はじめに

中和滴定の一種である逆滴定。実験の手順が複雑で計算解法も特殊ということで苦手とする高校生が非常に多い。このページではその逆滴定について、実験の仕組みから入試頻出の計算解法までイラスト付きで1から丁寧に解説していく。ぜひこの機会に逆滴定をマスターして他の受験生を一歩リードしよう!

スポンサーリンク

逆滴定とは

特殊な中和滴定
Point!

気体(例:アンモニア)など、通常の中和滴定を行いにくい物質を滴定するための特殊な滴定法を逆滴定という。

逆滴定の流れ

逆滴定の流れについて「アンモニアの逆滴定」を例に説明していこう。

まず始めに、酸である「硫酸H2SO4(塩酸HClでも可)」を大量に用意する。

ここにアンモニアNH3を完全に吸収させる。

すると、NH3は水中に存在するH+の一部と反応してNH4+になる。

ここに指示薬(メチルオレンジorメチルレッド)を入れ、先ほどNH3と反応しなかったH+を水酸化ナトリウムNaOHで滴定する。

徐々に中和されていき…

完全に中和したときこのような状態になる。
H+はすべてOHと合わさり水になっているね。(Na+は省略)

これが、逆滴定の流れである。要するに、酸である硫酸を2つの塩基(水酸化ナトリウム、アンモニア)で滴定しているということだね。

それでは、この実験からアンモニアの濃度を求める計算問題の解き方を解説していこう。


スポンサーリンク

逆滴定計算の流れ

問題

0.50(mol/L)の硫酸200(ml)に、100(ml)のアンモニアを吸収させた。その後、1.0(mol/L)の水酸化ナトリウムで滴定したところ20(ml)滴下した所で色が変化した。アンモニアの濃度(mol/L)を求めよ。
STEP1 直線を書き、数値を並べる
STEP2 中和計算をする
Point!

これが逆滴定王道の2STEP。この通りやれば、逆滴定の問題はほぼ必ず解くことができる。

STEP1

直線を書き数値を並べる。

まずは、直線を書き数値を並べる。

酸と塩基で上下に分けて、それぞれの物質とその[mol/L]、[L]を書き並べる。

STEP2

中和計算をする。

次に、STEP1で作った直線を使って中和計算をしていく。

【公式あり】中和計算を一瞬で解く方法を理由を交えて徹底解説!でやったように、中和点で酸と塩基のmol数が等しくなることを利用して計算式を立てよう。

これを解いて、x=1.8(mol/L)

価数をかけるのを忘れずにね!

計算演習

問題

(1)

濃度不明のアンモニア400(ml)の濃度を調べるために以下の実験を行った。

【実験】1.0(mol/L)の硫酸200(ml)にアンモニアをすべて溶かした。その後、この溶液に0.5(mol/L)の水酸化ナトリウムを滴下した。すると、200(ml)加えたところで完全に中和した。

このときのアンモニアの濃度は何(mol/L)か。

(2)

濃度不明のアンモニア20(ml)の濃度を調べるために以下の実験を行った。

【実験】2.0(mol/L)の硫酸100(ml)にアンモニアをすべて溶かした。その後、この溶液に0.5(mol/L)の水酸化ナトリウムを滴下した。すると、40(ml)加えたところで完全に中和した。

このときのアンモニアの濃度は何(mol/L)か。

解答

(1) 0.75(mol/L)
(2) 1.9(mol/L)

解説

(1)

これを解いて、x=0.75(mol/L)

(2)

これを解いて、x=1.9(mol/L)

関連:計算ドリル、作りました。

化学のグルメオリジナル計算問題集「理論化学ドリルシリーズ」を作成しました!

モル計算や濃度計算、反応速度計算など入試頻出の計算問題を一通りマスターできるシリーズとなっています。詳細は【公式】理論化学ドリルシリーズにて!


スポンサーリンク