水のイオン積(求め方・温度やpHとの関係など)

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はじめに

【プロ講師解説】このページでは『水のイオン積(求め方・温度やpHとの関係など)』について解説しています。


水のイオン積

  • 水は電離して水素イオンHと水酸化物イオンOHを生じる。

\[ \mathrm{H_{2}O ⇄ H^{+} + OH^{-}} \]

  • 水の電離度は25℃でα=1.8×10ー9と極めて小さいので、電離している水分子はごく僅かである。また、(反応式の係数から)HとOHは等量生じるので、水中のHとOHのモル濃度は等しくなっている。
  • HとOHのモル濃度はそれぞれ水素イオン濃度、水酸化物イオン濃度とよばれ、[H]、[OH]と表される。
  • 25℃では、[H]も[OH]も1.0×10ー7(mol/L)である。
  • 以上より、25℃における[H]と[OH])の積は1.0×10ー14(mol/L)2となり、この数値を水のイオン積(Kwという。

\[ \begin{align} \mathrm{K_{w}}&\mathrm{=[H^{+}][OH^{-}]}\\
&\mathrm{= 1.0×10^{-14}(mol/L)^{2}} \end{align} \]

  • 水のイオン積は(25℃という条件が守られている場合に限り)全ての水溶液で成立する。

水のイオン積とpH

  • 水のイオン積はpH計算をする中で頻繁に用いられる。
  • 水のイオン積とpHの関係については以下のコンテンツを参照のこと。

参考:【pH計算】定義から公式、求め方、希釈や混合が絡む問題など
参考:【演習】pH計算の問題、集めました。(基礎計算・希釈・混合など)
参考:電離平衡(公式の導出・例・pHが絡む計算問題の解き方など)


水のイオン積まとめ

この『水のイオン積(求め方・温度やpHとの関係など)』のページで解説した内容をまとめる。

  • 酸がもっているHの数を酸の価数、塩基がもっているOHの数を塩基の価数という。
  • 代表的な酸の価数を一覧表で示す。
強酸価数弱酸
HCl(塩化水素)
HBr(臭化水素)
HI(ヨウ化水素)
HNO3(硝酸)
1価HF(フッ化水素)
CH3COOH(酢酸)
H2SO4(硫酸)2価H2CO3(炭酸)
H2S(硫化水素)
H2C2O4(シュウ酸)
3価H3PO4(リン酸)
  • 代表的な塩基の価数を一覧表で示す。
強塩基価数弱塩基
NaOH(水酸化ナトリウム)1価NH3(アンモニア)
Ca(OH)2(水酸化カルシウム)2価Cu(OH)2(水酸化銅)
Mg(OH)2(水酸化マグネシウム)
Zn(OH)2(水酸化亜鉛)
3価Al(OH)3(水酸化アルミニウム)
Fe(OH)3(水酸化鉄)

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著者情報

元講師、薬剤師、イラストレーター
数百名の中高生向け指導経験あり(過去生徒合格実績:東工大・東北大・筑波大・千葉大・岡山大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)。
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆
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