両性元素(Alなど)の単体・酸化物・水酸化物の特徴や製法、酸・塩基との反応による錯イオン形成など完全まとめ!!

はじめに

両性元素の性質や反応は入試や定期テストで超頻出。このページでは両性元素について一から丁寧に解説していく。ぜひこの機会に両性元素をマスターしてライバルと差をつけよう!


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両性元素とは

(単体・酸化物・水酸化物が)酸・塩基の両方と反応することができる元素を両性元素という。

高校化学では、次の4つの両性元素を覚えるようにしよう。

\[
Al , Zn , Sn , Pb
\]

両性元素が入試で出題される場合、ほとんどがアルミニウムの単体・酸化物・水酸化物の“反応”に関する問題である。したがって、このページでも(アルミニウムと亜鉛に関する基礎的な知識を確認した後に)アルミニウムの反応を徹底的に解説していく。

アルミニウムに関する知識

①硫酸カリウムアルミニウム十二水和物
②アルマイトを形成する
③テルミット反応を起こす
④製法:融解塩電解
Point!

①硫酸カリウムアルミニウム十二水和物

硫酸カリウムアルミニウム十二水和物はカリミョウバンと呼ばれ、単にミョウバンともいう。

カリミョウバン(ミョウバン)は、硫酸カリウムと硫酸アルミニウムの2種類の塩が組み合わさってできたもので、このような2種類の塩からできている塩のことを複塩ということも知っておこう。

②アルマイトを形成する

【暗記法】不動態とは?定義から一覧、覚え方まで大公開!にあるように、不動態は金属が酸化物の膜で覆われて溶けることができなくなった状態である。

工業製品などにアルミニウムを使う際、人工的にこの不動態を作り出すことでより安定な状態にし、さびを防止している。このように、アルミニウムの単体の表面を人工的に酸化させた(不動態にした)ものをアルマイトという。

③テルミット反応を起こす

テルミット(酸化鉄(Ⅲ)Fe2O3とアルミニウムAlを混合したもの)を加熱すると、激しい光と熱を伴い次の反応が起こる。

\[
2Al + Fe_{2}O_{3} → 2Fe + Al_{2}O_{3}
\]

この反応は混合物の名前がテルミットであることからテルミット反応と呼ばれる。

④製法:融解塩電解

アルミニウムは、ボーキサイトという酸化アルミニウムAl2Oを主成分とする原料をもとに融解塩電解(溶解塩電解)という操作をして作ることができる。

アルミニウムの製本について詳しくはアルミニウムの工業的製法「ボーキサイトの精錬・融解塩電解」について完全解説!〜仕組みから氷晶石を入れる理由まで〜を確認しよう。

鉛に関する知識

①硫酸イオンや炭酸イオンと白色沈殿を作る
②放射線を遮る
③鉛イオンには2種類存在する
Point!

①硫酸イオンや炭酸イオンと白色沈殿を作る

PbのイオンであるPb2+は、硫酸イオンSO42-や炭酸イオンCO32-と反応し白色沈殿を作る。

沈殿生成反応については沈殿生成反応の仕組みと沈殿生成反応式の作り方を、沈殿の色については無機化学の色まとめ(イオン/化合物(沈殿)/ハロゲンなど)を確認しよう。

②放射線を遮る

鉛の単体は放射線を遮る。したがって鉛をエプロンのような形で身に付けることによってレントゲンを撮る際の遮蔽材として用いられる。

③亜鉛イオンには2種類存在する

鉛イオンにはPb2+とPb4+の2種類が存在する。

Pb2+ > Pb4+
Point!

2つのイオンの安定性を比べると、Pb2+の方が高い。したがって、Pb2+は鉛蓄電池で非常に重要な役割を果たしている。(鉛蓄電池について詳しくは鉛蓄電池を攻略!仕組み・原理から各極の反応式、計算問題の解き方まで!を確認しよう)

亜鉛に関する知識

白色顔料になる
Point!

Znの物質は白色系統が多い。例えば硫化亜鉛ZnSは天然に閃亜鉛鉱やウルツ鉱として存在しており、蛍光塗料や白色顔料(ec:ベビーパウダー)などに用いられる。

両性元素の単体の反応

両性元素の反応について学ぶ前提として、両性元素は酸と反応する時は陽イオンとして、塩基と反応するときは錯イオンとして働くことが多いということを押さえておこう。

酸との反応

両性元素の単体は、酸と反応してH2を発生する。

\[
2Al + 6HCl → 2AlCl_{3} + 3H_{2}
\]

塩基との反応

両性元素の単体は、塩基と反応してH2を発生する。

\[
2Al + 2NaOH + 6H_{2}O → 2Na[Al(OH)_{4}] + 3H_{2}
\]

この反応式は以下の手順で作成する。

STEP1 両性元素が水溶液中のH2Oと反応し、水酸化物が生成する
STEP2 STEP1で生成した水酸化物が塩基由来のOHと反応し、錯イオンが生成する
STEP3 STEP1とSTEP2の式を組み合わせ、イオン反応式を作成する
STEP4 水溶液内に存在する塩基由来の陽イオンを組み合わせる
Point!

