シュバイツァー試薬や二硫化炭素を用いてセルロースを溶かす方法

目次

はじめに

【プロ講師解説】このページでは『シュバイツァー試薬や二硫化炭素を用いてセルロースを溶かす方法』について解説しています。


セルロースを溶かす方法

  • セルロースを溶かす方法には『シュバイツァー試薬を用いる方法』と『水酸化ナトリウムと二硫化炭素を用いる方法』が存在する。

シュバイツァー試薬を用いる方法

  • シュバイツァー試薬はアンモニア性水酸化銅(Ⅱ)溶液である。
  • セルロースのヒドロキシ基は僅かに電離してHを出し、酸の役割を果たしている。

\[ \mathrm{R-O-H⇆R-O^{-}+H^{+} }\]

  • シュバイツァー試薬に含まれる遷移金属イオンであるCu2+は、錯イオンをつくりやすい性質がある。
  • したがって、セルロースの-Oと配位結合して錯イオンを形成し、セルロースが溶解する。

水酸化ナトリウムと二硫化炭素を用いる方法

  • セルロースを濃NaOH水溶液に入れると、半透明のアルカリセルロースとなる。
  • これに適切な処理を施したのち、ニ硫化炭素(CS2)を加えると、黄〜黄赤色のゼリー状物質(セルロースキサントゲン酸ナトリウム)が得られる。
  • これを希NaOH水溶液に溶かすと、透明感のある赤褐色で粘性をもつコロイド溶液(ビスコース)となる(セルロースは溶けた!)。

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著者情報

元講師、薬剤師、イラストレーター
数百名の中高生向け指導経験あり(過去生徒合格実績:東工大・東北大・筑波大・千葉大・岡山大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)。
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆
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