pHが0になるとき
pHの範囲は基本「0から14」だったけど、実際問題を解いていてpH=0という状況になることはほとんどないよね。
本当に0になることがあるんだろうか。今回はそこを確かめてみようと思う。
例
1[mol/L]の塩酸(HCl)のpHを求めてみよう。
塩酸は強酸のため、基本的に完全電離する。
\[
HCl → H^{+} + Cl^{-}
\]
HCl → H^{+} + Cl^{-}
\]
反応式の係数より、1molのHClから1molのH+が生成するから、元のHClの濃度はH+の濃度と等しくなるね。
(化学反応式と係数の関係については化学反応式(係数・作り方・書き方・計算問題の解き方など)を参照!)
つまり、H+の濃度は「1mol/L」なわけだ。
これを、pHの公式に当てはめると…
\[
\begin{align} pH=&-log_{10}[H^{+}] \\
&=-log_{10}1 \\
&= 0 \end{align}
\]
\begin{align} pH=&-log_{10}[H^{+}] \\
&=-log_{10}1 \\
&= 0 \end{align}
\]
「pH=0」になるね。以上より、pHが0になるときというのは計算上「存在する」ということがわかった。いざテストで出てきても、落ち着いて対処できるようにしておこう。
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著者プロフィール
・化学のグルメ運営代表
・高校化学講師
・薬剤師
・デザイナー/イラストレーター
数百名の個別指導経験あり(過去生徒合格実績:東京大・京都大・東工大・東北大・筑波大・千葉大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆
著者紹介詳細
・化学のグルメ運営代表
・高校化学講師
・薬剤師
・デザイナー/イラストレーター
数百名の個別指導経験あり(過去生徒合格実績:東京大・京都大・東工大・東北大・筑波大・千葉大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)
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