【プロ講師解説】このページでは『硝酸の工業的製法「オストワルト法」(触媒・覚え方・仕組み・反応式など)』について解説しています。解説は高校化学・化学基礎を扱うウェブメディア『化学のグルメ』を通じて6年間大学受験に携わるプロの化学講師が執筆します。
オストワルト法の流れ・仕組み
STEP1 | アンモニアを空気酸化する → 一酸化窒素NOが生成 |
STEP2 | NOを酸化する → 二酸化窒素NO2が生成 |
STEP3 | NO2を酸化する → 硝酸HNO3が生成 |
Point!
STEP1
アンモニアを空気酸化する
まずは、アンモニアNH3を酸化する。
\[
4NH_{3} + 5O_{2} \overset{Pt}{→} 4NO + 6H_{2}O
\]
4NH_{3} + 5O_{2} \overset{Pt}{→} 4NO + 6H_{2}O
\]
触媒として白金Ptを用いる。ここで生成した一酸化窒素NOはSTEP2で用いる。
STEP2
一酸化窒素を酸化する
次に、一酸化窒素を酸化する。
\[
2NO + O_{2} → 2NO_{2}
\]
2NO + O_{2} → 2NO_{2}
\]
ここで生成した二酸化窒素NO2はSTEP3で用いる。
STEP3
二酸化窒素を酸化する
最後に、二酸化窒素NO2を酸化する。
\[
3NO_{2} + H_{2}O → 2HNO_{3} + NO
\]
3NO_{2} + H_{2}O → 2HNO_{3} + NO
\]
この反応式の係数決定は非常に面倒なので、係数を含めて式を丸ごと覚えてしまおう。
ちなみに、ここで発生するNOはSTEP2で再び利用される。
全体の反応式
オストワルト法全体の反応式は次の通り。
\[
NH_{3}+2O_{2}→HNO_{3}+H_{2}O
\]
NH_{3}+2O_{2}→HNO_{3}+H_{2}O
\]
この反応式は、上記STEP1〜3の反応式を足し合わせることによって作られる。
オストワルト法に関する演習問題
問1
【】に当てはまる用語を答えよ。
アンモニアNH3を元にした硝酸HNO3の製法を【1】という。
問2
【】に当てはまる用語を答えよ。
オストワスト法の第一段階では、アンモニアNH3を酸化し【1】を得る。
問3
【】に当てはまる用語を答えよ。
オストワスト法の第二段階では、一酸化窒素NOを酸化し【1】を得る。
問4
【】に当てはまる用語を答えよ。
オストワスト法の第三段階では、二酸化窒素NO2を酸化し【1】を得る。
問5
オストワスト法の第一段階、第二段階、第三段階、全体の反応式をそれぞれ書け。
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著者プロフィール
・化学のグルメ運営代表
・高校化学講師
・薬剤師
・デザイナー/イラストレーター
数百名の個別指導経験あり(過去生徒合格実績:東京大・京都大・東工大・東北大・筑波大・千葉大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆
著者紹介詳細
・化学のグルメ運営代表
・高校化学講師
・薬剤師
・デザイナー/イラストレーター
数百名の個別指導経験あり(過去生徒合格実績:東京大・京都大・東工大・東北大・筑波大・千葉大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆
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