はじめに

pH計算が苦手な高校生は極めて多い。
今回はそういった人向けに、pHに関する計算の解法を基礎から徹底的に解説していこうと思う。
まずはpHに関する計算に必要な「log」の使い方について学んでいこう。


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logの使い方

高校化学のlog計算では、これらの公式を知っていれば大丈夫。

数学で既に習った人もいるかもしれないが、きっちり覚えておくようにしよう。
特に、足し算とかけ算、引き算と割り算がごちゃごちゃにならないように注意してね!

pH計算の公式

pH計算をする上で、絶対に知っておかなければならない公式がある。
まずはそれらを確認しておこう。

NO.1〜NO.3は、定義として暗記しよう。
NO.4は、NO.3の式からlog計算をすることで導きだせる。

\[
pH + pOH = 14\\
\leftrightarrow -log[H^+] +(-log[OH^{-}])= 14\\
\leftrightarrow -(log[H]^{+} + log[OH^{-}])= 14\\
\leftrightarrow -log[H^{+}][OH^{-}] = 14\\
\leftrightarrow -log[H^{+}][OH^{-}] = log10^{-14}\\
\leftrightarrow [H^{+}][OH^{-}] = 1.0×10^{-14}
\]

NO.5のcは酸の濃度(mol/L)、NO.6のcは塩基の濃度(mol/L)を表している。
電離度というのは、酸や塩基から[H+]又は[OH]が電離する(出てくる)度合いのことだったね。


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基本的なpH計算の解き方

「強酸」

問題

1.0×10−2(mol/L)の塩酸HClのpHを求めなさい。ただし、HClの電離度は1とする。

STEP1

[H+]=cαから[H+]を求める。

まずは、[H+]=cαの公式を使って、[H+]を求めていく。

\[
\begin{align} [H^{+}] &= 1.0×10^{-2}×1 \\
&= 1.0×10^{-2} \end{align}
\]

STEP2

pH=ーlog[H+]からpHを求める。

次に、pH=ーlog[H+]の公式を用いて、pHを求めていく。

\[
\mathtt{
\begin{align} pH&=-log(1.0×10^{-2}) \\
&= 2 \end{align}
}
\]

ちなみに、強酸の電離度は書かれていない場合もあるが、そういうときは基本的に「1」だと思ってもらってかまわない。

「弱酸」

問題

0.1×10−3(mol/L)の酢酸CH3COOHのpHを求めなさい。ただし、CH3COOHの電離度は0.01とする。

STEP1

[H+]=cαから[H+]を求める。

まずは、[H+]=cαの公式を使って、[H+]を求めていく。

\[
\mathtt{ \begin{align} [H^{+}]&=0.1×10^{-3} × 0.01 \\
&=1.0×10^{-6} \end{align} }
\]

強酸と異なり、電離度が1でないことに注意しよう。

STEP2

pH=ーlog[H+]からpHを求める。

次に、pH=ーlog[H+]の公式を用いて、pHを求めていく。

\[
\mathtt{ \begin{align} pH&=-log(1.0×10^{-6}) \\
&=6 \end{align} }
\]

「強塩基」

問題

1.0×10−2(mol/L)の水酸化ナトリウムNaOHのpHを求めなさい。ただし、NaOHの電離度は1とする。

STEP1

[OH]=cαから[OH]を求める。

まずは、[OH]=cαの公式を使って、[OH]を求めていく。

\[
\mathtt{ \begin{align} [OH^{-}]&=1.0×10^{-2}×1\\
&=1.0×10^{-2} \end{align} }
\]

STEP2

[H+][OH]=1.0×10−14から[H+]を求める。

次に、[H+][OH]=1.0×10−14の公式より[H+]を求めていく。

\[
\mathtt{ \begin{align} [H^{+}]&=\frac{ 1.0×10^{-14} }{ [OH^{-}] }\\
&=\frac{ 1.0×10^{-14} }{ 1.0×10^{-2} }\\
&=1.0×10^{-12}\end{align} }
\]

STEP3

pH=ーlog[H+]からpHを求める。

最後に、pH=ーlog[H+]の公式を用いてpHを求めていく。

\[
\mathtt{ \begin{align} pH&=-log(1.0×10^{12})\\
&=12 \end{align}}
\]

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希釈溶液のpH計算

希釈溶液というのは、もともとあった溶液を薄めた物のこと。pHの計算問題ではよく出題されるから、解き方をきちんと定着させておこう。

問題

1.0×10−2(mol/L)の塩酸HCl 1mlに水を加え、全体で100mlとした。このときのpHを求めなさい。ただし、HClの電離度は1とする。

STEP1

希釈前のmolを求める。

まずは、希釈前のmolを求める。

\[
1.0×10^{-2}(mol/L) × \frac{ 1 }{ 1000 }(L) = 1.0×10^{-5}(mol)
\]

STEP2

そのmolを、希釈後のLで割ることで濃度(mol/L)を求める。

次に、STEP1で求めたmolをLで割ることにより、濃度を導き出す。
そのmolを、希釈後のLで割ることで濃度(mol/L)を求める。

\[
\frac{ 1.0×10^{-5}(mol) }{ \displaystyle \frac{ 100 }{ 1000 }(L) } = 1.0×10^{-4}(mol/L)
\]

STEP3

[H+]=cαから[H+]を求める。
[H+]=cαの公式を使って、[H+]を求めていく。

\[
\begin{align} [H^{+}]&=1.0×10^{-4} × 1\\
&=1.0×10^{-4} \end{align}
\]

