はじめに

塩の液性が理解できずに悩む高校生は多い。しかもその多くは塩の種類(酸性塩・塩基性塩・正塩)と混同してしまっていることが原因であることが多い。そこでこのページでは、塩の液性がどのようにして決まるのか、そして塩の種類との関係まで1から丁寧に解説していく。是非この機会に塩の液性をマスターしてライバルと差をつけよう!


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塩の液性

液性(=塩を水に溶かした水溶液の性質)には「中性」「酸性」「塩基性」の3種類があり、強酸+強塩基の反応からできた塩の液性は「中性」、強酸+弱塩基の反応からできた塩の液性は「酸性」、弱酸+強塩基の反応からできた塩の液性は「塩基性」となる。つまり、塩の液性は元の酸や塩基の強弱によって決まるということだね。


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塩から「由来の酸・塩基」を割り出す

今説明したように、塩を溶かした水溶液の液性はその塩を作っている酸や塩基によって決まる。定期テストや入試の問題では「塩」を見てパッとその液性を答える必要があり、そのためには塩の化学式を見て、その塩が「どんな酸」と「どんな塩基」からできているのか瞬時に判断する必要がある。そこでこれから、塩の化学式から「由来の酸・塩基」を割り出す方法について解説していこうと思う。

今回はNaCl、NaHCO3、CaCl(OH)を例に以下の2STEPを使って説明していく。

NaCl

STEP1

「塩を陽イオンと陰イオンに分ける」

まずは、塩であるNaClを陽イオンと陰イオンに分ける。

\[
NaCl → Na^{+} + Cl^{-}
\]

Na+とClに分かれるね。

STEP2

「それらのイオンが含まれている酸・塩基を表から探す」

次に、STEP1で分けたイオンが含まれる酸又は塩基を「酸・塩基一覧表」から見つけ出そう。

ClはHCl、NaはNaOHに含まれているね。よって、NaClは強酸と強塩基からできているので、水溶液にしたときの液性は「中性」だと分かる。


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NaHCO3

STEP1

「塩を陽イオンと陰イオンに分ける」

まずは、塩であるNaHCO3を陽イオンと陰イオンに分ける。

\[
NaHCO_{3} → Na^{+} + HCO_{3}^{-}
\]

Na+とHCO3に分かれるね。

STEP2

「それらのイオンが含まれている酸・塩基を表から探す」

次に、STEP1で分けたイオンが含まれる酸又は塩基を「酸・塩基一覧表」から見つけ出そう。

HCO3はH2CO3、NaはNaOHに含まれているね。よって、NaHCO3は弱酸と強塩基からできているので、水溶液にしたときの液性は「塩基性」だと分かる。


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CuCl(OH)

STEP1

「塩を陽イオンと陰イオンに分ける」

まずは、塩であるCuCl(OH)を陽イオンと陰イオンに分ける。

\[
CuCl(OH) → Cu(OH)^{+} + Cl^{-}
\]

Cu(OH)とClに分かれるね。
Cu(OH)というのは実際、Cu2+とOHに電離している。しかし、Cu(OH)としていた方がSTEP2で都合がいいので今回はこれでいく。

STEP2

「それらのイオンが含まれている酸・塩基を表から探す」

次に、STEP1で分けたイオンが含まれる酸又は塩基を「酸・塩基一覧表」から見つけ出そう。

ClはHCl、Cu(OH)はCu(OH)2に含まれているね。よって、CuCl(OH)は強酸と弱塩基からできているので、水溶液にしたときの液性は「酸性」だと分かる。

ここまでやって分かったと思うが、「酸性塩の液性が酸性、塩基性の液性が塩基性というわけではない」
NaHCO3はHが残っているから酸性塩だけど、液性は上の通り塩基性だし、CuCl(OH)はOHが残っているから塩基性塩だけど、液性は酸性だ。
塩が「酸性塩か塩基性塩か」というのと「塩が水溶液になった時の液性」は全く別ものということに注意しよう。


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演習問題

問1

NaClを水に溶かしてできた水溶液の液性を答えなさい。

【問1】解答/解説:タップで表示
解答:中性

NaClは強酸であるHClと強塩基であるNaOHの反応により生成される。従って、液性は中性である。

問2

NaHCO3を水に溶かしてできた水溶液の液性を答えなさい。

【問2】解答/解説:タップで表示
解答:塩基性

NaHCO3は弱酸であるH2CO3と強塩基であるNaOHからつくられている。従って、液性は塩基性である。

問3

CuCl(OH)を水に溶かしてできた水溶液の液性を答えなさい。

【問3】解答/解説:タップで表示
解答:酸性

CuCl(OH)は強酸であるHClと弱塩基であるCu(OH)2からできているので液性は酸性である。

問4

CuSO4を水に溶かしてできた水溶液の液性を答えなさい。

【問4】解答/解説:タップで表示
解答:酸性

CuSO4は強酸であるH2SO4と弱塩基であるCu(OH)2からできているので液性は酸性である。

問5

Na2SO4を水に溶かしてできた水溶液の液性を答えなさい。

【問5】解答/解説:タップで表示
解答:酸性

Na2SO4は強酸であるH2SO4と強塩基であるNaOHからできているので液性は中性である。


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関連:液性の理論を、完全解明。

塩の液性が酸性や塩基性になる真の理由については別ページで解説。わかっていなくても入試では戦えるが、きちんと理解することで知識の定着に役立つかも?

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