はじめに

このページでは、電気分解の仕組みや各極での反応などについて一から丁寧に解説していく。入試でも頻出なので必ず理解しておくようにしよう。


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電気分解とは

炭素電極を使って塩化銅(CuCl2)水溶液を電気分解すると、陽極では気体の塩素(Cl2)が発生し、陰極では単体の銅(Cu)が析出する。

このように、外部から電気を与えることである物質(この例ではCuCl2)を分解すること電気分解という。

電気分解の仕組み

STEP1 電池の負極から電子(e)が出てくる
STEP2 陰極で溶液中の陽イオンがeを受け取る
→ 単体として析出
STEP3 【パターン1】 陽極板がAu/Pt/Cの場合

陽極で陰イオンがeを離す
→ eを失った陰イオンは単体になる(eは電池の正極に戻っていく)

【パターン2】 陽極板がAu/Pt/C以外の場合

陽極板が溶ける
→ 陽イオンとなり溶液中へ(eは電池の正極に戻っていく)

Point!

上で使った「塩化銅の電気分解」を例に、電気分解がどのようにして行われているのか、その仕組みについて説明していこう。

STEP1

まず、電池の負極から電子(e)が出てくる。

STEP2

次に、陰極で溶液中の陽イオンがeを受け取る。

今回は、溶液中に存在するCu2+が2つのeを受け取って単体のCuが析出しているね。

PLUS+

ここでこういう疑問を抱く人がいると思う。

「水溶液中には陽イオンであるHもいるはずなのになんでCu2+だけが電子を受け取るの??」

CuCl2水溶液中には、水(H2O)から電離したHも確かに存在している。しかし、HとCu2+イオン化傾向(=イオンでいたい度合い)を比べると、Cu2+の方が小さい。

従って、より「イオンでいたい」と思っているHは溶液中にイオンとして残り「別にイオンでなくてもええんやけど…」と思っているCu2+が電子を受け取り単体として析出するんだ。「(陽イオンでは)イオン化傾向の小さいイオンが電子を受け取る」ということはしっかり覚えておこう。

STEP3

陽極での反応は、電極の素材で2パターンに分けることができる。
極板が金(Au)や白金(Pt)、炭素(C)のときは「パターン1」、それ以外(CuやAgなど)の場合は「パターン2」となる。

今回の極板は炭素(C)なので「パターン1」の方。
陰イオンであるClはeを離すと、気体のCl2として外に出ていく。
一方、eは電池の正極へと戻っていく。

PLUS+

陰極の時と同じく、こう考える人がいるだろう。

「CuCl2水溶液中には、水(H2O)から電離した陰イオンOHも存在しているのになんでClだけが電子を離すの??」

この疑問は、陽イオンの時と同じ考え方で解決できる。
Clイオン化傾向(=イオンでいたい度合い)はOHに比べて小さい。従って「おれ別にイオンじゃなくてもいいよ」と思っているClの方が電子を離しCl2となるんだ。「(陰イオンでは)イオン化傾向の小さいイオンが電子を離す」ということはよく覚えておこう。

各極での反応

上で挙げた「塩化銅の電気分解」について、陽極・陰極での反応をそれぞれまとめてみよう。

陰極での反応

先ほど説明したように、陰極では、電池の負極から流れてきたeをCu2+が受け取り単体のCuが析出する。
これを反応式で表すと次のようになる。

\[
\mathrm{ Cu^{2+} + 2e^{-} → Cu }
\]

陽極での反応

陽極では、Clが電子を離し気体のCl2となる。

\[
\mathrm{ 2Cl^{-} → Cl_{2} + 2e^{-}}
\]

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