中和と中性の違いって何?pH7が中和点とは限らない理由を解説!

目次

はじめに

【プロ講師解説】このページでは『中和と中性の違いって何?pH7が中和点とは限らない理由を解説!』について解説しています。


中性とは

  • 溶液のpHが”ちょうど7”の状態を中性という。
  • ちなみに、pHが7より小さい場合は酸性、7より大きい場合は塩基性という。

中和とは

  • 中和とは酸と塩基がお互いの性質を打ち消しあうことである。
  • 中和が起こった結果、塩と水が生じる。

中和と中性の違い

  • 中和と中性の違いは「中性はpHが7、中和はpHが7とは限らない」という点である。
  • 中和反応の結果生じる「塩」には水に溶けて酸性や塩基性を示すものが存在する。

例)酢酸ナトリウムCH3COONa+水H2O

\[ \mathrm{CH_{3}COONa + H_{2}O ⇄ CH_{3}COOH + NaOH} \]

  • CH3COONa(塩)とNaOH(強塩基)は電離度が大きいため完全に電離するが、H2OとCH3COOH(弱酸)は電離度が小さくほぼ電離しない。したがって、次のように考えることができる。

\[ \begin{align}&\mathrm{CH_{3}COO^{-} + \cancel{Na^{+}} + H_{2}O ⇄ CH_{3}COOH + \cancel{Na^{+}} + OH^{-}} \\
&\mathrm{↔︎ CH_{3}COO^{-} + H_{2}O ⇄ CH_{3}COOH + \underbrace{ OH^{-} }
_{ \text{ 塩基性 } }} \end{align}\]

  • Naは両辺に存在するので消すことができる。また、OHが存在するため結果的に水溶液の液性は塩基性となる。
  • このように、中和で生じた塩が最終的に水に溶けて(中性ではなく)酸性や塩基性を示す場合があるため、中和したからといって、必ずしもpH=7(中性)にはならない。

中和と中性の違いまとめ

この『中和と中性の違いって何?pH7が中和点とは限らない理由を解説!』のページで解説した内容をまとめる。

  • 溶液のpHが”ちょうど7”の状態を中性という。
  • 中和とは酸と塩基がお互いの性質を打ち消しあうことである。中和が起こった結果、塩と水が生じる。
  • 中和と中性の違いは「中性はpHが7、中和はpHが7とは限らない」という点である。
  • 中和反応の結果生じる「塩」には水に溶けて酸性や塩基性を示すものが存在する。

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著者情報

元講師、薬剤師、イラストレーター
数百名の中高生向け指導経験あり(過去生徒合格実績:東工大・東北大・筑波大・千葉大・岡山大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)。
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆
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