はじめに

このページでは、発熱反応や吸熱反応、熱化学方程式とそれが絡んだ計算問題の解き方などを1つ1つ丁寧に解説していく。入試でも頻出な部分なので必ず理解しておくようにしよう。


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発熱反応・吸熱反応

化学反応や状態変化によって物質の結合状態が変化すると物質の持つエネルギー(化学エネルギー)が変化する。反応前後の化学エネルギー差が、熱の出入りとして現れるとき、熱が発生する場合を発熱反応、吸収する場合を吸熱反応という。

熱化学方程式

化学反応式に熱量を書き込んだものを熱化学方程式という。

熱化学方程式では係数は物質量、化学式はその物質1molがもつ化学エネルギーを表している。

熱化学方程式では両辺を「=」で結ぶ。(化学反応式のように「→」ではない)

これは両辺のエネルギーの総和が等しいことを意味している。そこで、化学エネルギーの変化を次のようなエネルギー図として書くこともできる。

熱化学方程式を使った計算問題

STEP1 求める反応熱をQkJとし、それを含む熱化学方程式を書く
STEP2 STEP1で作った熱化学方程式の中にある物質を与式から探す
STEP3 それらが同じ側にあれば与式の反応熱をそのまま、逆側にあればマイナスの符号をつけて、全てを足し合わせる
Point!

熱化学方程式を使った問題は上の3STEPで解くことができる。次の問題を使って練習してみよう。

問題

次に示す熱化学方程式を用いて、エチレンの燃焼熱を求めよ。
H2(気)+1/2O2=H2O+286kJ
C(固)+O2=CO2+394kJ
2C(固)+2H2(気)=C2H4(気)ー52KJ

STEP1

求める反応熱をQkJとし、それを含む熱化学方程式を書く

今回は「エチレンの燃焼熱」を求める問題なので、エチレンの燃焼反応を表す熱化学方程式を書く。

\[
C_{2}H_{4}(気)+3O_{2}(気)=2CO_{2}(気)+2H_{2}O(液)+QkJ
\]

反応熱(燃焼熱)はまだ分からないので「QkJ」としておこう。

STEP2

STEP1で作った熱化学方程式の中にある物質を、あらかじめ与えられていた方程式(与式)から見つける

次に、今作った熱化学方程式中に含まれる物質を問題文中に書いてあった3つの式から探していく。

「O2を忘れているのかな?」と思ったかも知れないが、あえてムシしている。ムシとはいっても、別にボクが酸素が嫌いだから嫌がらせで仲間はずれにしてる、なんてことではない。この解法を使う時は「2つ以上の式に出てきている物質はムシしてよい(しなければならない)」というルールがあるんだ。しっかり覚えておくようにしよう。

STEP3

それらが同じ側にあれば与式の反応熱をそのまま、逆側にあればマイナスの符号をつけて、全てを足し合わせる

CO2は両方の式で右側にあるので、与式の反応熱である+394kJをそのまま(ただし作った式でのCO2の係数は2なので2をかける)用いる。
C2H4は与式では右側にあるのに対し作った式では左側にあるので、マイナス(ー)の符号をつけてー(ー52)kJとなる。
H2Oは、両方の式で右側にあるので、CO2同様+286kJをそのまま用いる。(係数の2は付くけどネ)
出た値を全て足しあわせれば、求めたい反応熱Qを求めることができる。

問題演習

問題

メタンCH4の生成反応は次の熱化学方程式で表される。
C(黒鉛) + 2H2(気) = CH4(気) + QkJ
以下の反応熱を用いてメタンの生成熱Qを求めよ。
黒鉛の燃焼熱:394kJ/mol
メタンの燃焼熱: 890kJ/mol
水素の燃焼熱: 286kJ/mol

今回は求めたい熱量QkJを含む熱化学方程式(今回はこれを与式とする)がすでに与えられている。(先ほどの問題でやったSTEP1はすでに完了している)
一方、黒鉛・メタン・水素の燃焼反応は反応熱(燃焼熱)のみが与えられており、熱化学方程式が与えられていないので、STEP1ではそれを書く。

STEP1

問題文より…

黒鉛の燃焼熱:394kJ/mol
メタンの燃焼熱: 890kJ/mol
水素の燃焼熱: 286kJ/mol

なので、次のような式を立てることができる。

STEP2

ここからは先ほどの問題と同じ。

与式中にある物質を、STEP1で作成した熱化学方程式中から見つける。

STEP3

求めたい熱量QkJを求める。

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