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アルミニウムの工業的製法「ボーキサイトの精錬・融解塩電解」について完全解説!〜仕組みから氷晶石を入れる理由まで〜

約 5 分
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工業的製法の流れ・仕組み

アルミニウムの工業的製法は主に「ボーキサイト(Al2O3)の精錬」と「融解塩電解(溶解塩電解)」の2段階に分けることができる。
ここでは、これらの段階をより細かくした以下の4STEPで、工業的製法の流れ・仕組みを一から確認していこうと思う。

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STEP1

ボーキサイト(主成分:Al2O3・H2O)を水酸化ナトリウムNaOH水溶液に溶かして[Al(OH)4にする

まずは、アルミニウムの原料となる”不純物”を含んだ酸化アルミニウムであるボーキサイトをNaOH水溶液に溶かして[Al(OH)4にする。

STEP2

STEP1で作った溶液のろ液を大量の水で薄め、Al(OH)3の沈殿を作る

次に、STEP1で作った溶液のろ液を大量の水で薄め、Al(OH)3の沈殿を作り回収する。

STEP3

Al(OH)3を強熱し、純度の高いAl2O3(アルミナ)を得る

次に、Al(OH)3を強熱し、純度の高いAl2O3(アルミナ)を得る。

STEP4

融解した氷晶石(Na3AlF6)にSTEP3で得たアルミナを溶かし、溶解塩電解して純粋なアルミナを得る

最後に、融解した氷晶石(Na3AlF6)にSTEP3で得たアルミナを溶かし、溶解塩電解して純粋なアルミナを得る。

ちなみに、氷晶石というのは”融点降下剤”の一種。
Al2O3の融点は極めて高い(約2000℃)が、氷晶石を使うことで半分の1000℃近くまで下げることができるんだ。

融解塩電解について詳しいことはこれ以降に別枠で書いてあるからそれを見てみてね!

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融解塩電解の仕組み

融解塩電解は上の3STEPで考えることができる。
順番に見ていこう。

STEP1

融解した氷晶石にAl2O3を加え、電極を炭素と電気分解する

まずは、融解した氷晶石にAl2O3を加え、電極を炭素とし融解塩電解する。

ちなみに、融解塩電解の反応式は次の通り。

Al2O3 → 2Al3+ + 3O2-

ここで発生したAl3+とO2-はそれぞれSTEP2・3で使われる。

STEP2

STEP1で発生したO2-は陽極でCOやCO2になる

次に、STEP1で発生したO2-が陽極でCOやCO2になる。

この時の反応式は次の通り。

C + O2- → CO + 2e

C + 2O2- → CO2 + 4e

STEP3

STEP1で発生したAl3+は陰極で電子を受け取り純粋なAlとなる

最後に、STEP1で発生したAl3+が陰極で電子を受け取り純粋なAlとなる。

この時の反応式は以下の通り。

Al3+ + 3e → Al

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融解塩電解の反応式

融解塩電解の陰極・陽極の反応式と電解全体の反応式をそれぞれまとめておこう。

陰極の反応式

C + O2- → CO + 2e

C + 2O2- → CO2 + 4e

陽極の反応式

Al3+ + 3e → Al

全体の反応式

2Al2O3 + 3C → 4Al + 3CO2

なぜAl3+水溶液の電気分解ではダメなのか

こういう疑問をもった人はいないだろうか。

「融解塩電解なんで面倒なことせずに、普通にAl3+の入った水溶液を電気分解すればいいんじゃんないの?」

これは「イオン化傾向(=イオンでいたい度合い)」の知識を元に説明することができる。

Al3+とH+のイオン化傾向を比べると、Al3+の方が高い。
従って、両方が溶液中に存在する場合、負極からきたeを受け取って(イオンから)単体になるのは「H+」の方なんだ。
結果、目的であるAlの単体を得ることがとても難しくなってしまう。

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