可逆反応と不可逆反応

目次

はじめに

【プロ講師解説】このページでは『可逆反応と不可逆反応』について解説しています。


可逆反応

  • 水素(H2)とヨウ素(I2)の混合気体を加熱すると、ヨウ化水素(HI)が生成する。

\[ \mathrm{H_{2}+I_{2}→2HI} \]

  • 逆に、HIを加熱するとH2とI2が発生する。

\[ \mathrm{2HI→H_{2}+I_{2}} \]

  • このように、左辺から右辺への反応も、右辺から左辺への反応も起こりうる反応を可逆反応という。
  • 可逆反応は左右逆の矢印を使って次のように表すこともできる。

\[ \mathrm{H_{2}+I_{2}⇄2HI} \]

  • 可逆反応において、右向きの反応(→)を「正反応」、左向きの反応(←)を「逆反応」ということも知っておこう。

不可逆反応

  • 逆反応が起こらない反応を不可逆反応という。

\[ \mathrm{2H_{2}+O_{2}→2H_{2}O} \]

  • この反応は、左から右の反応は起こるが、(基本的に)右から左の反応は起こらない。
  • 正反応は起こるのに逆反応が起こらないわけだから、不可逆反応の1種と言える。

今回の例を含めて本来「すべての化学反応は可逆反応」です。この例でも、実験中にある特別な操作を行うと左向きの逆反応が起こります(高校化学の段階では知らなくて大丈夫です)。


演習問題

化学のグルメでは、高校化学・化学基礎の一問一答問題を公開しています。問題一覧は【スマホで出来る】一問一答(高校化学・化学基礎)でご覧下さい。

問1

水素とヨウ素の反応「H2 + I2 → 2HI」は逆向きの反応である「2HI → H2 + I2」も起こりうる。このような反応を【1】といい、「H2 + I2 ⇆ 2HI」のように表すこともできる。

解答/解説:タップで表示

解答:【1】可逆反応

水素とヨウ素の反応「H2 + I2 → 2HI」は逆向きの反応である「2HI → H2 + I2」も起こりうる。このような反応を可逆反応といい、「H2 + I2 ⇆ 2HI」のように表すこともできる。

問2

「H2 + I2 ⇆ 2HI」の反応で、右向きの反応を【1】、左向きの反応を【2】という。また一方向にしか進まない反応を【3】という。

解答/解説:タップで表示

解答:【1】正反応【2】逆反応【3】不可逆反応

「H2 + I2 ⇆ 2HI」の反応で、右向きの反応を正反応、左向きの反応を逆反応という。また一方向にしか進まない反応を不可逆反応という。

【高校化学の計算ドリル】大好評発売中!

高校化学・化学基礎の計算問題が苦手な人に向けた計算ドリルを発売しました。豊富な問題数で、入試頻出の計算問題の解き方を身につけることができます。

著者情報

元講師、薬剤師、イラストレーター
数百名の中高生向け指導経験あり(過去生徒合格実績:東工大・東北大・筑波大・千葉大・岡山大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)。
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆
気に入ったらシェアしてね!
目次