双性イオン(定義や特徴、酸・塩基との反応など)

目次

はじめに

【プロ講師解説】このページでは『双性イオン(定義や特徴、酸・塩基との反応など)』について解説しています。


双性イオンとは

  • アミノ酸は分子内にカルボキシ基(-COOH)とアミノ基(-NH2)を併せもっており、酸性を示す-COOHから塩基性を示す-NH2にHが移動し、分子内で塩を形成することがある。
  • このとき生じる正電荷と負電荷をもつイオンを双性イオンという。
  • 双性イオンはクーロン力(静電引力)でお互いを引き合い、アミノ酸の結晶を形成する。
  • したがって、アミノ酸の結晶はイオン結晶であり、水に溶けやすく融点が高いという特徴がある。

双性イオンと溶液のpH

  • 双性イオンであるアミノ酸は、酸や塩基と反応することがある。

双性イオンと酸

酸と反応 → 陽イオンになる

  • アミノ酸は結晶中で双性イオンとして存在している。
  • これを水に溶かし、そこに酸(HClなど)を加えると次のように反応しアミノ酸は(双性イオンから)陽イオンとなる。

双性イオンと塩基

塩基と反応 → 陰イオンになる

  • アミノ酸の結晶を水に溶かし、そこに塩基(NaOHなど)を加えるとアミノ酸は陰イオンとなる。

双性イオンの反応まとめ

  • 最後に、双性イオンと酸・塩基の反応をまとめる。
  • アミノ酸は溶液のpHが下がる(酸性になる)ほど陽イオンの、pHが上がる(塩基性になる)ほど陰イオンの割合が高くなる。

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著者情報

元講師、薬剤師、イラストレーター
数百名の中高生向け指導経験あり(過去生徒合格実績:東工大・東北大・筑波大・千葉大・岡山大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)。
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆
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