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『化学記述・論述問題の完全対策』数少ない記述対策用問題集の使い方をレビュー。
はじめに
記述・論述対策用の化学問題集として知られる「化学記述・論述問題の完全対策 (駿台受験シリーズ)」。今回はこの人気問題集について、その魅力から具体的な使い方、併用にオススメの参考書まで1つ1つ丁寧に解説していこうと思います。化学記述・論述問題の完全対策の購入を検討している人はもちろん、もう既に持っているよという人も是非参考にして下さい。
本の特徴と対象
まず、「化学用語」「理由」「様子」「手順」「データ解析」「計算問題の導出過程」の6つの記述内容の一般的書き方を説明したあと、「構造」「状態」「溶液」「反応の理論」「無機」「有機」「実験」「小論文」という分野ごとに重要Check項目の書き方を説明。
駿台文庫HP
化学記述・論述問題の完全対策を一言で表すなら「記述・論述対策に最適な化学問題集」です。
この問題集には実際の入試で出題された記述・論述式の問題が多く掲載されています。従って、既に基礎固めを終えて「国立二次に向けた筆記試験対策を行いたい!」という人に適しています。重要問題集や化学の新演習などで入試の典型問題を一通り押さえた後に取り組みましょう。
メリット
化学記述・論述問題の完全対策にはメリットとデメリットが存在します。まずはメリットの方から紹介していきましょう。
筆記に特化した対策ができる
化学記述・論述問題の完全対策は「国立二次で出題される記述・論述問題に特化した問題集」です。他にこのような問題集は少なく、筆記試験対策を行いたい人は必ず持っておくべき問題集と言えるでしょう。
網羅性
化学記述・論述問題の完全対策は理論化学・無機化学・有機化学筆記で頻出の問題を万遍なく網羅しています。従って、基本的に国立向けの筆記対策はこれ一冊に任せておけば問題ないでしょう。
解説が充実
化学記述・論述問題の完全対策は問題の解答例の他に「ポイント」として回答を書く際に必要となる知識が事細かく書かれています。この部分は図も豊富で非常にわかりやすいと評判です。問題を解く際は模範解答だけでなくぜひこの「ポイント」の部分も読むようにしましょう。
デメリット
化学記述・論述問題の完全対策は非常にいい問題集ではありますが、デメリットもいくつか存在します。次はそれらを紹介していきましょう。
オーバーワークになる
化学記述・論述問題の完全対策を使って勉強することは多くの大学受験生にとって“オーバーワーク”になるでしょう。基本的に国立の難関大や筆記を必要とする私立の難関学部を受験する人以外はほとんど必要ないと思います。反対に、そのような大学を受験する人にとっては最高の問題集と言えるでしょう。
化学の新演習で十分
多くの難関大は化学の新演習で十分対応可能です(化学の新演習にも筆記問題はある程度掲載されています)。他の教科とのバランス等を考えて化学記述・論述問題の完全対策まで取り組むのか化学の新演習で止めるのか選択しましょう。
使い方
次に、化学記述・論述問題の完全対策の具体的な使い方を紹介していきます。むやみに使っても効果は出づらいので、まずはこれから紹介するやり方を参考にしていただき、状況に応じて自分流の使い方を見つけていきましょう。
1つ1つ、手を動かす
普通、問題集を解くときには「1週目はわからなければすぐ答えをみろ」と言われることが多いですが、化学記述・論述問題の完全対策でそれはやめた方がいいでしょう。この問題集を解く最大の目的は「自分で文を書く力」をつけることです。答えには綺麗な模範解答が載っていますが、入試本番では自分の頭で考え、それを文にする必要があります。いきなり解答を見ても自分で答えを書く力は身につきません。できるだけ短い時間で要点を押さえた文章が書けるようトレーニングを積みましょう。
併用したい参考書
化学記述・論述問題の完全対策はあくまで入試対策の問題演習を行うためのものであり、化学の現象や計算で使う式等について詳しく解説されているわけではありません。そこで以下で紹介するような「解説型」の参考書を併用することをお勧めします。
新理系の化学
「新理系の化学」は化学記述・論述問題の完全対策と著者が同じです。非常にハイレベルな参考書ですが、合わせて持っておくと疑問点の解決に役に立ちます。また、新理系の化学問題100選も揃えれば完璧でしょう。
化学の新研究
化学の新研究を一言で表すなら「まるで“辞書”のような化学参考書」です。
教科書のような雰囲気でありながら、現象や実験に関する原理がこれでもかというほど詰め込まれ、化学をしっかり勉強したい人にとってこれ以上ない仕上がりになっています。化学記述・論述問題の完全対策との相性も悪くないでしょう。