はじめに

アルデヒド・ケトンは大学入試超頻出事項の1つ。このページではアルデヒド・ケトンについて、定義から構造、一覧、性質、製法、各種反応を一から丁寧に解説していく。ぜひこの機会にアルデヒド・ケトンをマスターして他の受験生と差をつけよう!


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アルデヒドとは

アルデヒドとはアルデヒド基(-CHO)をもつ化合物である。

アルデヒドの名称

示性式 慣用名
H-CHO ホルムアルデヒド
CH3-CHO アセトアルデヒド
CH3-CH2-CHO プロピオンアルデヒド

アルデヒドは慣用名で呼ばれることがほとんど。慣用名と構造をきっちり対応させて覚えよう。

アルデヒドの製法

基本的な製法(第1級アルコールの酸化)

Point!

【保存版】アルコールとエーテルの違いからそれぞれの命名法や製法、反応について完全まとめ!!でやったように、アルデヒドは第1級アルコールの酸化により得ることができる。

例として「エタノールの酸化によるアセトアルデヒドの生成反応」を確認しておこう。

アセトアルデヒドの工業的製法(エチレンの酸化)

アセトアルデヒドの工業的製法は入試でも頻出なので、一般的なアルデヒドの製法とは別枠で押さえておこう。

\[
2CH_{2}=CH_{2} + O_{2} → 2CH_{3}-CHO
\]

アセトアルデヒドは、工業的には塩化パラジウム(Ⅱ)PdCl2と塩化銅(Ⅱ)CuCl2を触媒に用いて、エチレンを空気酸化して製造される。この反応はヘキスト・ワッカー法と呼ばれている。


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アルデヒドの性質

・沸点が高い
・水溶性がある
・還元性がある
Point!

沸点が高い

カルボニル基は比較的大きな極性をもち、同程度の分子量をもつアルカンよりもファンデルワールス力が大きいため、沸点は高くなる。ただしヒドロキシ基のように分子間で水素結合を形成できないので、アルコールと比べると沸点は低くなる。

水溶性がある

アルデヒドは炭化水素部分が小されけば水に溶ける。

\[
ホルムアルデヒド(HCHO)→ ホルマリン
\]

特に30%~40%程度のホルムアルデヒド水溶液はホルマリンと呼ばれ、防腐剤などとして用いられる。(解剖前のご遺体を保存しておくやつ)

還元性がある

アルデヒドは還元性があるため、(以下で紹介する)フェーリング反応や銀鏡反応などの反応を起こす。

アルデヒドの反応①(フェーリング反応)

フェーリング液には銅(Ⅱ)イオンCu2+が含まれている。ここにアルデヒドを加えて加熱すると、アルデヒドの還元性によりCu2+は還元され、酸化銅(Ⅰ)Cu2Oの沈殿が生成する。(酸化銅(Ⅰ)中の銅イオンの酸化数は+1(Cu+)なので酸化数が減っている=還元されている)

この反応をフェーリング反応という。

また、アルデヒド自身は反対に酸化されカルボン酸(詳しくは後述)となっているということも押さえておこう。

【関連】【銀鏡反応 & フェーリング反応】原理や反応式、沈殿、色変化など総まとめ!

アルデヒドの反応②(銀鏡反応)

アンモニア性硝酸銀水溶液には錯イオン[Ag(NH3)2+が存在する。
ここにアルデヒドを加えて加熱するとアルデヒドによって銀イオンが還元され、単体の銀Agが生成する。(銀の単体の酸化数は0なので銀イオンの酸化数+1から還元されているね)

生成した銀は金属特有の光沢を示すため試験管の中は鏡のような状態になり、これが反応名“銀鏡反応”の由来になっている。また、フェーリング反応と同様にアルデヒド自身は酸化されてカルボン酸になるということも押さえておこう。

【関連】【銀鏡反応 & フェーリング反応】原理や反応式、沈殿、色変化など総まとめ!


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ケトン

ケトンとは、ケトン基(R-CO-R)を持つ化合物である。

アルデヒドとケトンはともにC=Oの結合をもつ化合物であり、これらを一括りにしてカルボニル化合物呼ぶこともある。

ケトンの命名法

STEP1 ケトン基の両サイドにある炭化水素基を確認する
STEP2 「ケトン」の前にアルファベットの若い順に官能基名をつける。また、2つの官能基が同じ場合は官能基名の前に「ジ」をつける
Point!

今回は、次の化合物を例に説明していく。

STEP1

ケトン基の両サイドにある炭化水素基を確認する。

まずは、ケトン基の両サイドにある炭化水素基を確認する。

(1)は両側ともエチル基、(2)は左側はエチル基、右側はメチル基になっているね。

STEP2

“ケトン”の前にアルファベットの若い順に官能基名をつける。2つの官能基が同じ場合は官能基の前に“ジ”をつける。

(1)は両側にエチル基が付いているので「ジエチルケトン」、(2)は左側にエチル基、右側にメチル基が付いているので「エチルメチルケトン」

PLUS+

「ジメチルケトン」だけは例外として「アセトン」という慣用名で呼ばれるので覚えておこう。

ケトンの製法

・第二級アルコールの酸化
・アルケンの酸化
・クメン法(アセトンのみ)
・酢酸カルシウムの乾留(アセトンのみ)
Point!

第2級アルコールの酸化

Point!

【保存版】アルコールとエーテルの違いからそれぞれの命名法や製法、反応について完全まとめ!!でやったように、第2級アルコールを酸化することでケトンが生成する。

アルケンの酸化

アルケンを酸化すると2つのケトンが生成する。

クメン法(アセトンのみ)

クメン法はフェノールの製法として知られているが、フェノールと同時にケトンの一種であるジメチルケトン(=アセトン)が生成する。

酢酸カルシウムの乾留(アセトンのみ)

アセトンの実験室的製法として酢酸カルシウムの乾留が知られている。


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ケトンの性質

還元性がない→フェーリング反応・銀鏡反応を起こさない
Point!

ケトンは還元性がなくフェーリング反応や銀鏡反応を起こさない。

したがって、還元性を示すアルデヒドと区別が可能である。

ケトンの反応(ヨードホルム反応)

上のような構造を持つアルコールやケトンにヨウ素I2と水酸化ナトリウムNaOH水溶液を加えて温めると特有の臭いをもつ「ヨードホルムCHI3という黄色沈殿が得られる。この反応をヨードホルム反応と呼ぶ。

ヨードホルム反応を起こす構造を上で2つ紹介したが、反応する部分構造に隣接する原子はCかHでなければならない。

例えば、隣がOである酢酸はヨードホルム反応を起こさない。

また、ヨードホルム反応の原理をより詳しく説明すると以下のようになる。(受験には必要なし)

以下の構造はアセチル基と呼ばれる。

アセチル基内で、C-H結合が隣接するカルボニル基の影響で、塩基性条件下ではOHによりH+が引き抜かれやすくなっている。

ここに、酸化剤(電子を奪うもの)であるI2分子が接近すると、次のような反応が起こる。

これをもう2回繰り返すと…

ここで、さらに正電荷を帯びたカルボニル基の炭素がOHに攻撃されて、次のような分解が進む。

最終的にヨードホルムCHI3が生成しているのが確認できるね。

関連:有機化学、まとめました。

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