はじめに

1族(アルカリ金属)について学んだあとは2族(アルカリ”土類”金属)について学んでいく。このページで紹介する性質や製法はいずれも重要なので必ず覚えるようにしよう。


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アルカリ土類金属とは

ベリリウムBeとマグネシウムMg以外の2族元素
Point!

周期表とは?語呂合わせを使った覚え方から族や周期の見方まで!にあるように、アルカリ土類金属とはベリリウムBeとマグネシウムMgを除く2族元素の総称である。

2族元素の単体

まずは、2族の単体に関する以下の情報を暗記しよう。

Mg Ca Sr Ba
炎色反応 × 橙色 紅色 黄緑色
H2Oとの反応 熱水と反応 冷水と反応 冷水と反応 冷水と反応
SO42-との反応 沈殿なし CaSO4
(白)
SrSO4
(白)
BaSO4
(白)
OHとの反応 Mg(OH)2
(白)
Ca(OH)2
(白)(注)
沈殿なし 沈殿なし

(注)”多量”にOHを加えた場合に生じる。

2族元素の酸化物(酸化カルシウム)

①生石灰とも呼ばれる
②水に溶けて強塩基性を示す(水酸化物になる)
③塩基性の乾燥剤として用いられる
Point!

①生石灰とも呼ばれる

酸化カルシウムCaOは生石灰(読み方:せいせっかい)とも呼ばれる。

②水に溶けて強塩基性を示す(水酸化物になる)

酸化カルシウムは水に溶けて強塩基性を示す。

\[
CaO + H_{2}O → Ca(OH)_{2}
\]

CaOは塩基性酸化物であるため、水と反応すると水酸化物になっているね。(酸化物の反応について詳しいことは酸化物の反応(金属元素・非金属元素)を参照)

③塩基性の乾燥剤として用いられる

酸化カルシウムは“塩基性の乾燥剤”として用いられるということも知っておこう。

\[
CaO + HCl → CaCl_{2} + H_{2}O
\]

乾燥剤に関して詳しいことは【乾燥剤】酸性・中性・塩基性の乾燥剤一覧や分類・仕組みを解説!を確認しよう。

2族元素の水酸化物(水酸化カルシウム)

①消石灰とも呼ばれる(水溶液は石灰水)
②石灰水に二酸化炭素を吹き込むと白く濁る→続けると再び無色に
③鍾乳洞・鍾乳石の生成
Point!

①消石灰とも呼ばれる(水溶液は石灰水)

水酸化カルシウムは消石灰とも呼ばれ、これを水に溶かしてできた水溶液を石灰水と呼ぶ。

②石灰水に二酸化炭素を吹き込むと白く濁る→続けると再び無色に

石灰水に二酸化炭素CO2を通じると炭酸カルシウムCaCO3の沈殿が生成して白濁する。

\[
Ca(OH)_{2}+CO_{2}→CaCO_{3}↓+H_{2}O
\]

ここでさらにCO2を吹き込むと…

\[
CaCO_{3} + CO_{2} + H_{2}O → Ca(HCO_{3})_{2}
\]

炭酸水素カルシウムCa(HCO3)2は水に溶けやすいため、沈殿が溶解する。(=白濁が消える

また、白濁が消えた後、水溶液を加熱すると上記の逆反応が進み、CaCO3の沈殿が生成し、再度白濁する。

\[
Ca(HCO_{3})_{2}→CaCO_{3} + CO_{2} + H_{2}O
\]

これらはCO2の検出反応として用いられている。入試頻出の気体の検出反応については気体の検出反応まとめで紹介しているので必ず見ておくようにしよう。

③鍾乳洞・鍾乳石の生成

鍾乳洞(読み方:しょうにゅうどう)と鍾乳石(読み方:しょうにゅうせき)の生成に水酸化カルシウムは深く関わっている。

サンゴなどの主成分はCaCO3なので海底が隆起してできた地層には石灰岩CaCO3が多く含まれている。そこにCO2を含んだ地下水が流れ続けると、次のような反応が起きて石灰岩が溶けて洞窟ができる。これが鍾乳洞である。

\[
CaCO_{3} + CO_{2} + H_{2}O → Ca(HCO_{3})_{2}
\]

このとき、鍾乳洞の上からはCa(HCO3)2を含んだ地下水が滴り落ちている。また、少量の地下水(CO2含む)が蒸発している。その結果、次の反応が起き、少しずつ鍾乳石や石筍(読み方:せきじゅん)が成長する。鍾乳洞の上からつららのように垂れ下がったものが鍾乳石で、下から突き出しているものが石筍である。

\[
Ca(HCO_{3})_{2}→CaCO_{3} + CO_{2} + H_{2}O
\]

2族元素の塩(炭酸カルシウム)

CaCO3は石灰石や大理石の成分として有名で、熱分解するとCaOが生成する。(炭酸塩の熱分解に関しては【熱分解反応】入試頻出3パターンの反応式の作り方などを解説を参照)

\[
CaCO_{3} → CaO + CO_{2}
\]

また、水酸化カルシウムのところでやったように、CaCO3は水に溶けづらい(沈殿になりやすい)ということも把握しておこう。(沈殿に関しては水に難溶なイオン結晶(水酸化物・硫化物・塩化物・硫酸・クロム酸・炭酸イオン)を参照)

2族元素の塩(塩化カルシウム)

塩化カルシウムCaCl2吸湿性・潮解性をもっており、中性の乾燥剤として使用される。(NH3とは反応してしまうためNH3の乾燥には使用不可)

乾燥剤に関して詳しいことは【乾燥剤】酸性・中性・塩基性の乾燥剤一覧や分類・仕組みを解説!を確認しよう。

硫酸カルシウム

硫酸カルシウムCaSO4の水和物であるCaSO4・2H2Oはセッコウと呼ばれ、これを加熱をすることによって得られる物質CaSO4・1/2H2Oのことを焼セッコウという。(1/2H2Oが付いている物質のことを”半水和物”という)

\[
CaSO_{4}・2H_{2}O ⇄ CaSO_{4}・1/2H_{2}O + 3/2H_{2}O
\]

また、焼セッコウに水を加えて練ると元の普通のセッコウ(CaSO4・2H2O)に戻るということも併せて覚えておこう。

炭化カルシウム

炭化カルシウムCaC2カーバイドとも呼ばれ、生石灰CaOにコークスCを混ぜ高温に熱することで製造する。
これに水を加えると次のように加水分解反応が起こりアセチレンが発生する。

\[
CaC_{2} + 2H_{2}O → C_{2}H_{2} + Ca(OH)_{2}
\]

アセチレンに関しては有機化学の【保存版】アルキンの重要事項まとめ!一覧から製法、付加重合、置換反応まで徹底解説!!を参照。

マグネシウムの還元作用

ここまで主にカルシウム絡みの事項を説明してきたが最後にマグネシウムMgの還元作用について紹介して終わりにしよう。

マグネシウムは空気中で加熱すると発光を伴って燃焼する。この反応は花火やフラッシュランプに利用される。

\[
2Mg + O_{2} → 2MgO
\]

また、マグネシウムは二酸化炭素と酸化還元反応を起こし、二酸化炭素を還元する。

\[
2Mg+CO_{2}→2MgO+C
\]

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