アルキルベンゼン(トルエン・キシレン)の構造・製法・反応

目次

はじめに

【プロ講師解説】このページでは『アルキルベンゼン(トルエン・キシレン)の構造・製法・反応』について解説しています。


アルキルベンゼンとは

  • ベンゼンにアルキル基(メチル基-CH3・エチル基-CH2CH3など)が置換した化合物をアルキルベンゼンという。
  • 今回は、アルキルベンゼンの中でも特に重要であるトルエンとキシレンについて解説する。

トルエン

  • ベンゼンに1つのメチル基(-CH3)が置換した化合物をトルエンという。

トルエンの製法

  • トルエンはベンゼンのメチル化によって得ることができる。
  • ベンゼンのメチル化について詳しくは次のページを参照のこと。

参考:ベンゼン(構造・特徴・製法・各種反応など)

トルエンの反応①(酸化反応)

  • トルエンを酸化すると安息香酸が得られる。
  • ちなみに、ベンゼンをエチル基(-CH2CH3)で置換した”エチルベンゼン”も酸化されると安息香酸になる。

トルエンの反応②(ニトロ化)

  • トルエンを高温下でニトロ化すると、2-4-6トリニトロトルエン(T.N.T)が得られる。

キシレン

  • ベンゼンにメチル基(-CH3)が2つ置換した化合物をキシレンという。
  • キシレンのうち、置換基がオルト(o)位についているものをo-キシレン、メタ(m)位についているものをm-キシレン、パラ(p)位についているものをp-キシレンという。
  • オル・メタ・パラ配向性について詳しくは次のページを参照のこと。

参考:置換反応と配向性(オルト・メタ・パラ)

キシレンの反応①(o-キシレンの酸化反応と脱水反応)

  • o-キシレンを酸化するとフタル酸が、フタル酸を脱水すると無水フタル酸が得られる。

キシレンの反応②(m-キシレンの酸化反応と脱水反応)

  • m-キシレンを酸化するとイソフタル酸が得られる。
  • イソフタル酸は2つのカルボキシ基(-COOH)が離れた位置にあるので加熱しても脱水はおこらない。

キシレンの反応③(p-キシレンの酸化反応と脱水反応)

  • p-キシレンを酸化するとテレフタル酸が得られる。
  • テレフタル酸は(イソフタル酸と同様)2つのカルボキシ基(-COOH)が離れた位置にあるので加熱しても脱水はおこらない。

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著者情報

元講師、薬剤師、イラストレーター
数百名の中高生向け指導経験あり(過去生徒合格実績:東工大・東北大・筑波大・千葉大・岡山大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)。
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆
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