STEP1

両性元素が水溶液中のH2Oと反応し水酸化物が生成する

まずは、両性元素(今回の場合はAl)が水溶液中のH2Oと反応し水酸化物(Al(OH)3)が生成する。

\[
2Al+6H_{2}O→2Al(OH)_{3}+3H_{2}
\]

STEP2

STEP1で生成した水酸化物が塩基由来のOHと反応し錯イオンが生成する

次に、STEP1で生成した水酸化物(Al(OH)3)が塩基(NaOH)由来のOHと反応し錯イオン([Al(OH)4)が生成する。

\[
Al(OH)_{3}+OH^{-}→[Al(OH)_{4}]^{-}
\]

STEP3

STEP1とSTEP2の式を組み合わせ、イオン反応式を作成する

次に、STEP1とSTEP2の式を組み合わせてイオン反応式を作成する。

STEP4

水溶液内に存在する塩基由来の陽イオンを組み合わせる

最後に、水溶液内に存在する塩基由来の陽イオン(Na+)を組み合わせる。

両性元素の酸化物の反応

酸との反応

両性元素の酸化物は、酸と反応してH2Oを発生する。

\[
Al_{2}O_{3} + 6HCl → 2AlCl_{3} + 3H_{2}O
\]

塩基との反応

両性金属の酸化物は、塩基と反応する。

\[
Al_{2}O_{3} + 2NaOH + 3H_{2}O → 2Na[Al(OH)_{4}]
\]

酸化物の塩基との反応も、単体の場合とほぼ同じ。
以下の4STEPで考えていこう。

STEP1 両性元素の酸化物が水溶液中のH2Oと反応し、水酸化物が生成する
STEP2 STEP1で生成した水酸化物が塩基由来のOHと反応し、錯イオンが生成する
STEP3 STEP1とSTEP2の式を組み合わせ、イオン反応式を作成する
STEP4 水溶液内に存在する塩基由来の陽イオンを組み合わせる
Point!

STEP1

両性元素の酸化物が水溶液中のH2Oと反応し水酸化物が生成する

まずは、両性元素の酸化物(今回の場合はAl2O3)が水溶液中のH2Oと反応し水酸化物(Al(OH)3)が生成する。

\[
Al_{2}O_{3} + 3H_{2}O → 2Al(OH)_{3}
\]

STEP2

STEP1で生成した水酸化物が塩基由来のOHと反応し錯イオンが生成する

次に、STEP1で生成した水酸化物(Al(OH)3)が塩基(NaOH)由来のOHと反応し錯イオン([Al(OH)4)が生成する。

\[
Al(OH)_{3}+OH^{-}→[Al(OH)_{4}]^{-}
\]

STEP3

STEP1とSTEP2の式を組み合わせ、イオン反応式を作成する

次に、STEP1とSTEP2の式を組み合わせてイオン反応式を作成する。

STEP4

水溶液内に存在する塩基由来の陽イオンを組み合わせる

最後に、水溶液内に存在する塩基由来の陽イオン(Na+)を組み合わせる。

両性元素の水酸化物の反応

酸との反応

両性金属の水酸化物は、酸と反応してH2Oを発生する。

\[
Al(OH)_{3} + 3HCl → AlCl_{3} + 3H_{2}O
\]

塩基との反応

両性元素の水酸化物は、塩基と反応する。

\[
Al(OH)_{3} + NaOH → Na[Al(OH)_{4}]
\]

この反応式は以下の2STEPで作成する。

STEP1 両性元素の水酸化物が塩基由来のOHと反応し、錯イオンが生成する
STEP2 水溶液内に存在する塩基由来の陽イオンを組み合わせる
Point!

STEP1

両性元素の水酸化物が塩基由来のOHと反応し錯イオンが生成する

まずは、両性元素の水酸化物が塩基由来のOHと反応し錯イオンが生成する。

\[
Al(OH)_{3}+OH^{-}→[Al(OH)_{4}]^{-}
\]

単体・酸化物の場合のSTEP2と同じだね。
先ほどまでは水酸化物を作る作業がSTEP1だったが、今回は最初の物質が水酸化物なのでこの手順が1番にきているんだ。

STEP2

水溶液内に存在する塩基由来の陽イオンを組み合わせる

次に、水溶液内に存在する塩基由来の陽イオン(今回の場合はNa+)を組み合わせる。

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