はじめに

セッケンと合成洗剤は化学の中でも後半に習うところ。多くの高校生は対策が十分にできないまま受験を迎えてしまう。このページではセッケンと合成洗剤について、製法や性質、利点や欠点などを一から丁寧に解説していく。ぜひこの機会にセッケン/合成洗剤をマスターして他の受験生と差をつけよう!


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セッケンとは

高級脂肪酸のナトリウム塩をセッケンという。セッケンは親油性(疎水性)の長い鎖状の炭化水素基の部分と、親水性のカルボキシ基のNa塩の部分からできている。

セッケンのように親油性の部分と親水性の部分を持つものを両親媒性の物質という。

セッケンの製法

けん化法

原料油脂を計算量の水酸化ナトリウムにより直接けん化し、塩析によってグリセリンとセッケンを分離する。(セッケンを得る)

中和法

原料油脂をあらかじめ加水分解して脂肪酸を作り、グリセリンを回収した後、脂肪酸を中和する。


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セッケンの性質

ミセルコロイド

セッケン中では、セッケン粒子が多数会合してミセルと呼ばれる集合体を作り、水中に分散する。ミセルはコロイド粒子の大きさを持つためミセルコロイドとも呼ばれ、光を散乱して水溶液はやや白く濁っている。このとき、セッケン粒子は親油性の部分を外側(水中)に向けて会合している。

界面活性作用

親水基と疎水基の両方をもつ物質は水分子同士の水素結合を切断し、水の表面張力を低下させる。この作用を界面活性作用といい、界面活性作用を示す物質を界面活性剤という。

界面活性作用により泡立ちが良くなり、繊維に対する浸透性が向上する。また、セッケン水の表面で、セッケン粒子は親水基を水側に、疎水基を空気側に向けている。

乳化作用

セッケンは水に溶けにくい油などの汚れを疎水基の集中したミセルの内側に取り込んで、水中に分散させる。これを乳化作用という。このようにしてできたコロイド粒子は当然セッケンだけの状態よりも大きいので、光より多く散乱して溶液全体が白く濁ったようになり、乳濁液と呼ばれる。

セッケンの欠点

タンパク質からなる繊維には使えない

セッケンは弱酸と強塩基からなる塩なので、水中で加水分解して弱塩基性を示す。絹や羊毛などのタンパク質からなる繊維などには(加水分解して痛めてしまうため)使うことができない。

\[
R-COO^{-} + H_{2}O ⇄ R-COOH + OH^{-}
\]

硬水中では使えない

硬水(Ca2+やMg2+などを多く含む水)中では、以下の反応が起こって沈殿が生成し、洗浄作用が低下する。

\[
R-COO^{-} + Ca^{2+} ⇄ Ca(R-COO)_{2}\\
R-COO^{-} + Mg^{2+} ⇄ Mg(R-COO)_{2}
\]

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合成洗剤とは

強酸であるスルホン酸R-SO3Hのナトリウム塩を合成洗剤という。
強酸と強塩基からなる塩なので、加水分解せずに中性を示す。

硫酸アルキルナトリウム(高級アルコール系)

アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ABS)

セッケン/合成洗剤の違い

水溶液の液性 硬水との反応 生分解性
セッケン
(R-COONa)
弱塩基性 沈殿する されやすい
合成洗剤
(R-SO3Na)
中性 沈殿しない されにくい

セッケンは高級脂肪酸のナトリウム塩(R-COONa)であり、水溶液の液性は弱塩基性、硬水と反応して沈殿を作る。合成洗剤はスルホン酸のナトリウム塩(R-SO3Na)であり、水溶液の液性は中性、硬水と反応しない。

天然に存在する脂肪酸のナトリウム塩であるセッケンは、海や川などの自然環境に戻しても微生物が持つ酵素により分解されやすい。これを生分解性が高いという。生分解性が高いということはつまり、自然環境に対する影響が小さい。また、タンパク質変性作用が少ないので手荒れなども起こりにくい。一方、人工的に作った合成洗剤は、生分解性が低いため水質汚染の原因になりやすく、またタンパク変性作用が大きいため手荒れが起こりやすい。


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