【プロ講師解説】このページでは『可逆反応と不可逆反応』について解説しています。解説は高校化学・化学基礎を扱うウェブメディア『化学のグルメ』を通じて6年間大学受験に携わるプロの化学講師が執筆します。

可逆反応

水素(H2)とヨウ素(I2)の混合気体を加熱すると、ヨウ化水素(HI)が生成する。

\[
H_{2}+I_{2}→2HI
\]

逆に、HIを加熱するとH2とI2が発生する。

\[
2HI→H_{2}+I_{2}
\]

このように、左辺から右辺への反応も、右辺から左辺への反応も起こりうる反応を可逆反応という。

可逆反応は左右逆の矢印を使って以下のように表すこともできる。

\[
H_{2}+I_{2}⇄2HI
\]

可逆反応において、右向きの反応(→)を「正反応」、左向きの反応(←)を「逆反応」ということも知っておこう。

不可逆反応

不可逆反応とは逆反応が起こらない反応である。

\[
2H_{2}+O_{2}→2H_{2}O
\]

この反応は、左から右の反応は起こるが、(基本的に)右から左の反応は起こらない。
正反応は起こるのに逆反応が起こらないわけだから、不可逆反応の一種と言える。

※カッコで”基本的に”と書いたが、今回の例を含めて本来「すべての化学反応は可逆反応」である。
この例でも、実験中にある特別な操作を行うと左向きの逆反応が起こる。(高校化学で知っている必要はない)

可逆反応・不可逆反応に関する演習問題

問1

【】に当てはまる用語を答えよ。

水素とヨウ素の反応「H2 + I2 → 2HI」は逆向きの反応である「2HI → H2 + I2」も起こりうる。このような反応を【1】といい、「H2 + I2 ⇆ 2HI」のように表すこともできる。

【問1】解答/解説:タップで表示
解答:【1】可逆反応
問2

【】に当てはまる用語を答えよ。

「H2 + I2 ⇆ 2HI」の反応で、右向きの反応を【1】、左向きの反応を【2】という。また1方向にしか進まない反応は【3】という。

【問2】解答/解説:タップで表示
解答:【1】正反応【2】逆反応【3】不可逆反応

関連:計算ドリル、作りました。

化学のグルメオリジナル計算問題集「理論化学ドリルシリーズ」を作成しました!

モル計算や濃度計算、反応速度計算など入試頻出の計算問題を一通りマスターできるシリーズとなっています。詳細は【公式】理論化学ドリルシリーズにて!


著者プロフィール

・化学のグルメ運営代表
・高校化学講師
・薬剤師
・デザイナー/イラストレーター

数百名の個別指導経験あり(過去生徒合格実績:東京大・京都大・東工大・東北大・筑波大・千葉大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆

著者紹介詳細