高級脂肪酸(炭素数・覚え方・種類・一覧・構造式・分子量など)

目次

はじめに

【プロ講師解説】このページでは『高級脂肪酸(炭素数・覚え方・種類・一覧・構造式・分子量など)』について解説しています。


高級脂肪酸とは

  • 炭素数の多い1価のカルボン酸を高級脂肪酸という。
  • 油脂を構成する脂肪酸は全て高級脂肪酸の仲間であり、次の特徴をもっている。

●高級脂肪酸の特徴

  • 全炭素数が偶数
  • 炭化水素基の部分が直鎖
  • 炭化水素基の部分に存在する不飽和結合はシス(cis)型
  • 具体例を挙げて構造を確認する。

パルミチン酸

分子式C15H31COOH
全炭素数16
官能基-COOH1個
炭化水素基長い、飽和

オレイン酸

分子式C17H33COOH
全炭素数18
官能基-COOH1個
炭化水素基長い、不飽和、C=C1コ(cis型)

高級脂肪酸一覧

  • 代表的な高級脂肪酸を次に示す。
全炭素数名称示性式分子量C=Cの数融点(℃)
12ラウリン酸C11H23COOH200044
14ミリスチン酸C13H27COOH228054
16パルミチン酸C15H31COOH256063
18ステアリン酸C17H35COOH284070
18オレイン酸C17H33COOH282113
18リノール酸C17H31COOH2802-5
18リノレン酸C17H29COOH2783-11
20アラキドン酸C19H31COOH3044-50
20エイコサペンタエン酸C19H29COOH3025-54
22ドコサヘキサエン酸C21H31COOH3286-44

高級脂肪酸の融点

  • 高級脂肪酸の融点について解説する。

飽和脂肪酸の場合

  • 飽和脂肪酸は炭素数が増加するにつれて融点が上昇する。
  • これは、炭素数が増えると分子量が大きくなり、その結果分子間にはたらく引力が強くなるためである。

不飽和脂肪酸の場合

  • 不飽和脂肪酸は飽和脂肪酸に比べて融点が低い。
  • 不飽和脂肪酸はC=C結合部分がcis型の配置を取るため、炭素鎖が折れ線形構造をしている。
  • したがって、直線形の飽和脂肪酸と比べて分子同士が接近しにくくなるため、分子間にはたらく引力が弱くなる。その結果、融点が低くなる。

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著者情報

元講師、薬剤師、イラストレーター
数百名の中高生向け指導経験あり(過去生徒合格実績:東工大・東北大・筑波大・千葉大・岡山大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)。
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆
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