STEP4

pH=ーlog[H+]からpHを求める。

次に、pH=ーlog[H+]の公式を用いて、pHを求めていく。

\[
\begin{align} pH&=-log(1.0×10^{-4})\\
&=4 \end{align}
\]

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混合溶液のpH計算

混合溶液のpHの求め方は少し複雑。例を用いながら説明していこう。

問題

1.0×10ー2(mol/L)の塩酸HCl 10mlに1.0×10−3(mol/L)の水酸化ナトリウムNaOH 10mlを加えた。このときのpHを求めなさい。ただし、log4.5=0.65とする。

STEP1

酸から生じるH+、塩基から生じるOHそれぞれのmolを出す。

まずは、HClから生じるH+、NaOHから生じるOHのmolをそれぞれ求めていく。

\[
\begin{align} H^{+}&=1.0×10^{-2}(mol/L) × \frac{ 10 }{ 1000 }(L) × 1\\
&= 1.0×10^{-4}(mol) \end{align}
\]
\[
\begin{align} OH^{-}&=1.0×10^{-3}(mol/L) × \frac{ 10 }{ 1000 }(L) × 1\\
&= 1.0×10^{-5}(mol) \end{align}
\]

STEP2

STEP1で求めたmol同士で引き算することで、中和で余ったH+(又はOH)のmolを求める。

次に、STEP1で求めたmol同士で引き算することで、中和で余ったH+(又はOH)のmolを求める。

\[
\underbrace{ 1.0×10^{-4}}_{ HClから出たH^{+} } – \underbrace{ 1.0×10^{-5}}_{ NaOHから出たOH^{-} } = \underbrace{ 9.0×10^{-5}}_{ 余ったH^{+} }
\]

STEP3

STEP2で求めたmolをLで割ることにより、H+の濃度を導き出す。

次に、STEP2で求めたmolをLで割ることにより、H+の濃度を導き出す。

\[
\frac{ 9.0×10^{-5}(mol) }{ \displaystyle \frac{ 10+10 }{ 1000 }(L) } = 4.5×10^{-3}(mol/L)
\]

STEP4

pH=ーlog[H+]の公式を用いて、pHを求める。

最後に、pH=ーlog[H+]の公式を用いてpHを求めていく。

\[
\begin{align} pH&=-log(4.5×10^{-3})\\
&=2.35 \end{align}
\]

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pH計算問題演習

学んだ知識を使って、幾つか問題演習をしてみよう。

※以下の値は適宜用いること。
log2=0.3、log3=0.47、log5=0.7
塩酸の電離度:1
水酸化ナトリウムの電離度:1
酢酸の電離度:0.01

問1

1.0×10−3(mol/L)の塩酸HClのpHを求めなさい。

【問1】解答/解説:タップで表示
解答:3.0
[H+]=cα=1.0×10−3×1=1.0×10−3

pH=ーlog[H+]=ーlog(1.0×10−3)=3

問2

1.0×10−2(mol/L)の水酸化ナトリウムNaOHのpHを求めなさい。

【問2】解答/解説:タップで表示
解答:12
[OH]=cα=1.0×10−2×1=1.0×10−2

[H+][OH]=1.0×10−14より、

[H+]=1.0×10−14/1.0×10−2=1.0×10−12

pH=ーlog[H+]=ーlog(1.0×10−12)=12

問3

3.0×10−3(mol/L)の酢酸CH3COOHのpHを求めなさい。

【問3】解答/解説:タップで表示
解答:4.53
[H+]=cα=3.0×10−3×0.01=3.0×10−5

pH=ーlog[H+]=ーlog(3.0×10−5)=4.53

問4

1.0×10−2(mol/L)の塩酸HCl 100mlに水を加え、全体で1000mlとした時の溶液のpHを求めなさい。

【問4】解答/解説:タップで表示
解答:3

[H+]=cα=1.0×10−3×1=1.0×10−3

pH=ーlog[H+]=ーlog(1.0×10−3)=3

問5

2.0×10−2(mol/L)の水酸化ナトリウムNaOH 10mlに水を加え、全体で100mlとした溶液のpHを求めなさい。

【問5】解答/解説:タップで表示
解答:11.3

[OH]=cα=2.0×10−3×1=2.0×10−3

[H+][OH]=1.0×10−14より、

[H+]=1.0×10−14/2.0×10−3=5.0×10−12

pH=ーlog[H+]=ーlog(5.0×10−12)=11.3

問6

1.0×10−2(mol/L)の塩酸HCl 10mlに2.0×10−2(mol/L)の水酸化ナトリウムNaOH 10mlを加えた溶液のpHを求めなさい。

【問6】解答/解説:タップで表示
解答:11.7




[H+][OH]=1.0×10−14より、

[H+]=1.0×10−14/5.0×10−3=2.0×10−12

pH=ーlog[H+]=ーlog(2.0×10−12)=11.7

問7

1.0×10−2(mol/L)の硫酸H2SO4 10mlに1.0×10−2(mol/L)の水酸化ナトリウムNaOH 10mlを加えた溶液のpHを求めなさい。

【問7】解答/解説:タップで表示
解答:2.3

[H+]=cα=5.0×10−3×1=5.0×10−3

pH=ーlog[H+]=ーlog(5.0×10−3)=2.3

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関連:そもそもpHって?

pH計算も大事だけど、pHに関する定義やpHが関係した公式の導出方法をきちんと押さえているかな?この機会にまとめて確認しておこう。

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