連結(タンパク合成)に関わるリボソームRNA(rRNA)である。これ以降は、これらのRNAによってタンパク質が合成される過程を見ていこう。

タンパク質の合成は「転写」と「翻訳」の二段階で行われる。

転写

転写とはDNAからRNAを合成する過程である。
この過程は上のDNA複製と同様の仕組みで、相補的な塩基対を形成することによって行われる。ただし、DNA上のアデニン(A)と対応するRNA上の塩基はウラシル(U)である。(RNAではチミン(T)の代わりにウラシル(U)が存在する)

翻訳

RNAには3種類存在する。

mRNA tRNA rRNA
合成するタンパク質の情報をDNAから写し取った一本鎖のRNA mRNAの情報に従って、指定されたアミノ酸を運んでくる1本鎖のRNA タンパク質とともにリボソームを構成する1本鎖のRNA。リボソームは細胞内のタンパク合成の場となる

転写によってDNAから作られるRNA(つまりタンパク質の設計図(DNA)のコピー)をmRNAという。その設計図に従ってアミノ酸を運んでくるRNAをtRNA、tRNAが運んできた材料(アミノ酸)を使ってタンパク質を合成するRNAをrRNAという。

mRNA、tRNA、rRNAを使ったタンパク質合成の過程を翻訳という。翻訳の流れをSTEPで見ると次のようになる。

STEP1 mRNAがリボソームに結合する
STEP2 tRNAがmRNAの塩基配列を3つずつ読み、対応したアミノ酸を運んでくる
STEP3 リボソームがmRNAの上を移動しながら、tRNAが運んできたアミノ酸をつなげ、タンパク質を合成する
Point!

STEP1

伝令RNA(mRNA)がリボソームに結合する

まず、タンパク合成の場であるリボソームにmRNAが結合する。

STEP2

運搬RNA(tRNA)がmRNAの塩基配列を3つずつ読み、対応したアミノ酸を運んでくる

RNAに含まれる塩基はアデニン(A)・グアニン(G)・シトシン(C)・ウラシル(U)の4種類。3つの塩基の組からなる配列で1つのアミノ酸を指定する(この3つの塩基の組をコドンという)ので、運搬RNA(tRNA)がmRNAの塩基配列を3つずつ読み、対応したアミノ酸を運んでくる。

STEP3

リボソームがmRNAの上を移動しながら、tRNAが運んできたアミノ酸をつなげ、タンパク質を合成する

最後に、リボソームがmRNAの上を移動しながら、tRNAが運んできたアミノ酸をつなげてタンパク質をつくっていく。

セントラルドグマ

このページで紹介したDNA複製・タンパク質合成の流れを図示すると次のようになる。

大量に複製されたDNAからRNAを合成し、RNAからタンパク質が作られる。この流れは1958年に英国の分子生物学者クリックによって提唱され、セントラルドグマと呼ばれている。

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